競馬の払い戻しに関する疑問を解決。基礎知識から注意点まで

2018.11.22

老若男女が楽しめる競馬は、ファンの心を熱く揺さぶります。馬券が的中した喜びは、他では得がたい感動です。そんな競馬ですが、払い戻し方法がよくわからないという競馬初心者もいるのではないでしょうか。競馬をよりいっそう楽しむためにも、払い戻しに関する疑問を基礎から注意点まで解説します。

競馬の払い戻しとは?

競馬の払い戻しとは、一体どういうものなのでしょうか?その仕組みや、知っておいた方がよい基本情報を、まず確認しておきましょう。

予想が的中したら配当が受け取れる

勝馬投票券、つまり馬券を買ってそれが的中した場合には、配当金がもらえます。馬券の額面は100円に対して750円という配当なら、額面100円の券1枚に対して750円が払い戻されます。もし複数枚購入していたら、当然枚数分の配当が受け取れます。

もし1000円の配当が付いた馬券を10枚買っていたら、1000円×10で1万円の配当が受け取れるのです。時には、100円で買った馬券の配当額が1万円を超える場合も。この券は『万馬券』と呼ばれます。万馬券が当たったとき、複数枚勝っていると大きな配当額になります。

モニターやアナウンス等で的中を確認

購入した馬券の予想と同じ順で1着と2着がゴールしたとしても、それが必ず的中にはなりません。モニターに『確定』の着順が表示されてはじめて的中したといえます。そして、確定と同時に払い戻しが開始されます。

レースは不正を見逃さないように、複数の監視員の眼で厳しくチェックされています。万一、走行妨害が疑われる動きがあった場合、ビデオ確認の上で失格が決定し、着順が変更される可能性があります。

モニターに『審議』と点灯した場合は、着順が変わるかも知れませんので、要注意です。確定後は100円に対する払戻金の情報も含めて、場内でアナウンスされます。

払戻率は馬券によって違う

払戻率は勝馬投票券の種類によって違いがあります。70〜80%の幅があり、投票法によって変わると考えましょう。傾向としては的中率が高い方が、払戻率も高くなるようです。

的中率の高い投票法である『単勝』『複勝』はもっとも払戻率が高い設定です。『枠連』『馬連』『ワイド』などがそれに次ぐ高さになっています。

『馬単』『三連複』などは平均的、中間的な払戻率です。『三連単』や『WIN5』は的中率が最も低い(当たる難度が高い)ので、払戻率も同様にもっとも低い部類になります。

中央競馬と地方競馬でも違う

払戻率は中央競馬と地方競馬でも、実は少々違います。また地方競馬の中でも競馬場によって多少の違いがあります。しかし、いずれにしても傾向は同じで、共通項として的中率の高さが払戻率の高さに比例しています。

知っておいて損はない払い戻しの知識

競馬の払い戻しに関しての知識は、知っておいて損はないでしょう。ここではちょっとした知識を紹介しておきます。

的中者がいない場合は特払いがある

競馬では投票法ごとに誰も当てない、的中券が存在しないケースも時として起こります。その場合は、その投票法を購入した人全員に『特払い』があります。

金額は払戻率に準じて計算されます。払戻率70%台なら、100円につき70円払い戻されます。同様に80%台なら、100円につき80円の払い戻しです。そういったケースに遭遇した場合は、忘れずに払い戻しを受けましょう。

JRAプレミアムとJRAプラス10

『JRAプレミアム』とは、それを実施するレースおよび投票法について、通常の払戻金に売上げの5%相当額が上乗せされる企画です。ただし、人気が著しく集中してしまった場合に、上乗せされないケースもあり得ます。

『JRAプラス10』とはすべてのレースおよびすべての投票法で、通常の払戻金が『100円元返し』になる場合に10円が上乗せされ、110円で払い戻されるという企画です。

ただし、特定の馬番号・組番号に人気が集中し過ぎた場合、競馬法の規定により『100円元返し』となる場合があります。

中央競馬での払い戻し最高額

中央競馬での払い戻しの最高額は一体いくらなのでしょうか。実は、4億円を超える額なのです。その中央競馬史上最高額の払い戻しは、WIN5という投票法で実現しました。

これはあらかじめJRAが5つのレースを指定します。5レースすべての1着馬を当てるという、難度がきわめて高い投票法です。過去にも中央競馬のWIN5は、3億円を1本と2億円を9本、1億円も14本出しています。

2016年 4億2012万7890円の払い戻し

4億を超える最高額の配当が出たのは、2016年8月21日のことです。的中馬番は9-1-13-15-17で、的中はたったの1票でした。1票が払戻金4億2012万7890円を独り占めしたのです。詳細は下の表にまとめました。

回・場・日・R レース名(条件) 馬番 勝馬 単勝人気
2回小倉8日11R TV西日本北九州記念(GⅢ) 9 バクシンテイオー 8
2回新潟8日11R NST賞(オープン) 1 エイシンローリン 6
2回札幌2日11R 札幌記念(GⅡ) 13 ネオリアリズム 5
2回小倉8日12R 3歳以上500万円以下 15 セフティーエムアイ 15
2回新潟8日12R 3歳以上500万円以下 17 グラミスキャッスル 1

余談ですが、この時的中した人は、税金として1億は納めたと予想できます。それでもなお、巨額の配当を享受できたので、競馬の醍醐味ここに極まれり、といった感じでしょうか。

WIN5の上限は6億円

WIN5の払戻金が、かりに計算上で7億円になったとしても、上限は6億円と決められています。その場合、1億円はキャリーオーバーとして、次回の配当に加算されます。

その他8種の馬券は?

