日本の世界遺産を学ぼう『長崎編』。長崎ある2つの文化遺産とは?

2019.10.26

日本には20を超える世界遺産が存在しており、どの遺産も後世に受け継いでいきたい遺産です。日本の世界遺産の中から、この記事では長崎県にある2つの文化遺産についてご紹介します。

世界遺産の文化遺産ってなに?

長崎県の世界遺産を紹介する前に、まずは文化遺産についてご説明します。文化遺産とはどのような遺産なのでしょうか?

文化遺産は人類の活動の結晶

世界遺産には、「自然遺産」「文化遺産」「複合遺産」の3種類があり、登録される内容によって分類分けされています。

文化遺産とは、「人類の活動によって生み出された文化的な遺産」のことを指します。簡単にいえば、教会や城などの建造物のことです。他にも、港や整備された土地なども当てはまります。

世界にはどんな文化遺産がある?

世界の有名な文化遺産といえば、「自由の女神像」、モアイが有名な「ラパ・ヌイ国立公園」、「万里の長城」や「メンフィスとその墓地遺跡(ギザの3大ピラミッド)」が挙げられ、それらに匹敵する価値のある文化遺産が長崎にはあるのです。

関連記事:世界遺産には自然遺産と文化遺産がある。その違いと名所をご紹介

世界遺産登録された長崎の遺産は、明治日本の産業革命遺産

長崎にある文化遺産の一つが「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」です。特定の物ではない文化遺産とはどのような物なのでしょうか。

8エリアに渡る文化遺産

明治日本の産業革命遺産は、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、岩手県、静岡県の8県に点在する産業遺産です。教会や城のような物を対象とする文化遺産ではなく、明治時代に栄えた産業形態が文化遺産に登録されています。

隣り合わせではない複数県に渡っていますが、一つの登録として扱われる珍しい文化遺産といえるでしょう。

長崎の文化遺産「産業革命遺産」の特徴

長崎で登録された産業革命遺産は、「小菅修船場跡」「三菱長崎造船所 第三船渠」など、造船技術を象徴する遺産であることが特徴です。建造能力3万トンの大型ドックの跡地で、当時は東洋最大級の規模でした。売上能力150トンまで行える電動カンチレバークレーンも有名で、その大きさからランドマークとしても認知されています。現在は当日の面影しかありませんが、日本の最先端を行く、巨大産業だったことが見て取れるでしょう。

また、「高島炭坑」などの炭鉱地としても有名です。特に、「端島炭坑(軍艦島)」は海外でも有名で、多くの人が訪れています。現在老朽化のため立ち入りを禁止していますが、インターネットのストリートビューなどを利用すれば、内部も少し知ることができます。

関連記事:軍艦島の歴史について。文化や特徴を知り理解を深めよう

関連記事:軍艦島の世界遺産登録のいきさつ。過去の反対運動と今後の課題

世界遺産登録された長崎の遺産は、潜伏キリシタン関連遺産

長崎にあるもう一つの文化遺産は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」です。有名な「天草四郎」ともつながる、潜伏キリシタンに関する文化遺産とはどのような遺産なのでしょうか?

潜伏キリシタンってなに?

文化遺産に登録されいる「潜伏キリシタン」とは、江戸時代の禁教令下においてもキリストを信仰し続けた人たちのことです。

江戸時代当時、日本は仏教を推奨しており、他国から布教したキリスト教は邪教の扱いでした。たびたび「踏み絵」を行わせて、キリスト教信者をあぶりだし、キリスト教を罪とし改宗させようとしたのです。

しかし、その弾圧に屈しないキリスト教徒たちは、役人に見つからないよう密かに活動し続けます。そして、後にカトリック教徒が認められるまでキリスト教徒だということを隠し続けていたのです。

似たような言葉に「隠れキリシタン(かくれきりしたん)」がありますが、これは主に「表面上は仏教徒として生活し、内省的にキリスト教を信仰し、禁教が解かれたあともカトリックには戻らず独自の信仰を続けている人々」を指して使われています。

一方、潜伏キリシタンは、禁教令約250年の間、潜伏し続けた人たちのことを指します。日本のキリスト歴は大まかに、第一期の「キリスト教が伝来し撤廃されるまで」。第二期の「キリスト教が禁教令として扱われる時期」。第三期の「キリスト教が解禁され現在に至るまで」の3つに分かれています。主に、第二期では潜伏キリシタンが活動し、第三期では隠れキリシタンが活動を行っていたのです。

長崎の潜伏キリシタン関連遺産は、第二期である禁教令時代の文化や生活が評価され文化遺産となりました。そのため、潜伏キリシタンとして登録されています。

長崎の文化遺産「潜伏キリシタン関連遺産」特徴

長崎の潜伏キリシタン関連遺産は、海をまたいで広く点在しており、長崎だけではなく、一部熊本県にも広がっています。

佐世保市の「黒島の集落」や五島市の「久賀島の集落」など、潜伏キリシタンの集落が主な対象です。当時の生活の様子や文化を知ることができます。

また、各集落には当時使用されていた教会も残っています。現代とはまた違うモダンな教会や自然と調和した教会など、美しくも歴史ある建造物をみることができるでしょう。

世界遺産登録されている長崎の文化遺産を観に行こう

長崎の文化遺産からは、日本が閉ざされた国から開かれた国へと大きく進化を遂げた江戸末期から明治期の貴重な歴史を知ることができます。ぜひ長崎県を訪れた際には、足を運んでみてはいかがでしょうか?

 

関連記事:世界遺産 白川郷・五箇山の合掌造り集落を訪ねる旅の楽しみ方

関連記事:日本の世界遺産を学ぼう「北海道編」。北東の地が選ばれた理由とは?

関連記事:世界遺産「富士山」が、自然遺産ではなく文化遺産で登録された理由とは?

関連記事:九州に位置する世界遺産「屋久島」。太古から続く神秘的な魅力を紹介

関連記事:日本の世界遺産を学ぼう『沖縄編』。沖縄の聖なる地『グスク』とは?

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME