松本清張原作の映画から、人間の深層心理を学ぶ。

2019.11.07

松本清張の小説の多くは映画化され人気を得ています。文字だけでは感じとることが難しい、清張の真骨頂ともいえる人間の闇を描いた真理描写も、映像化することでより深くこころに伝わります。ミステリーの定番ともいえる人気の松本清張の映画を一挙にご紹介します。

松本清張映画ベスト3

松本清張の描く社会派ミステリー小説はいくつも映画化されており、どれも人気が高くさまざまな人気俳優によって、何度も映画化されたものが少なくありません。その中でもおすすめベスト3をご紹介しましょう。

点と線(1958)

松本清張のベストセラー小説家「点と線」を映画化したミステリーサスペンスです。

冬の博多郊外で発見された男女の心中死体に疑問を持つ警視庁捜査二課の三原刑事と、心中の裏に汚職事件があると疑う福岡署の老刑事・鳥飼が共に事件の謎を追う物語です。ただのサスペンス映画ではなく、情感豊かな描写が秀一な映画です。

1958年に製作・公開された作品なので、鉄道のシーンに蒸気機関車が走っているなど所々に時代を感じさせます。

砂の器(1974)

松本清張の社会派サスペンス小説で、橋本忍と山田洋次の共同脚本で映画化されたものです。

宿命を背負った暗い過去を断ち切り、音楽家として成功した和賀英良の前に現れた、警視庁刑事今西と西蒲田署刑事吉村によって、封印していた過去が徐々に暴かれていく衝撃のミステリー映画です。

ゼロの焦点(1961、2009)

金沢へ出張した新婚の広告会社社員憲一が突然現地で消息を絶ち、妻の禎子は単身で金沢に行き夫を探し始めますが、やがて夫の隠された過去を知ることになるのですが・・。

この映画は1961年と2009年の2回制作され公開されています。2009年版であればDVDやオンライン動画サービスなどでも取り扱いが多いので、ぜひチェックしてみてください。

松本清張映画 番外編

上記の映画よりは少しマイナーではありますが、清張ファンには根強い人気のあるものを2作品ご紹介します。

どちらも清張独特の深い心理描写が冴える作品ばかりです。

顔(1957)

1957年に公開された松本清張原作の初映画化作品です。

「小説新潮」で連載されていた小説を映画化したもので、トップモデルである秋子は隠している過去を知られ、執拗に脅してくる男と夜行列車の中で口論となり、男がはずみで転落死してしまうことから秋子の運命が不幸の舞台へと回転しはじめます。

疑惑(1982)

鬼塚球磨子の夫殺しは、誰もが有罪だと確信しているのですが、何一つ物的証拠がみつかりません。検察は彼女の罪を暴くことができるのか、前科4犯の鬼塚球磨子と女弁護士の心理的葛藤やせめぎ合いを描く、実際に起こった三億円保険金事件をヒントに作られた清張サスペンスです。

心の奥に突き刺さる松本清張映画

松本清張の映画はミステリー映画にありながちなストーリー展開だけを追うだけの映画ではありません。謎の裏には必ず拭い去れない深い傷や過去が隠れています。

それは罪を犯す人間だけが持つものではなく、誰の心にも潜んでいる感情であったり、思惑であったりします。

それが故に結末を知った後でも、重い澱のようなものがじわりと心の中に漂い、やがてそれが鋭く突き刺さります。

松本清張の映画は、人が生きるとはどういうことなのか、を問う映画だといえるのではないでしょうか。

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