中央競馬ではWIN5以外に8種類の投票法があります。それぞれの払い戻しの史上最高額を列記しておきます。

  • 3連単 2012年8月4日 2983万2950円
  • 3連複 2006年9月9日 695万2600円
  • 馬単 2006年9月9日 149万8660円
  • 馬連 2006年9月9日 50万2590円
  • ワイド 2017年12月3日 12万9000円
  • 枠連 1970年2月22日 12万3410円
  • 複勝 2010年6月26日 1万6110円
  • 単勝 2014年4月26日 5万6940円

出典:データファイル JRA

地方競馬での払い戻し最高額

一方、地方競馬ではどうでしょうか。なかなか、地方も負けてはいません。億を超える配当も出ているのです。地方競馬の主立った高額配当を見てみましょう。

2017年 1億5056万3990円

地方競馬史上においての最高額の配当、1億5056万3990円が出たのは2018年2月22日でした。東京・大井競馬場のトリプル馬単、すなわち指定された3レースの、1着馬と2着馬を実際の着順通りに予想する投票法です。

前日からのキャリーオーバーが約9000万円もあり、多くの購入者が投票に参加したため、更なる高額の払い戻しとなったのです。

1口10円で5口の的中でした。1口につき3011万2798円の配当です。トリプル馬単は最低投票金額が50円(5口)なので、実はたった1人の的中者が、わずか50円で1億5000万円を独占しました。

SPAT4LOTOの50円馬券の上限は3億円

払戻金の最高限度額は法令によって定められています。1票(10円)につき6000万円です。最低投票金額の50円で購入した場合、いわゆる50円馬券の払戻金最高額は3億円です。100円で購入した場合は最高6億円になります。

ワイドで中央競馬を超える28万6620円

投票法のひとつである『ワイド』の中央競馬の払い戻し最高額は、2017年12月3日の12万9000円ですが、地方競馬がそれを超えた記録を持っています。

2001年11月5日、浦和競馬場の第1レースのことです。『ワイド』で28万6620円の配当がつきました。中央競馬でもこれを超える記録は、未だに出ていません。

払い戻しが受けられる場所

競馬の払戻金の受け取りは、できる場所とそうでない場所があります。なるべく近くで済ませたいときのために、確認しておきましょう。

中央競馬はJRA競馬場とウインズ、エクセル

競馬の的中券の払い戻しができる場所については、中央競馬で購入した場合は(返還券の払い戻しも含めて)、全国各地のJRA競馬場、あるいはウインズ・エクセルです。

ただし地方競馬発売施設『J -PLACE』では受け付けできません。同じように地方競馬発売施設『J -PLACE』で購入した的中券(ならびに返還券)は、JRAの各競馬場やウインズ・エクセルでは受け付けできません。

時間は夕方までのためお早めに

払い戻しが受けられる時間帯は、各競馬場の開催によって異なります。同様に場外発売所で払い戻しできる馬券や受け付け時間なども、発売所によって異なります。

あらかじめ確認してから行くようにしましょう。いずれにしても夕方までなので、早めの行動をおすすめします。

地方競馬の払い戻し場所

地方競馬の払い戻しも、各地方競馬場でも受け付けできるのでしょうか。これに関しては、相互で払い戻しができるようになっています。

磁気券、QR券に対応していない場合もありますので、そのときは有人払い戻しでの受け付けとなり、少し時間がかかったりもします。多くの競馬場は自動払戻機による払い戻しが可能です。

詳しくは地方競馬相互払戻表を参照しましょう。一覧表になっているので、必要に応じて確認してください。下記の表にアクセスして確認してください。

地方競馬相互払戻表

払い戻しのやり方

馬券が的中した時は最高の気分でしょう。「さあ、早速払い戻しを」というときにやり方がわからず慌てないよう、的中馬券の払い戻し方法を確認しておきましょう。

自動払戻機の使い方

現在は自動払戻機が対応しているので、機械で誰でも簡単に精算できます。馬券を自動払戻機の挿入口から入れ、精算ボタンを押すだけというとてもシンプルなやり方です。

ただし、払戻機に入れてしまうと馬券はもう戻ってきません。たとえば初めての当たり馬券など、何らかの記念にしたいときもあるでしょう。

その時はインフォメーションでコピーをとってもらったりもできますが、少し費用がかかります。他の方法としてはスマホで写真を撮り、画像を残しておくなりするとよいでしょう。

