ウイスキーのピートについて。独特の香りと風味をもたらす正体とは?

2019.10.27

ウイスキーの説明や評価で、「ピート香が強い」などという言葉をよく目にしますが、そもそもピートが何なのか、ウイスキーにとってどんな意味があるのかを知らない人も多いでしょう。そこで、ウイスキーを深く語る上で欠かせないピートについてご説明します。

ウイスキーに使うピートとは

ピート(泥炭)とは植物やコケ、潅木などが枯れた後に何千年もの永い歳月を経て炭化し、地層として堆積した泥のような塊のこと。早い話が石炭になりかけの可燃性物質です。気温が低い湿地帯にできやすく、日本では北海道で多く見られます。

海外ではスコットランド北部で多く採掘でき、貴重な燃料源となっていました。スコットランド北部では木材が豊富ではなく、他の地域のように木炭を燃料源にできなかったからです。

ではウイスキー造りとピートの関係は?と言うと、ウイスキーの製造工程の中に、水に浸して発芽させた大麦を乾燥させる「製麦(モルティング)」という工程があるのですが、その際に天日干しにしたピートを燃料として使われます。ピートで燻すことによって大麦にピートの香りが移り、その香りがウイスキー独特のピート香、即ちスモーキー臭、薬品臭と称される焦げ臭を生み出すのです。

ウイスキーに独特のスモーキーフレーバーをプラスするピート

スコッチウイスキーやシングルモルトが、よく「スモーキー」「煙臭い」と評されるのは、麦芽を乾燥させる工程でピートをふんだんに使うからです。そのためスモーキーフレーバーを与えたくないメーカーは、ピートを全く使わないか、ごく少量だけ使うなどの調整を行います。ちなみにスコットランド以外では一般的にピートは使用しませんが、スコッチに似ていると言われる日本では一部商品に使われます。

ピートは、採掘する場所の条件によってフレーバーは異なります。そもそもピートは植物が堆積してできるので、産地が違えば分布する植物も違い、ピートの質自体も変わってくるわけです。

例えば海の近くで採れるピートは潮の香が豊かになるため、そのようなピートで燻した麦芽でウイスキーを造ると、「海藻の香りがする」「磯臭い」と言われるほどクセが強くなり、好き嫌いが大きく分かれることもあります。

ウイスキーが楽しくなる!ピート香がわかるウイスキー3

それでは、ピート香とはどんな香りかを知っていただくのに最適なウイスキーを、いくつかご紹介しましょう。

ジョニーウォーカーダブルブラック

「スモーキーさ」「豊かな香りとコク」を強く表現したブレンデッドウイスキー。スムースかつ深みのある香りと味わいが特徴です。シングルモルトのアイラよりは飲みやすく、ピート香を知る入門編としておすすめです。

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ブラックニッカクロスオーバー

ニッカのチーフブレンダーが「ガツンと来るチャレンジングな設計」「嫌いだと言う人がいても構わない」と言い切った、日本のウイスキーでは珍しい個性派。シェリー樽モルトの華やかな香りと、スモーキーなピートの香りがクロスオーバーしています。

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アイラモルト(ラフロイグ・アードベックなど)

上記のブレンデッドウイスキーで舌慣らしを済ませたら、いよいよ本丸のアイラモルトに挑戦です。アイラモルトとは、スコットランドのアイラ島で蒸溜されたシングルモルトの総称で、スモーキーなピート香を存分に味わわせてくれます。

銘柄としてはラフロイグ、ボウモア、アードベッグ、ラガブーリンなどがありますが、どれを飲んでもピート香の何たるかが一発でご理解いただけるでしょう。思わず絶句するか、どっぷりハマるかはあなた次第です。

ウイスキー好きもピートを知ればさらにクセになる

ウイスキーは様々な魅力を秘めたお酒ですが、ピート香こそが醍醐味というマニアも少なくありません。この記事を参考に、まずはピートが弱いと言われるものから飲み始め、少しずつ深みにハマって虜になっていただければ幸いです。

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