ラーメンは年齢性別関係なく、とてもたくさんの人から愛されている日本人のソウルフードです。海外でも高い評価を得ていますが、カロリーも気になります。ここでは他の麺類との比較や、スープのカロリーについて掘り下げていきます。
カロリーの前にラーメンの麺の基本を知ろう
ラーメンに入っている麺は、そもそもどういうものなのでしょうか。うっすらと黄色い麺は『中華麺』とも呼ばれ、ラーメンの誕生から基本的に変化することなく使用されています。ラーメンの普及は戦後まもなくの頃なので、長い歴史があります。
原料として小麦粉、かんすい、水、塩が使われています。中には卵を練り込んだり変化をつけている麺もありますが、一般的なものはいたってシンプルな構造です。しかしシンプルながら、製法などによってさまざまな違いが出てきます。
平打ち麺やちぢれ麺など種類はさまざま
原材料を混ぜ込んで作った生地を麺状にカットする際に、麺の種類が変わってきます。基本的に断面は『長方形』になりますが、縦横比は機械で調整が可能です。『正方形』にカットすることもできますし、比率を大きく変えれば『平打ち麺』になります。
また正方形にカットする場合、切り刃にゴムプレートつけてカットすることで『ちぢれ麺』にすることができます。ひとくちに中華麺といっても麺の形状はさまざまであり、カット次第で味わいも大きく変わるのです。
ラーメンのコシはかん水によって作られる
かんすいとは、一般的にアルカリ水またはソーダ水のことを指します。主に炭酸カリウムを成分としていますが、炭酸ナトリウムや各種リン酸も含んでいるのが特徴です。このかんすいを使って製麺することで、麺にコシが出てきます。
かんすいを使えば使うほど麺にコシが出ますが、もちろん使いすぎれば固くて食べられないものになってしまいます。使用量は製麺所によって違いますが、ラーメンの食感をかんすいが支えていることは間違いありません。
ラーメンの麺のカロリーはどのくらい?
それではラーメンのカロリーについて、具体的な情報を挙げていきます。一般的に高カロリーとされているラーメンですが、実際にはスープと具によるカロリーの割合が大きくなっています。
麺そのもののカロリーはそれほど高くなく、消化に悪いものでもないため、食べ方に気をつければ肥満に直結するものではありません。もちろん食べ過ぎには注意しなければなりませんが、種類によってもカロリーは違います。
茹でる前と後のカロリーの違い
茹でる前の麺と茹でたあとの麺でカロリーが違うのかというと、これは変わりません。水分を吸うことで『重量』は変わってきますが、『カロリーそのものが変化することはない』ので、安心して食べることができます。
調理による重量変化は約190%で、120gの麺を茹でたとすると約228g。カロリーは変化しませんが約343kcalで、コンビニで売っているおにぎり約1.6個分に相当することを覚えておくといいでしょう。
中華麺の種類別に見るカロリーの違い
中華麺を大きく分けると、3つに分類することができます。1つは生中華麺で、ラーメン店で出したりスーパーで売っていたりするポピュラーなものです。
そして手軽に食べられるインスタントラーメン、焼きそばで使う蒸し中華麺があります。生中華麺は100gあたり約285kcal、インスタントラーメンは100gあたり約458kcal、蒸し中華麺は100gあたり約198kcalです。
ひとくちに『中華麺』といっても、これだけの違いがあるので要注意です。
うどんなど他の麺とのカロリーを比較
ラーメンの他にも、いろいろな種類の麺があります。ポピュラーなものとしては、うどん、そば、そうめん、パスタなどです。では、これらの麺のカロリーは、ラーメンと比べて高いのでしょうか、低いのでしょうか。
ここでは麺の種類ごとにラーメンと比較し、考察していきます。意外と知られていない麺類の正確なカロリーですが、覚えておくと外食の際も安心です。大まかにでも頭の片隅に置いて、外食の際に役立てましょう。
うどんのカロリー
