普段何気なく見ているテニスコートですが、実は種類があるのを知っていますか?オリンピックやグランドスラム(4大大会)を確認しても、それぞれ違ったコートを使用しているのです。テニスコートは全部で5種類です。それぞれ特徴を紹介します。
テニスコートの種類①ハードコート
ハードコートは、セメントやアスファルトなどを基盤とし、その上から化学樹脂でコーティングしたコートになります。どのような特徴があるのでしょうか?
ハードコートの特徴
ハードコートは、その名の通り固い(ハード)コートです。衝撃に強く、ボールを弾きやすい特徴があります。
そのため、ストロークよりもボレーに向いており、サーブなどで攻める際は、返されないようにボールが弾まない工夫も必要になってきます。
また、乾きやすいのも特徴です。雨が降っても比較的すぐに使用できるため、多くの野外コートで使用されています。
どこで使われている?
ハードコートは一般的なコートですので、世界中で使われています。グランドスラムの全豪オープンと全米オープンでも使用されているほどです。
また、オーストラリアは柔らかめ、アメリカは固めといったように、国ごとで違いがあるそうです。
テニスコートの種類②クレーコート
クレーコートは、土でできたコートです。コートの強度を上げるため、「アンツーカーコート」と呼ばれる、煉瓦を砕いた粉を混ぜ合わせています。
クレーコートの特徴
クレーコートは、砂や土によって球足が遅くなる特徴があります。そのため、ボールも拾われやすく、ラリーが続きやすくなるのです。
また、独特の弾力があることで脚への負担が減り、選手が疲れにくいコートともいわれています。
ただ、天候に弱い欠点があります。雨でコートに水たまりができるだけではなく、風によって砂がまったりなど、デリケートなコートなのです。
どこで使われている?
クレーコートは主にヨーロッパで使用されています。また、グランドスラムの全仏オープンでも使用されています。ただ、メンテナンスに手間がかかるため、世界的に見るとあまり使用されていません。
テニスコートの種類③グラスコート
グラスコートは、天然芝を使用したコートです。芝を育成し、表面を短く整えてコートにしています。
グラスコートの特徴
グラスコートは、別名「ローンコート」とも呼ばれ、軌道がわかりにくいコートです。球足が速いだけではなく、芝によってバウンドが低く不規則となる、上級者向きのコートといえるでしょう。
ですが、逆にいえば相手もボールを拾いにくいということです。サーブやボレーなど、アタッカーに有利なコートともいえます。
どこで使われている?
グラスコートは、グランドスラムの中でも最も歴史のある全英オープンで使用されるコートです。そのため、格式と伝統があるコートといえます。
ただ、維持が大変なためか、全国的に見てもあまり採用はされていません。日本にもグラスコートはほとんどなくレアなコートといえるでしょう。
余談ではありますが、コートが少ないことから、練習が満足にできず、全英オープンで苦戦する選手も多いそうです。
テニスコートの種類④砂入り人工芝コート(オムニコート)
砂入り人工芝コートは、人工芝に砂を蒔き入れたコートのことです。別名「オムニコート」とも呼ばれますが、これは、「住友ゴム工業」の商品名のことで、「三菱化成」はダイアモンド。「東レ」はスパックサンドといったように、各社によって呼び方が違います。
砂入り人工芝コートの特徴
砂入り人工芝コートは、滑りと弾みを両立させたコートです。クレーコートとグラスコートを合わせた特徴となっており、滑りと弾みがほどほどになってます。
また、人工であることで乾きも早くなっています。そのため、ハードコートと共に野外で多く使われています。
どこで使われている?
砂入り人工芝コートは、近年日本で多く見かけます。管理がしやすく、公営コートのほとんどが砂入り人工芝コートになっているといえるでしょう。
ただ、プロの大会で使われることはほとんどなく、プロの練習には向きません。悪い言い方かもしれませんが、遊び用のコートといえるでしょう。
テニスコートの種類⑤カーペットコート
カーペットコートは、毛織繊維が敷き詰められたコートのことです。絨毯のような優しい手触りになります。
また、毛織繊維の代わりに、人工芝を使用することもあるそうです。砂を蒔き入れてはいませんので、砂入り人工芝コートとは別の扱いになります。
カーペットコートの特徴
カーペットコートは、ボールが滑りやすく、球足が速くなりがちなのが特徴です。ただ、それ以外の癖は少なく、ハードコートでプレイするような感覚で試合をすることができます。
癖が無いため初心者向きともいえ、プレイのスタイルや癖を確認するために使われたりもします。
どこで使われている?
毛織繊維はデリケートな素材なため、野外で使用することはできません。そのため、室内専用のコートといえます。日本では、室内で行うテニススクールなどで見かけることができます。
コートの違いで展開も変わる
「たかだかコートが違うだけで何が変わる」と思うかもしれませんが、実際にプレイするとその差は歴然といえます。選手によっては得意不利があり、試合結果を左右することすらもあるのです。
自分でプレイするのはもちろん、観戦する際も、選手だけではなくコートの種類にも気を配ってみましょう。
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