インドが誇る世界遺産「タージマハル」。建てられた理由や目的は?

2019.11.01

インド旅行に行った際にぜひ見ていただきたいのが、世界遺産のタージマハルです。圧倒的なスケールと美しい庭園を持つ墓廟で、インドの一大観光名所となっています。そこでこの記事では、インドの世界遺産、タージマハルについてご紹介していきます。

インドの世界遺産、タージマハルとは

タージマハルはインド北部のアーグラという所にある総大理石の墓廟(お墓)です。

1632年着工、1653年竣工とされるインドの代表的な建築物で、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、死去した妻・ムムターズ・マハルのために建てました。

イスラム世界から幅広く設計者を集めて造られたこの建築物は、歴史的・文化的価値が非常に高く、1983年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。

インドで墓が建てられるのは異例

インドでもっとも広く普及している宗教といえば、ヒンズー教です。ヒンズー教徒の割合は人口比で80%ほどもおり、次いでイスラム教徒、キリスト教徒、シク教徒と続きます。

しかしヒンズー教では、「死者のために墓を建てる」という習慣がなく、火葬して川に流すのが一般的です。そのため、インドではこのように大規模な墓が作られること自体が異例であり、その点でも貴重な建築物だといえるでしょう。

タージマハルが建てられたころにインドで成立していた国家は「ムガル帝国」というイスラム教国家でした。中でも時の皇帝であったシャー・ジャハーンは、ヒンズー教を抑圧する政策をとり、イスラム教を基盤にした強大な国家建設を推し進めたことで有名です。

つまり、タージマハルは、愛する妻の霊をおさめつつ、同時に権力を誇示して政策を推し進めることも意図していた訳です。「皇帝が愛妃のために建てた愛の結晶」という文脈で語られることの多いタージマハルですが、こうした政治的背景もまた、タージマハルが建てられる一因となったといえるでしょう。

タージマハルの建設には膨大な労力が!

権力を誇示する意図もあったと考えられるタージマハル。それゆえに、その建設には膨大な労力が投入されました。

毎日2万人の労働者が建設に携わっていたほか、建材を運ぶためにインド象を1,000頭も使っていたそうです。

しかも、こうした工事が20年ほど続いたといわれていますから、そこにかかった費用は莫大なものだったでしょう。

宝石は世界中から運ばれた

タージマハルの壁には、28種類もの宝石がふんだんに使用されています。

そして驚くことに、これらの宝石は中国やチベット、スリランカ、エジプト、アフガニスタン、アラビアなどからわざわざ運ばれているのです。

この点においても、皇帝シャー・ジャハーンが絶大な権力を誇っていたことが分かるのではないでしょうか。

世界遺産として保存すべきだが劣化が激しい

世界遺産に登録されタージマハルは、当然、良い状態を保つ必要があります。しかし、近年では、その保存状態を脅かす大きな問題が発生しているようです。

経済成長が招いた世界遺産の劣化

近年、インド経済は飛躍的な成長を遂げました。それによって自動車を持つ人が増えたのは良いのですが、結果として排気ガスがタージマハルの壁を汚すようになったのです。

また、大気汚染がすすんだことから酸性雨が降るようになり、それが大理石でできたタージマハルを溶かしているといわれています。

世界遺産保護のためにできること

タージマハルの劣化がすすんでいることを憂慮したインド政府は、

  • 酸性雨の原因となる石炭の使用禁止
  • インド国民の入場者数の制限

などの対策を実施しました。しかし、こうした政策を実施しても問題は解決しておらず、現在でも劣化が進んでいる状況です。こうした状況を考えると、環境問題について一人一人がもっと真剣に考える必要がありそうです。

インドで世界遺産タージマハルをみよう

この記事では、インドの世界遺産、タージマハルをご紹介しました。

皇帝シャー・ジャハーンの絶大なる権力で建てられたタージマハルは、世界遺産とするにふさわしい姿をしています。しかし、近年の環境汚染によって、著しく劣化がすすんでいるとも言われています。

タージマハルを訪れた際は、その美しさに驚かされるだけでなく、地球人としての環境への意識を再確認させられるかもしれませんね。

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