印象派の殿堂シカゴ美術館とは。全米随一のコレクションに酔う。

2019.10.30

メトロポリタン美術館、ボストン美術館と並びアメリカ三大美術館と称され、なかでも有数の印象派コレクションを誇るのがシカゴ美術館です。この記事では、シカゴ美術館の歴史や基本情報、見どころをご紹介します。

シカゴ美術館の基本情報

シカゴ美術館は、アメリカ中西部イリノイ州最大の都市シカゴの中心部、ミシガン湖沿いのミレニアムパーク内に位置しています。ここでは、まず美術館の歴史と入場料など基本情報を確認しましょう。

シカゴ美術館の歴史

シカゴ美術館は、英語ではThe Art Institute of Chicagoで、日本語では「シカゴ美術研究所」、「シカゴ・アート・インスティテュート」と表記されることもあります。

美術館の前身は1879年に設立された「シカゴ・アカデミー・オブ・ファインアーツ」で、1882年に今の名称に改まりました。1893年のシカゴ万博に際して現在の建物が建設され、2009年にはレンゾ・ピアノ設計による新館が増築されています。11部門に渡るコレクションの多くが個人コレクターによる収集と寄贈によるもので、その総数は約30万点を数えています。

シカゴ美術館の開館時間、入場料、アクセス

シカゴ美術館は、感謝祭とクリスマス、ニューイヤーの祝日を除いて、毎日AM10:30~PM5:00まで開館しています。また、木曜日にはPM8:00までの夜間開館が実施されています。

入場料は、一般が25ドル、65歳以上のシニアと14歳~17歳の子どもおよび学生が19ドル、13歳以下の子どもは無料です。それぞれプラス10ドルの価格で、コレクションや企画展の入場の列に並ばずに入れるファストパスチケットが購入できます。

美術館へのアクセスは、地下鉄のAdams/Wabash駅から徒歩2分です。

時間のない人のためのシカゴ美術館の回り方

シカゴ美術館に行きたいけれど時間がない!そんな人のために美術館がオススメする作品を効率的な道順とともにご紹介したいと思います。なお、美術館は地下1階から3階、そして本館とモダン館を行き来しながら見学します。

安藤忠雄がデザインした日本美術の展示室から

まず、ミシガン通り沿いのエントランスから入場し、大階段のホール奥へ進みましょう。右側通路を進んだ奥まった場所には安藤忠雄デザインの展示室があり、柱が並ぶ印象的な空間で日本美術を鑑賞できます。

印象派・新印象派の大家たちの作品群

その後、一旦、大階段まで戻ってから2階へ登り、新館方向へと向かうとすぐにあるのがスーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』の展示室。そして、その2部屋先にはモネの『積みわら』が展示されています。とくに、新印象派の創始者・スーラの最大の代表作といえる『グランド・ジャット島の日曜日の午後』は必見。訪れた際は見逃すことのないようにしましょう。

20世紀を代表する現代アートに触れる

新館に入った正面の階段踊り場でジョージア・オキーフの『雲上の空』を鑑賞したらそのまま1階へ。アメリカ美術の展示室へ入ってエレベーターで2階へ登ればエドワード・ホッパーの『ナイトホークス』の展示室が、その隣室にはグラント・ウッドの『アメリカン・ゴシック』が待っています。その後、1階へ戻り、古代美術を横目に中庭(McKinlock Court)をはさんで対角線上の位置まで進めば、シャガールのステンドグラス『アメリカの窓』とご対面です。

シカゴ美術館MAP(PDF)

シカゴ美術館で見るべき作品を厳選して紹介!

シカゴ美術館の所蔵品はいずれも一級品で、とても選べないくらい見どころ満載ですが、あえて、これだけは見逃せないという作品を印象派関連の作家から選んでみました。これらの作品の前では、ぜひ少し立ち止まってゆっくりと鑑賞を楽しんでみてください。

ジョルジュ・スーラ『グランド・ジャット島の日曜日の午後』(1884−1886年)

先ほども触れた19世紀末に活躍した新印象主義の画家ジョルジュ・スーラによる最も有名な作品です。スーラは、原色と補色の細かい点を並べて描き、観る者の目の中で色が合成されることによって、画面の明度と彩度を保つ点描技法を取り入れたことで知られます。

パリ郊外にある市民の憩いの場を描いた本作品の制作にあたって、スーラは習作を繰り返し2年の時を費やしました。画面全体をさらに明るく見せる効果のある白い額縁も、当時スーラ自身によって設えられたまま残っています。

Georges Seurat “A Sunday on La Grande Jatte”

クロード・モネ『積みわら-夏の終わり』(1890−1891年)ほか

シカゴ美術館では、最初期の風刺画デッサンから晩年の睡蓮にいたるまで、印象派の父クロード・モネの画業全体を概観できる作品群を見ることができます。なかでも注目すべきは、季節や時刻、天候によって移り変わる光の効果を描き分けるために描かれた1890年の『積みわら』連作です。

シカゴ美術館は、この年に描かれた25点の『積みわら』のうち6点を所蔵しています。フランスはノルマンディー地方の豊かな大地を象徴するモチーフを主役にした『積みわら』の連作は、発表当時から大変な人気となり、画家に経済的な安定をもたらしました。そのことが、ジヴェルニーでのかの有名な『睡蓮』の連作へとつながったのです。

Claude Monet “Stacks of Wheat (End of Summer)”

フィンセント・ファン・ゴッホ『寝室』(1889年)

ゴッホの最も知られた作品の一点とも言える『寝室』は、ゴッホが南仏の町アルルで芸術家コロニーを作るためにゴーギャンを待ちながら暮らした部屋を描いた作品です。3バージョン存在するうちの2番目のバージョンをシカゴ美術館が所蔵しています。

1888年に描かれた第1バージョンに損傷があったため、弟で画商でもあったテオの依頼で制作されました。シカゴ美術館には、ゴッホがパリにやって来た翌年に描かれ、スーラの点描技法の影響が顕著に見られる『自画像』や、5バージョンある『ゆりかごを揺らすオ―ギュスティーヌ・ルーラン夫人』のうちの1点も所蔵されています。

Vincent Van Gogh “The Bed Room”

シカゴ美術館ではお土産も要チェック

美術館エントランスのライオン像をモチーフとしたクツ下やエコバッグ、所蔵品をプリントしたマグカップなど、シカゴ美術館ではお土産も豊富。訪問の記念にぜひショップものぞいてみてください。

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