悲劇『オセロー』を舞台で楽しむ!日本での名演などを紹介

2019.11.02

『オセロー』は、エリザベス朝のイギリスで活躍した劇作家シェイクスピアによる名作悲劇です。戯曲として書かれた『オセロー』は、やはり舞台で楽しみたいもの。この記事では、『オセロー』の概要、近年の名演や翻案劇までをご紹介します。

シェイクスピア悲劇の傑作『オセロー』とは

シェイクスピア演劇の中でも比較的筋が明快と評される『オセロー』は、何度も舞台化されてきました。ここでは、この演目の概要をご紹介します。

長い歴史を持つ『オセロー』の舞台

『オセロー』は、1603年に制作されたシェイクスピアの四大悲劇の一つです。

出世欲からくる同僚への嫉妬や、妻への独占欲からくる嫉妬の感情がテーマとなり、シェイクスピア悲劇の中でも分かりやすいと評判で、400年以上にわたって繰り返し演じられてきました。

日本では、1903年に川上音二郎一座によって演じられた翻案劇『正劇オセロ』が初めての上演で、男だけで演じられる歌舞伎が中心であった日本演劇界において、女優がはじめて人前で演じた作品としても記念碑的な上演でした。

『オセロー』のあらすじ

ヴェニスの将軍でムーア人のオセローは、デズデモーナと愛し合い、親の反対を押し切って結婚します。

自分ではなくキャシオーを副官に取り立てたオセローを恨んでいた旗手のイアーゴは、デズデモーナとキャシオが密通しているとオセローに信じ込ませようと企みます。

キャシオを酒に酔わせ刀傷沙汰によって失墜させ、デズデモーナに復職の口利きをしてもらうよう薦めることでオセローに疑惑の芽を植え付けたイアーゴは、さらに、妻エミリアを利用して、オセローからの贈り物であったデズデモーナのハンカチを、キャシオの手に渡るように仕向けます。

オセローは、嫉妬にかられデズデモーナを絞殺してしまいますが、真実を知り自らも命を絶ちました。

近年の『オセロー』の舞台の名演を知ろう

400年以上にわたって演じられてきたイギリス生まれの戯曲『オセロー』ですが、近年の日本でも次々に話題の舞台が制作されています。ここでは、その一部をご紹介します。

吉田鋼太郎・蒼井優が演じたニナガワ『オセロー』

彩の国シェイクスピアシリーズの第18弾として制作されたのが、2007年の蜷川幸雄演出による『オセロー』です。

シェイクスピア演劇の経験が豊富な吉田鋼太郎のオセローは、さすがの安定の演技で、当時20代前半の蒼井優が演じたデズデモーナも、その初々しさが評判となりました。この舞台は、DVD化されているので、自宅で繰り返し楽しむことができます。

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神山智洋がイアーゴを熱演した『オセロー』

20189月に新橋演舞場で上演され話題となったのが、襲名後初の翻訳劇となった中村芝翫主演の『オセロー』です。

デズデモーナは元タカラジェンヌの檀れいが務めました。中でも話題になったのが、今井翼の代役としてイアーゴを演じたジャニーズWESTの神山智洋で、演劇界屈指の悪役を迫力たっぷりに演じ切りました。この作品は、2018年の年末にNHKEテレで放映されており、再放送の希望も多く寄せられているようですので、いずれDVD化も期待できるかもしれません。

小劇場で見る迫力の『オセロー』

吉田鋼太郎が主催する劇団AUNは、これまでにも度々シェイクスピア演劇を上演してきましたが、20195月には若手育成のために立ち上げられた劇団AUN Ageの第一回公演として『オセロー』が演じられました。

50人ほどの観客席と小道具以外に何もない舞台上の俳優たち。その距離はとても近く、迫力ある熱演には好評価が寄せられました。

オペラや能で『オセロー』の舞台を見る

嫉妬の感情を軸に感情のすれ違いを描く『オセロー』は、他の演劇ジャンルにとっても魅惑の物語として翻案の対象となりました。ここでは、オペラ版、そして新作能としての『オセロー』をご紹介します。

ヴェルディ作曲のオペラ版『オテロ』

『オセロー』は、19世紀イタリアを代表する音楽家ジュゼッペ・ヴェルディがオペラとして翻案しています。 

1887年、ミラノのスカラ座で初演されて以来、日本でもたびたび上演されてきました。2019年9月にもイギリスのロイヤル・オペラが来日し、『オテロ』が演じられる予定となっています。過去の公演はDVDでも見ることができます。

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名作悲劇を大胆に翻案『新作能オセロ』

201612月に日本の伝統芸能である能の演目として翻案され上演されたのが、『新作能オセロ』です。

キプロス島にやってきた吟遊詩人が、オセロやデズデモーナ、イアーゴの亡霊に出会い、事の顛末を知って、それを歌にすることで亡霊を鎮魂しようとします。そんな物語に書き換えられることで、能の世界観の中にシェイクスピアの悲劇を見事にマッチさせています。制作プロセスや野村萬斎などによる対談を収めた書籍がセットになった上演DVDが販売されています。

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汲みつくせない『オセロー』の魅力

嫉妬の感情を軸に繰り広げられる悲劇『オセロー』は、ストレートプレイとして繰り返し演じられるだけでなく、オペラや能にも翻案され、時代と国境を越えて愛されています。悲劇『オセロー』は、比較的分かりやすいと言われながらも、どこまでも汲みつくせない魅力に溢れているようです。

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