バイクの冬眠の基本作業とは?注意点を覚えて安全に長期保管をしよう

2019.11.03

日頃から大切に乗っているバイクですが、路面の安全性が低下する北国の冬は、愛車も『冬眠』させる必要があります。必要な基本作業と長期保管の際に役立つ注意点をチェックしておきましょう。愛車を万全のコンディションにして、春を迎えましょう。

バイクの冬眠とは

雪深い北国の冬、バイクでの走行には道路状態が悪い日が多く、春まで愛車との外出は諦めざるを得ないという地域もあります。また、冬はバイクはお休みというバイカーもいるでしょう。

その場合、バイクはただ乗らずに放置しておくのではなく、適切なケアを施してから春まで冬眠させる必要があります。

アイドリングだけでは不十分

「冬眠などと面倒なことをしなくても、ときどきエンジンを始動させてアイドリングをさせるだけでよいのでは?」と考える人もいるでしょう。

しかし、愛車のコンディションをきちんと維持するためには、アイドリングだけでは不十分です。

短時間のアイドリングでは、ガソリンで発生した水分が蒸発しきれずにオイルに水分を残し溜めてしまいます。バッテリーは少し充電できるでしょうが、駆動系やブレーキの保守にはなりません。

冬眠の基本的な方法

愛車の健康のためには、最低限どういった作業をすべきなのか。正しいバイクの冬眠ついて見ていきましょう。

バッテリーは外す

まず、バッテリーは外しておきましょう。バッテリーは使用しなくても接続していると自然放電してしまいます。点検して保管しておきましょう。

マイナス端子(黒色)を、次にプラス端子(赤色)を外して、車体から取り外します。端子接点の腐食などがないか点検し、電圧を計測します。

保管は、雨露の影響を受けづらい温度変化の少ない冷暗所で行います。周りに電極が通電するようなものがないかも、しっかり確認しましょう。

ガソリンは満タンに

ガソリンは満タンにしておきます。「ガソリンが腐るのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、ガソリンの劣化が問題になるのは1年以上の保管の場合です。

満タンにせずにタンクの中に空気があると、内部に結露した水分が溜まってしまい、タンク内の錆やエンジンの不調につながります。

1年以上にわたって保管する場合は、ガソリンの入れ替えや、劣化を防ぐケミカル剤の利用が必要です。

タイヤは適正な空気圧で

タイヤは、空気圧を点検して、適正な値にしておくことも大切です。

ガソリンスタンドなどでコンプレッサーを借りて圧を確認し、必要があれば適正まで空気を入れます。高めの空気圧にしておくことで、タイヤの変形を防ぎましょう。

こまめに空気圧をチェックするオンシーズンと違い、抜けにくい窒素ガスを入れておくのもよいでしょう。整備工場などで500〜1000円程度で対応してもらえます。

冬眠で知っておきたい注意点

そのほかにも、十分なコンディション保全のために必要な注意点を確認しておきましょう。ここまでやっておけば、愛車の冬眠も万全です。

バッテリーは充電を

一度電圧の下がったバッテリーは充電能力が落ちてしまいます。取り外したバッテリーは点検後、電圧が低ければバッテリーチャージャーで充電しましょう。

バッテリー単体で計測したとき、12.8V以上なら完全に充電されています。下回る場合は充電が必要です。

充電しても電圧が十分に上がらない場合は、バッテリーの寿命が考えられます。長期保管を終えたあとは、新しいバッテリーに交換しましょう。

また、保管中のバッテリーは、トリクル式やフロート式の充電器につないでおけば理想的です。

トリクル式は微量の電流を流し続け、フロー式は放電を検知して充電してくれるので、満充電の状態を維持できます。

チェーンの状態を確認する

チェーンの状態も確認しておきましょう。汚れた状態であれば、洗浄します。

チェーンを覆うスプロケットカバーを外したあと、汚れをブラシや布で落とし、チェンクリーナー(洗浄スプレー)ときれいなブラシで洗いましょう。その後、カーシャンプーなどの水溶性洗剤か水で洗い流します。

