アガサ・クリスティ自身がおすすめ!?『ねじれた家』は正統派ミステリー

2019.11.02

1920年にデビューしたイギリスのミステリー作家、アガサ・クリスティは、世界中で愛されています。そしてついに、彼女自身が「最高傑作」と呼ぶ「ねじれた家」がイギリスで映画化され、2019年日本で公開されました。この物語のどこが魅力なのか?解説しましょう。

アガサ・クリスティが再発見されている訳

アガサ・クリスティの小説は、世界中で売れ続けています。その作品数は合計200作、出版部数10億以上!そして、社会情勢が変わっても、その推理劇は本格派。むしろ、一種の懐古趣味と、それにあこがれるファンタジーさがあいまった謎解き話として、近頃再注目されはじめました。

ミステリーの女王と呼ばれる理由

アガサ・クリスティが生み出した名探偵として、エルキュール・ポアロがいます。あのシャーロック・ホームズ同様、時代も国境も超えて人気の名探偵。ちょっとコケティッシュな口ひげが特長の、一見おとぼけ感のあるおじさんです。

そしてもうひとり、忘れられないキャラクターが、ミス・マープル。優しそうな老夫人なのに、謎を解決する凄腕の名探偵。ただの世話好き、話好きのおばさんが、事件を解決!なんて、現代日本の2時間ドラマと同じ設定です。このような人気キャラのおかげでシリーズ化された著作が多数あります。

クラシカルな正統派ミステリーが再熱

クリスティの小説の舞台になるのは、ヨーロッパの田舎や名家、何代も続くファミリー。これも、古今東西、ミステリー業界では人気のある設定です。この限定された世界の中で、いったい誰が犯人なのか?小説にちりばめられた謎をとく鍵を見つけ、ひとつひとつ推理を進める・・この解決までの道筋をたどる楽しさは、ミステリーの真骨頂。

また、イギリス国民ならだれでも知っているマザー・グースの童謡を、著作のあちこちで登場させ、謎を深めるテクニックも際立ったものがあります。

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「ねじれた家」のあらすじ

「ねじれた家」は、ロンドン郊外にある、ある資産家の家のこと。そこの財産ある当主が殺され、孫娘が婚約者の青年に事件の解決を相談するところから始まります。なんと、その家の住人全員が、遺産相続ができるため全員容疑者になっていたのです・・。

「ねじれた家」はダブルミーニング

「ねじれた家」というのは、その資産家が住む家が、広大で複雑に入り組み、文字通りまるでねじれているように見えること。また、そこの住人は、みんな後ろ暗いことがあり、腹に一物ある「ねじれた」人物なのです。 青年は、その家に泊まり込んで事件解決を図ります。怪しげな動きをする家族たち。青年だけでなく読者までも、孫娘でさえ犯人ではないか?と疑い始めてしまいます。

ネタバレ注意!とっても意外な犯人

そんな中、家政婦が殺される第2の殺人が起こります。一番怪しいのは、殺された当主の妹。彼女は、こそこそ家の中を歩き回り、青年の目の前で何かを隠したりいていたのです。 ところが、犯人は、孫娘の一番下の妹、なんと12歳のジョセフィンでした。彼女は、祖父である当主に、好きだったバレエを強制的にやめさせられ、王様然とした祖父が大嫌いだったのです。そんな単純な理由で人をあっさり殺してしまった彼女の心も、やっぱりねじれていたのでした。

2019公開映画「ねじれた家」の楽しみ方

本作品は、2017年にイギリスで制作公開され、日本では2019年に公開されました。映画ならではの楽しみ方を紹介しましょう。

限りなく再現された家と室内

なんといっても家のセットがとっても豪華!殺される当主は、ギリシアからやってきてイギリスで一旗揚げた男、と設定されています。そのため一つ一つが贅をこらした貴族趣味的なもの。1949年発表当時の雰囲気を生かし、クラシカルな屋敷と、当時の豪華な室内や装飾品を再現しています。 室内する小道具は、ひとつひとつが本物らしく見え、80年後の現代を生きる私たちからは、博物館の展示品をみているかのような楽しみ方ができるのです。実在のある屋敷でロケをしたそうですが、空撮などを使い「ねじれた家」を俯瞰させる印象的なシーンも登場しています。

映画ならではの俳優と衣装

同様に俳優が着る衣装にも注目。全員がイギリス俳優で(正統派のキングスイングリッシュ)、彼らが着こなすオーセンティックなイギリスファッションは、まるで今モードの最先端ファッションのよう。 男性、女性ともに、すきのないスーツ姿やドレス姿などがあり、こちらも目を楽しませてくれる要素となっています

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正統派を楽しむなら、やはりアガサクリスティを

ギネスブックで「史上最高のベストセラー作家」と認定されているアガサ・クリスティ。中でも最高傑作と言われる「ねじれた家」は、クリスティデビュー、正統派ミステリーデビューには向いている作品といえるでしょう。

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