スペインの世界遺産「ヘラクレスの塔」。世界最古の灯台の起源とは?

2019.10.30

スペインには多くの世界遺産がありますが、古代のロマンを感じさせるものといえば、ヘラクレスの塔でしょう。その起源は古く、エジプトや神話に関係しているようです。そこでこの記事では、ヘラクレスの塔とエジプト、神話との関係についてご紹介します。

スペインの世界遺産、ヘラクレスの塔とは

ヘラクレスの塔は、スペイン・ガリシア州(スペインの自治州の一つ)の島に建つ灯台です。

2009年6月27日、「現存する、または消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠」という基準を満たし、世界遺産に登録されました。

このヘラクレスの塔が建てられたのはローマ時代(2世紀)だとするのが通説ではありますが、異説として2世紀に再建されたとも言われています。

いずれにしても、現存する世界最古の灯台となっています。

現在でも灯台として立派に稼働していることを踏まえると、当時の建築技術の高さは非常なものであったことが伺えます。

改築されてスペインで2番目に高い塔になった

現在のヘラクレスの塔は高さが55メートル(4層)もあり、スペインでは2番目に高い灯台です(1番高いのはチピオーナ灯台で62メートル)。

ただし、これは1788年に改築(1791年に完成)されたからであり、改築前は34メートル(3層)でした。

この改築の際、新古典主義の技法が用いられたことで、ローマ帝国時代の様式とはだいぶ異なった現在のような姿になっています。

ヘラクレスの塔はエジプトと関連している?

スペインにあるヘラクレスの塔ですが、そのモデルは紀元前3世紀頃に建てられたエジプト、アレクサンドリアの大灯台だと言われています。

形状の異なる3つの層で構成されており、この点が改築前のヘラクレスの塔と似ていることがモデルとなった証拠だと考えられています。

ただし、同じ3層構造であっても、その高さはまったく違います。

改築前のヘラクレスの塔が34メートルであったのに対して、アレクサンドリアの大灯台は、約134メートルもあったそうです。これほどの高層建築は当時世界に類がなく、世界でもっとも高い建築物だったと考えられています。

高さを抑えたことでヘラクレスの塔は現在している?

ヘラクレスの塔がアレクサンドリアの大灯台をモデルにしているのであれば、その高さを競ってもよさそうなものです。

実際、ヘラクレスの塔が建てられたのがアレクサンドリアの大灯台建設から約100年後なので、技術的にはもっと高い灯台を作れたはずです。

なので、あえて34メートルに高さを抑えたと思われるのですが、結果としてはそれが正解だったかもしれません。

というのも、アレクサンドリアの大灯台は794年の大地震で半壊し、1303年と1323年の地震によって全壊してしまっているのです。

それを考えると、ヘラクレスの塔がいまなお現役でいられるのは、あえて高さを抑えて建てられたからではないでしょうか。

世界遺産、ヘラクレスの塔と神話の関係

ヘラクレスの塔には碑文があり、そこには、ローマ神話の神マールスへ捧げるといった趣旨の記述があります。

また、灯台の下に描かれている髑髏と骨は、ギリシア神話の英雄ヘラクレスが倒したとされるゲーリュオーンを現しているとされています。

さらに別の神話では、ガリシア州の伝説の王・ブレオガンが、息子たちのために巨大な塔を建てたとされており、それがヘラクレスの塔だと言われています。

これだけ多くの神話に登場しているということから考えると、ヘラクレスの塔が当時において非常に目立つ存在で、人々から崇拝されていたといえるでしょう。

スペインの世界遺産、ヘラクレスの塔

この記事では、スペインにある世界遺産、ヘラクレスの塔をご紹介しました。その歴史の古さと建築技術の高さには目を見張るものがあります。スペインの世界遺産というとサグラダ・ファミリアが有名ですが、ヘラクレスの塔も一見の価値あり。スペインにお立ち寄りの際はぜひ旅程に組み込んでみてくださいね。

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