高額払い戻しの場合

高額払い戻しに関して、機械では受け付けできない基準があります。100万円が基準で、それを超える馬券の払い戻しは、窓口での払い戻しになります。

それを知らずに自動払戻機に100万円を超える馬券を入れた場合は、窓口に行くように案内されます。窓口で番号札を渡されて、現金が用意できるまで待たなければなりません。

払い戻しは100万円以上なら1000万円でも1億円であっても、例外なく現金での受け渡しになります。銀行振込はしてもらえませんので、高額配当の持ち帰りには注意を要します。

ネット投票の場合の払い戻し

インターネットで競馬の投票に参加した場合の払い戻しは、どのように行われるのでしょう。そもそもネットで馬券を買うのは、どうすればよいのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

2種類の出金方法

インターネットで競馬を楽しむためには『即PAT会員』に登録しましょう。条件としては、JRAの指定する銀行の口座を持っていることです。会員の馬券購入時は、その口座からJRAインターネット投票用口座へ振替をするシステムになります。

具体的にはインターネットバンキングの『ペイジー/Pay-easy』システムを利用して、JRAペイジー入金サービス対応金融機関のインターネットバンキングやモバイルバンキング、ATMから、即時に馬券購入のための入金ができるサービスです。

入金された金額の合計が馬券の『購入限度額』になります。馬券が的中した場合の払戻金や返還金は購入限度額に繰り入れられるのです。購入限度額は会員から指示がない限り、『節』(注※)の間JRAが預かります。

※勝馬投票券発売日の1日、もしくは勝馬投票券発売日が2日以上連続する場合にはその連続する発売日を合わせたものが『節』とされます。

払戻金は登録口座へ振り込まれる

的中して繰り入れられた分も含めて、払戻金を出金したい場合は、登録している会員自身の銀行口座に振り込まれます。

振り込みの方法は、節の終了後にJRAから会員の購入限度額の全額が自動的に会員口座に振り込まれる『一括出金』と、会員自身で振込指示を出す『出金指示』の2種類あります。

払い戻しに関する注意点

購入した馬券が的中したとして、払い戻しをしようというときに、すぐにできない事情があるとしましょう。その場合、期間的な制約はあるのでしょうか。的中券をものにしても、それを知らなければ丸損になりかねません。

払い戻し期間は60日間

日本の競馬における勝馬投票券の的中券や、返還券の払い戻しの期限に関しては、60日と定められています。約2カ月の猶予があるということで、まだまだあると思っていても案外短いものです。うっかり期限が過ぎる場合もあるようですので、注意しましょう。

例外としては、払い戻しの期限日がもし全国的な払戻休務日と重なる場合です。そういう時に限り、期限日の翌日まで払い戻しの受け付けができます。

『払戻期限』はJRAホームページの『競馬メニュー』の『払戻金』(払戻金一覧)から確認できます。該当する開催日をクリックして、開催年月日の右横に表示されるのでしっかり確認しておきましょう。

競馬メニュー JRA

大きな払い戻しがあった場合は税金がかかる

競馬の払戻金は、課税対象となり得るのはご存知でしょうか?実は競馬の払戻金は『一時所得』にあたります。額にもよるのですが(後述)立派な課税対象なのです。

一時所得とは何でしょう。意味合いとしては労務の対価や不動産等の資産の譲渡の対価といった性格を持たない、あくまで一時的な所得のことです。同じ分類には福引きや懸賞の賞金、保険の一時金・満期返戻金などがあります。

一時所得は、総収入額からそれを得るために使った経費を引きます。競馬においてはあくまで当たり馬券の購入費、そして交通費などです。外れた馬券の購入費は計上できません。経費を差し引いて残った額が競馬の『儲け』であり、一時所得です。

そこから50万円を最高額として、特別控除を引いて計算できます。つまり、競馬の儲けは50万円以下なら税金はかかりません。50万円差し引いた残りの2分の1が、給与所得や事業所得などの本業の所得と合算され、それに所得税と住民税が掛かります。

的中確認は確実に、払い戻しはお早めに

競馬の的中馬券の払い戻しに関して、疑問になりがちな情報を集めて紹介しました。ここで学んだ中で、初心者は特に意識したほうがよいことが2つあります。

まず、的中券はよく確認しないと、順位変更などもあり得るということ。しっかりと確定するまで見届けましょう。そして60日間の余裕があるとはいっても、何があるかわからないので、なるべく早く払い戻しを済ませるということです。

日にちに余裕があるとたかをくくっていて、何かのトラブルで行けなくなったりする場合もありえますし、外せない急用ができる可能性だってあります。不要なリスクを避けるために、さっさと受け取って、悠々と競馬を楽しみましょう。

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