洗浄が終わったら、チェーンオイルなどを使ってグリスアップ(油さし)を行いましょう。下側のチェーンの外プレートと内プレートの間を目安に差します。タイヤを手で回してチェーンの内部に浸透するようチェーンを回します。

仕上げに、チェーンを回しながら布で拭いていきます。余分なオイルを拭き取ると同時に全体にまんべんなくオイルを行き渡らせましょう。

タイヤを回す必要があるので、センタースタンドやメンテナンススタンドがあると便利です。保管の際も、センタースタンドなどでタイヤを浮かせておいた方が変形などを防げるので、サイドスタンドでの保管よりも愛車を安全に維持できます。

忘れやすいキャブレターとコック

古い型のキャブレター式のバイクに乗っている人は、キャブレターのガソリンを抜くことを忘れないようにしましょう。ガソリンが残ったまま長期保管させると、ガム状の堆積物が溜まってしまうことがあります。

まず、燃料コックを『OFF』の位置まで回して、キャブレターにガソリンが流れないようにします。表示にOFFのない車種はONのままでオッケーです。

次に、排出したガソリンを受けるために、キャブレターのドレンボルトの下にトレーなどを用意します。廃油処理ボックスなどの名で販売されている製品を使うと、燃えるゴミとして回収に出せるので便利です。

ドレンボトルの位置は車種によって違います。取扱説明書などで確認しましょう。ドレンボトルを緩めるとガソリンが抜けていくので、全部落ちきってからドレンボルトを締めて戻します。

冬眠明けの整備はどうする?

以上の手順できちんと冬眠させ、また愛車と出かける春を迎えたら、冬眠明けの整備を行います。せっかくコンディションを維持して保管してきたのを台無しにしないよう、注意しましょう。

バッテリーはプラス側から

バッテリーは接点の腐食などがないか点検の上、満充電の状態にして取り付けましょう。外すときの手順と逆に、赤いプラス端子から、次に黒いマイナス端子を取り付けます。

オイル交換は必要

エンジンオイルも劣化したものを使い続けず、冬眠のタイミングで交換しましょう。走行3000kmか6カ月ごとの交換を目安に、冬眠の前か後に行います。

まず、エンジンのオイル注入口がきちんと開くか、固まっていないか、確認しましょう。古いオイルを排出してしまったのに注入ができないとなると大変です。

エンジンを始動して、少しオイルを温めてからの方が排出しやすくなります。トレーなど受けるものを用意し、ドレンボルトを緩めてオイルを排出します。いったん出切ったら、車体を傾けて残ったオイルも出し切りましょう。

排出が終わったらドレンボルトを締めて戻します。逆回しや締めすぎは部品破損につながります。取扱説明書などに締め付けトルクの記載があるので、心配な人は締め付けトルクを調整できるトルクレンチを使って作業しましょう。

エンジンのオイル注入口から、規定量のオイルを注入します。何回かに分けて注入し、バイクを立ててオイルゲージで適正量を確認しましょう。

安全確認は徹底する

問題なければ愛車とオンシーズンへと繰り出すばかりです。最終的な安全確認はしっかりと行う必要があります。

キャブレター車の場合は、まずは空にしていたキャブレターにガソリンを送ります。燃料コックを『ON』の位置に、『PRI』という位置がある車種はそこに回し、その後エンジンを始動する際はONへと回しておきます。

タイヤの空気圧も適正なものか点検しましょう。ライトやウインカーの灯火類は点灯するか、チェーンの張りは適正か、ブレーキもきちんとかかるか確認します。

大切なバイクを守るためにも点検を

冬眠させるバイクは、しっかりとメンテナンスを行ったうえで保管することが大切です。特に点検に関しては、日常乗っているなかでも安全をまもるために必要な作業です。

大切なバイクとあなた自身を守るため、しっかり点検を行い、楽しいバイクライフを送りましょう。

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