シェイクスピア悲劇『ハムレット』を映画で観よう!王道から翻案作品まで紹介

2019.10.26

『ハムレット』は、シェイクスピアによる四大悲劇の最初に書かれた作品で、彼の戯曲の中で最も長大なものです。これまでに何度か製作された『ハムレット』の映画化作品について、物語のあらすじから王道、翻案作品までをご紹介します。

『ハムレット』のあらすじ

デンマーク王であった父の仇討ちを果たすため、叔父である現王クローディウスへの復讐を誓うハムレットは、狂気を演じながら機会を狙います。

ハムレットの乱心を娘オフィーリアへの恋心ゆえと誤解していた宰相のポローニアスは、王と誤ってハムレットに殺害されてしまいます。それを知ったオフィーリアは狂気に陥り、その兄レアティーズはハムレットへの復讐心を燃えたぎらせます。

墓場での決闘に赴いたハムレットは、レアティーズを打ち倒し、クローディウスの殺害によって復讐にも成功しますが、母である王妃ガートルードは命を落とし、自身も毒の刃に倒れるのでした。

『ハムレット』の主な映画化作品

まずは、『ハムレット』をほぼ設定はそのままに映画化した王道作品をご紹介します。

ローレンス・オリヴィエ監督主演の1948年版

シェイクスピア俳優として実力を発揮したローレンス・オリヴィエが、『ヘンリー5世』に続いて監督、主演を務めたのが1948年版の『ハムレット』です。この作品で、オリヴィエはアカデミー賞の主演男優賞を受賞したほか、作品賞、美術賞、衣装デザイン賞にも輝いています。いくつかの場面やセリフ回しはカットされていますが、原作の雰囲気を味わうには今も最適の映画です。

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グレゴリー・コージンツェフ監督による1969年版

シェイクスピアの研究者としても知られる映画監督コージンツェフによってソヴィエト連邦で製作された映画です。エストニア国境付近のイヴァンゴロドの城塞や屋外の自然の中での撮影にこだわって、シェイクスピアの言葉を視覚的に表現することに挑戦しています。オリヴィエ版がハムレットの心理描写に焦点を当てたのに対して、コージンツェフは物語の政治的社会的な側面も取り上げて表現しています。

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メル・ギブソン主演の1990年版

1968年に『ロミオとジュリエット』を大ヒットさせたフランコ・ゼフィレッリが監督を務めた1990年版の『ハムレット』では、メル・ギブソンが主演を務め、従来の「青白い貴公子」としてのハムレットのイメージを刷新しました。オフィーリアはヘレナ・ボナム・カーターが演じ、可憐な乙女が狂気に陥る様を見事に演じています。ゼフィレッリ監督らしいこだわりが感じられる、中世ヨーロッパの衣装や美術も注目です。

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ケネス・ブラナー監督主演の1996年版

「ローレンス・オリヴィエの再来」と言われるシェイクスピア俳優で、『ヘンリー5世』や『から騒ぎ』などの監督、主演も務めてきたブラナーによる『ハムレット』は、舞台を原作の中世から19世紀に移している点を除いては、場面もセリフもノーカットで4時間を超える長編となっています。オフィーリアを演じたのは『タイタニック』出演前のケイト・ウィンスレットです。

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『ハムレット』の翻案映画

続いて、『ハムレット』を大胆に翻案した映画作品をご紹介します。

舞台は中国の王朝!チャン・ツィイー主演『女帝』

チャン・ツィイーを主演に迎え、中国の五代十国時代の王朝を舞台にした『女帝』は、ハムレットの母であり王妃のガートルードを主役に置き換え、ダニエル・ウー演じる義理の息子(ハムレット役に相当)への愛情を隠し、その命を守るために夫を殺した新帝リー(クローディウス)の妃となる、という筋書きです。振り付けのような華麗なアクションや豪華な衣装やセットによる映像美と重厚なドラマに終始魅了される大作です。

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舞台はマルチメディア企業!イーサン・ホーク主演の『ハムレット』

マイケル・アルメレイダ監督による『ハムレット』では、舞台は現代のニューヨーク、デンマーク王国がマルチメディア企業に置き換えられて製作されています。原作のセリフはノーカットのため4時間の長尺となっていますが、ハムレットのモノローグをスタイリッシュな映像に重ねる演出の巧みさによって長回しのセリフにも飽きさせません。ホーク演じる内気で悩み多きハムレット像は高く評価されています。アルメレイダ監督とホークのタッグは、2015年にもシェイクスピアの『シンベリン』を翻案した『アナーキー』を製作しています。

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昭和日本が舞台の『ハムレット』も?

日本映画におけるシェイクスピアの翻案と言えば『リア王』をもとにした黒澤明の『乱』ですが、同監督による1960年のサスペンス映画『悪い奴ほどよく眠る』も『ハムレット』を下敷きにしているのでは、と言われています。王道映画で『ハムレット』のストーリーに親しんだら、一度見てみてはいかがでしょうか。

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