自炊・外食問わず人気なのがうどんです。柔らかくて食べやすく、消化も良いので、ついつい食べ過ぎてしまうこともあるのではないでしょうか。そんなうどんのカロリーは、乾麺100gの状態で約350kcalとなります。
生の中華麺と比べると高いカロリーに思えますが、中華麺を茹でるときの重量変化が190%なのに対し、うどんは実に300%です。つまり、3倍に増えます。茹でた状態での中華麺は100gあたり約280kcal、うどんは約100kcalです。
そば、そうめんのカロリー
続いて同じ日本食のそば、そうめんについてです。そばは乾麺100gあたり約344kcalで、そうめんは乾麺100gあたり約356kcalとなっています。こちらも乾麺の状態だと、中華麺に比べて高く見えます。
茹でて水分を含んだ状態では、そばが100gあたり約132kcal、そうめんが約127kcalです。両方とも中華麺より多く水分を含みますので、このような数字となっています。日本食のうどん、そば、そうめんには大きな差がありませんでした。
パスタのカロリー
では、パスタはどうでしょうか。こちらは乾麺100gあたり約378kcalとなっています。こちらも中華麺より水分を吸いやすく、茹であがった状態では100gあたり約149kcalです。単純に茹であがった状態でのカロリーは、中華麺の方が高いことが分かります。
ただしパスタは中華麺と違いソースが絡みついているので、中華麺のスープを残した場合では、パスタよりもカロリーは低くなります。また、1人前とされる量にも麺類によって差があるので一概に中華麺が高カロリーとはいえません。
スープのカロリーと太りにくい食べ方
おいしいラーメンのスープは、ついつい全部飲んでしまいがちです。しかしながら、スープはカロリー、塩分ともに高く、健康に体脂肪率に影響をおよぼします。それではどのスープがより低カロリーなのか、太りにくい食べ方はあるのか、考えてみます。
スープの種類別カロリー比較
ラーメン一杯の種類別にカロリーを比較してみると、以下のような結果が出ました。塩約452kcal、醤油約441kcal、とんこつ約427kcal、味噌約437kcalです。
とんこつよりも味噌の方が高カロリーというのは、意外ではないでしょうか。
具材とスープが高カロリーの原因?
上記のカロリーは、一般的な具材が乗っていると仮定されています。内容としては、チャーシュー、ネギ、メンマ、もやしなどです。
スープだけで見ると塩が約42kcal、醤油が約36kcal、とんこつが約30kcal、味噌が約33kcalで麺自体のカロリーは230gで約343kcalです。具材とスープが高カロリーというより、具材によってカロリーが高くなるかどうかが決まると言えるでしょう。
スープの飲みすぎは塩分過剰摂取につながる
そしてラーメンのスープには、どの種類でも約5gの塩分が含まれています。一般的な成人男性の塩分摂取の目安が7~8gだとすると、かなり多いことが分かるでしょう。まったく飲まないというのももったいないですが、飲む量の調整は必要だといえます。
太りにくいラーメンの食べ方
ラーメンを食べるときに意識したいのは、スープを飲みすぎないことと食物繊維を摂ることです。食物繊維は野菜、芋、きのこなどに多く含まれています。ラーメンにおいては、具材で野菜をたくさん食べることが一番です。
加えて、比較的太りにくいシンプルな醤油ラーメン、塩ラーメンを選ぶといいでしょう。また、なるべく脂質の少ないメニューを選ぶことも重要です。ネギやメンマなど、食物繊維の多いものが乗っているメニューであれば、なお良いといえます。
健康に楽しくラーメンを食べよう
ラーメン1杯あたりのカロリーは、店や種類や具材にもよりますが、おおよそ500kcal程度と考えられます。もちろん低カロリーとは言えませんが、食べ過ぎなければ決して恐ろしい食べものではありません。
ただし塩分が多いのは間違いないので、スープを飲む量や具材に気をつけ、うまく調整しながら楽しく食べるのがいいでしょう。