スウェーデン国立美術館の至福。王家の宝と北欧デザインに魅せられる。

2019.10.31

首都ストックホルムの中心部に位置するスウェーデン国立美術館は、数十万点のコレクションを誇る同国一の美の殿堂です。この記事では、スウェーデン国立美術館の歴史や基本情報、見どころをご紹介します。

スウェーデン国立美術館とは

まずはスウェーデン国立美術館の歴史と来場のための基本情報を確認しましょう。

スウェーデン国立美術館の歴史

スウェーデン国立美術館は、1792年に開館した「王立美術館」を前身として、スウェーデン王家のコレクションを基に設立されました。

現在の建物が完成した1866年に国立美術館へ改称、1861年には増築されています。2013年から2018年に実施された大規模改修によって、空調や電熱系統、セキュリティが大幅に改善され現在に至ります。

現在、中世から1900年頃までのヨーロッパの絵画や彫刻が約16000点、中世から現代までの工芸デザイン分野の美術品が約3万点、版画や素描が約50万点所蔵されています。

スウェーデン国立美術館の基本情報

スウェーデン国立美術館の開館時間は、火曜、水曜、土曜、日曜日がAM11:00PM5:00、木曜日がAM11:00PM9:00、金曜日がAM11:00PM7:00となっています。閉館日は毎週月曜日の他、諸聖人の日ならびに1224日、25日、1231日と11日です。常設展の入場料は無料で、企画展の入場には別途料金がかかります。

公式HP|スウェーデン国立美術館

スウェーデン国立美術館でみられるヨーロッパ絵画の名品

スウェーデン国立美術館では、北ヨーロッパの絵画を中心に西欧の優れた美術品が目白押しです。ここでは、そのなかでも注目すべき作者や作品について簡単にご紹介します。

ルネサンス、バロック期の北ヨーロッパ絵画

スウェーデン国立美術館のコレクションの始まりは、16世紀の国王グスタフ1世の収集品と言われます。

そのなかでも注目すべきはドイツのルーカス・クラナッハの作品で、人気の画題であった『ルクレティア』ほか数点を見ることができます。時代が下ってオランダ絵画が黄金時代を迎えた17世紀の美術では、レンブラントの作品群が注目でき、聖人や市井の人々の肖像画、自画像に加えて『書斎の聖アナスタシウス』など、所蔵数と質の高さで群を抜いています。加えて、フランドル出身のルーベンスやヨルダーンスの優品も見逃せません。

18世紀と19世紀のフランス絵画

18世紀、駐仏大使となったカール・グスタフ・テッシンがパリで積極的に絵画を収集し、それらを国王が購入したことによって、この時代のフランス美術のコレクションが豊かなものになりました。

テッシンが画家に直接注文したというフランソワ・ブーシェの『ヴィーナスの凱旋』ほか、フランスのロココ美術を代表するシャルダン、ランクレ、ワトーと言った画家の優れた作例を見ることができます。19世紀フランス絵画を見ても、印象派黎明期のルノワールの代表作である『ラ・グリュヌイエール』や、クールベの女性像のなかでもとりわけ魅力的な作例である『美しきアイルランド娘ジョー』など注目すべき作品があります。

スウェーデン国立美術館のその他の見どころ

スウェーデンを代表する国立美術館ではもちろん国内で活躍した芸術家の作品にもスポットを当てています。代表的な画家や収集分野についてご紹介します。

スウェーデン人画家による作品

18世紀、19世紀の展示室では、スウェーデン人画家たちによる作品にも焦点が当てられています。

代表的な画家は、エルンスト・ユーセフセン(Ernst Josephson)、カール・フレデリク・ヒル(Carl Fredrik Hill)、アンデシュ・ゾーン(Anders Zorn)、ハンナ・パウリ(Hanna Pauli)などですが、スウェーデンの国民的な画家と呼ばれ、日本人にも人気があるカール・ラーソン(Carl Larsson)を見逃す手はないでしょう。ラーソンの作品は、水彩画に素描、版画も加えて500点以上が所蔵されています。

北欧デザインの歴史

スウェーデン国立美術館には、絵画、彫刻のコレクションに加えて、工芸美術、デザイン、工業デザインの分野の収集品も展示されています。

スウェーデンと北欧諸国の製品をあくまで優先しつつ、デザインの発展にとって重要となった他国の作例とともに紹介しています。その大部分を占めるのは陶磁器のコレクションで、なかでもグスタフスベリ社で製造された食器類は北欧デザイン好きにはたまらないラインナップとなっています。

レストランでは最新のスウェディッシュ・デザインを楽しむ

2018年にリノベーションが完成したばかりのスウェーデン国立美術館ではレストランにも注目したいところです。マリメッコの食器類にもデザインを提供しているカリーナ・セス・アンダーソンなどスウェーデンの気鋭のデザイナーが家具や内装を手がけています。見学途中の休憩にぜひ利用してみてください。

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