チェット・ベイカーの功績。伝説的ジャズミュージシャンの魅力とは?

2019.11.03

カリスマ的なジャズミュージシャンとして20世紀半ばに人気を馳せ、今も多くのジャズファンから支持を集めるチェット・ベイカー。トランペット奏者として、そしてジャズボーカリストとして大きな功績を残したチェット・ベイカーの魅力をご紹介します。

チェット・ベイカーがジャズ史に残した功績

まずは、チェット・ベイカーのジャズミュージシャンとしての経歴や、彼がジャズ史に残した功績を見てみましょう。ミュージシャンとして人気を集める一方で、その半生は波乱と苦悩に満ちていました。

1950年代からジャズシーンで活躍

オクラホマ州イェール出身のチェット・ベイカーは、伝説的サックス奏者のチャーリー・パーカーに実力を認められるなど早くから才能を見出され、1950年代から本格的にプロミュージシャンとして注目を集めていきます。

この1950年代はチェット・ベイカーの全盛期として知られ、「ジャズの帝王」と呼ばれるマイルス・デイヴィスを凌ぐほどの人気を獲得しました。

一方で、この頃から薬の中毒などに苦しむようになり、ミュージシャンとしての活動を休止して生活保護を受けた時期も。しかし、1970年代半ばには復活を果たして再び精力的に活動し、不幸な事故死を遂げる1988年まで作品製作やライブを続けました。

ジャズ史に刻まれる伝説的ミュージシャンに

チェット・ベイカーは「時代の寵児」と称されるほどの人気をジャズファンから集め、批評的にも高く評価されたジャズミュージシャンです。

トランペット奏者としてはシンプルかつ表情豊かなプレイングで知られ、奇をてらわない素直な演奏の中に、独特の哀愁や繊細な感情を込めて表現するのが特徴として知られています。

また、ジャズボーカリストとしては甘く中性的な歌声で人気を博し、幅広い層から支持を集めました。その優しく柔らかいボーカルはボサノヴァを確立したジョアン・ジルベルトが影響を受けたとされていて、チェット・ベイカーの歌声がボサノヴァというジャンルそのものの成立に寄与したと言えます。

今も多くのジャズファンに愛され、また多くのジャズミュージシャンに影響を与え続けていて、まさに「ジャズ史に刻まれる伝説的ミュージシャン」と呼べる存在です。

チェット・ベイカーの名盤アルバム

チェット・ベイカーの経歴を押さえたところで、実際に彼の名演が聴ける名盤をご紹介します。「トランペット奏者」と「ジャズボーカリスト」の両方の表情を見ていきましょう。

チェット+1

トランペット奏者としてのチェット・ベイカーの魅力を知る上でおすすめなのが、数々のジャズ・スタンダードナンバーを収録した「チェット+1」です。

真っすぐでシンプルなチェット・ベイカーの演奏スタイル・個性がよく表れたアルバムで、とても聴きやすく、ジャズ初心者にもおすすめの一枚となっています。

モダン・ジャズを代表するピアニストのビル・エヴァンスとの共演が収録されているのも注目ポイントです。

  • Amazonで商品をチェックする:こちら

チェット・ベイカー・シングス

ジャズボーカリストとしてのチェット・ベイカーの魅力を知るなら、「チェット・ベイカー・シングス」が最適です。

チェット・ベイカーの活動の全盛期に発表されたこのアルバムは、当時のアメリカ西海岸の「ウエストコースト・ジャズ」というジャンルを代表する名盤として知られています。

収録曲の中でも「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」はチェット・ベイカー最大の代表曲となっていて、彼の歌声を体感する上でまず聴くべき一曲と言えるでしょう。

他の収録曲も有名なジャズ・スタンダードナンバーが並んでいて、チェット・ベイカーの歌声の個性を存分に味わうことができます。

  • Amazonで商品をチェックする:こちら

チェット・ベイカーを描いた映画

チェット・ベイカーの音楽人生は大きな注目を集め、彼にスポットを当てた映画も製作されてきました。その人柄や音楽を味わえる、チェット・ベイカーを描いた映画をご紹介します。

Let’s Get Lost

チェット・ベイカーの晩年の活動を写真家のブルース・ウェイバーが撮影・記録したドキュメンタリー映画「Let’s Get Lost」は、チェットの死後すぐに完成して公開されました。

演奏や歌唱はもちろん、たたずまいやユーモアあふれる立ち振る舞いに至るまで愛されたチェット・ベイカー。その素の表情をうかがえる作品として本作は大きな注目を集め、アカデミー賞のドキュメンタリー映画部門でノミネートされるなど、映画としても高く評価されました。

  • AmazonでDVDをチェックする:こちら

ブルーに生まれついて

チェット・ベイカーの生涯は、2015年にもこの「ブルーに生まれついて」で描かれました。

主演を務めたのはハリウッドで長年活躍する実力派俳優イーサン・ホークで、波乱万丈の人生を歩んだチェット・ベイカーを活き活きと演じ上げて高評価を集めました。

ユーモアに満ちた言動の一方で精神的な弱さを常に内包し、揺らぎのある生き方を続けた一人の「人間」としてのチェット・ベイカーをじっくりと観ることができる名作です。

  • AmazonでDVDをチェックする:こちら

今も愛されるチェット・ベイカーの音楽

聴き手の心を掴む演奏や歌唱、そして人を惹きつける不思議なカリスマ性によって、20世紀後半のジャズシーンにおいて絶大な支持を集めたチェット・ベイカー。今も多くのジャズファンに愛される彼の音楽に、ぜひ一度触れてみてください。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME