モダンジャズの帝王マイルス・デイヴィスの魅力。現代に与えた功績や名盤の数々

2019.11.01

「マイルス・デイヴィス」といえば、ジャズにあまりなじみのない方でも一度は聴いたことがある名前ではないでしょうか。伝説的なジャズミュージシャンとして多くの功績を残し、今も聴かれ続ける名盤を送り出した彼の魅力をご紹介します。

「モダン・ジャズの帝王」と評されたミュージシャン

1926年にアメリカのイリノイ州で生まれたマイルス・デイヴィスは、若い頃から多くのジャズミュージシャンの演奏に触れて育ち、1940年代からは自身もトランペット奏者としてプレイするようになりました。

その演奏の幅はとても広く、1940年代後半のクール・ジャズ、1950年代から流行したアドリブ主体のハード・バップ、そこから発展したモード・ジャズなど時代の流れに合わせて多くのジャズのジャンルを演奏したミュージシャンとして知られています。

1970年代以降はフュージョンなど新しいジャンルを開拓したほか、ポップスやロック、ヒップホップなど他ジャンルのミュージシャンとも積極的にコラボレーションしたりと、常に新しい表現を追求し続けました。

圧倒的な表現力や音楽への挑戦的な姿勢、数々の名演を残した功績から、「モダン・ジャズの帝王」という異名でも呼ばれています。

マイルス・デイヴィスの功績

伝説的なジャズミュージシャンとして今も愛されるマイルス・デイヴィスは、具体的にどのような功績を残し、人々に知られているのでしょうか。見ていきましょう。

時代の変化とともに音楽性を開拓

先述のように、マイルス・デイヴィスは時代の変化とともに常に新しい音楽性を追求・開拓していったことで知られています。

現在主流となっている1950年代以降のモダン・ジャズを築いた第一人者である一方で、キャリア後半ではファンクなどの要素を取り入れてフュージョンやエレクトリック・ジャズなど新ジャンルを開拓。

また、R&B歌手のチャカ・カーンやポップシンガーのプリンス、ロックバンドのTOTOとコラボしたり、ジョン・レノン追悼コンサートでビートルズの楽曲をカバーしたりと、ジャンルレスに活躍しています。

マイルス・デイヴィスの音楽的なインパクトは、古き良きジャズから新しいジャンルの音楽まで、あらゆる場面で後世に影響を与えていると言えるでしょう。

多くのジャズミュージシャンをバンドから輩出

マイルス・デイヴィスがリーダーを務めたバンドからは、後の音楽シーンを支えるミュージシャンが多く輩出されました。

ピアニストのハービー・ハンコックやチック・コリアなど20世紀後半のジャズシーンで知らない人はいない名プレイヤーが彼のバンドで演奏し、1980年代からはマイク・スターンやジョン・スコフィールド、マーカス・ミラーなど当時まだ若手だったミュージシャンが見出されて、新しいジャズ・フュージョン界を築くミュージシャンとして育っていきました。

こうしたところからも、マイルス・デイヴィスの遺伝子は現在に受け継がれています。

伝記映画「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」

マイルス・デイヴィスの半生は、伝記映画にもなりました。

「MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス 空白の5年間」は彼が活動を休止していた5年間に焦点をあてた作品で、「アヴェンジャーズ」シリーズにも出演したドン・チードルが監督を主演を務めています。

フィクションを織り交ぜながら彼の「人間味」がリアルに追求されていて、仕草や言動、表情に至るまで生き写しのように動くドン・チードルの名演から、マイルス・デイヴィスの知られざる人間性に触れることができる異色の名作です。

マイルス・デイヴィスの名盤アルバム

最後に、マイルス・デイヴィスの演奏をとことん味わえる名盤をご紹介します。モダン・ジャズの帝王による名演を、実際に体感してみましょう。

カインド・オブ・ブルー

1959年に発表されたアルバム「カインド・オブ・ブルー」は、マイルス・デイヴィス最大の代表作として知られています。

モダン・ジャズ、モード・ジャズの神髄が込められた作品で、ジャズ史においても最も重要な名盤のひとつとなっています。

ジョン・コルトレーンやキャノンボール・アダレイ、ビル・エヴァンスなど名だたる名プレイヤーが参加しており、幅広いサウンドを聴くことができるのが魅力です。

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ラバーバンド

2019年のアルバム「ラバーバンド」は、1985年にレコーディングされて以降、世に出されることがないまま眠っていた演奏が35年越しに発表されたものです。

ジャズファンの間では「幻の名盤」と噂されていた作品で、それがついに世に出るということで大きな話題を集めました。

当時のプロデューサーや、マイルス・デイヴィスの甥でこのレコーディングにも参加したドラマーのヴィンス・ウィルバーン・ジュニアが完成させたということで確かなクオリティに仕上がっており、現代に蘇ったマイルス・デイヴィスの新作として楽しめる貴重な一作です。

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マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ

代表的な名演として知られる1954年のセッションから3曲4テイク、そして1956年のセッションから1曲を収録した作品です。

ピアニストとしてセロニアス・モンクが参加しているのが見どころで、マイルス・デイヴィスとモンクのせめぎ合いで緊張感の漂うセッション、それぞれのアレンジが巧みに絡み合う様をじっくりと味わうことができます。

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今も受け継がれるモダン・ジャズの帝王の遺伝子

マイルス・デイヴィスの築き上げた音楽的な影響・遺伝子は、さまざまなかたちで現代のミュージシャンに受け継がれています。

マイルス・デイヴィスの功績や名盤に触れて、モダン・ジャズの帝王の息づかいを感じてみましょう。

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