あのプラド美術館の見どころとは?個性あふれる魅力に迫る

2019.10.24

スペインの首都マドリッドを訪れた人の多くが足を運ぶスポットの一つ、プラド美術館。この美術館には、ここでしか味わえない珠玉の芸術鑑賞体験が待っています。プラド美術館の魅力と見どころをご紹介します。

プラド美術館の他とは異なる特徴とは?

ロシアのエルミタージュ美術館やフランスのルーブル美術館など、各地の観光の目玉となっている美術館とプラド美術館では、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、プラド美術館の個性に着目してその魅力を紐解きます。

スペイン王家のコレクション

プラド美術館は、何十万点という所蔵品を誇るエルミタージュやルーブルに比べて、素描(デッサン)類をあわせても所蔵作品は約2万2,000点と小規模です。

その多くがスペイン王家によって集められた作品で、歴代の王の好みによって注文され、あるいは宮廷で庇護された画家たちによる作品が並んでいます。

また、スペインが統治した時代のオランダ絵画が豊富に見られるなど、スペインの栄枯盛衰の歴史が感じられるコレクションになっています。

画家のまとまったコレクションをじっくり鑑賞

プラド美術館の大きな特徴の一つが、画家一人一人の作品をまとまった数、所蔵していることです。これは、歴代の王がお気に入りの画家の作品を数多くコレクションしたことが要因です。

カール5世(カルロス1世)のお気に入りのティツィアーノ、フェリペ4世の宮廷画家ベラスケス、カルロス4世のゴヤというように一部屋ごとに複数の作品が並びます。

印象派やピカソなどの作品はありませんが、古典絵画の巨匠たちの芸術をじっくりと学ぶことができます。

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プラド美術館の見どころを画家の国別に紹介

プラド美術館では具体的にどのような名作が見どころとなっているのでしょうか。国別に主な所蔵品をご紹介します。

ティツィアーノを中心とするイタリア美術

プラド美術館の誇るイタリア美術のコレクションは、なんと言ってもヴェネチア派のティチアーノによる作品群です。芸術の庇護者としてのカール5世とティツィアーノの関係は、美術史上とりわけ実り多いものとして讃えられています。

そのほかにも、初期ルネサンスのフラ・アンジェリコやボッティチェリ、ラファエロやヴェネチア派の画家たち、カラヴァッジョやティエポロなど、いずれも一級品が並んでいます。

プラド美術館の『イタリア美術』を見るにはこちら

豪華絢爛のスペイン美術

コレクションの中心をなすのは、もちろんスペイン美術です。多くが17世紀頃に花開いたバロック美術の画家たちで、フェリペ4世に仕えたベラスケスはその代表と言えるでしょう。『ラス・メニーナス』ほか、肖像画や神話画はいずれも見逃せません。

トレドを拠点に活躍したエル・グレコや、セビーリャを代表するムリーリョ、リベラやスルバランと言った他のバロック期の画家たちによる作品は、いずれも聖書や聖人を題材にし、宗教改革後もカトリック教国であり続けた、スペインらしい芸術を見ることができます。

そして、18世紀後半から19世紀初頭に活躍したゴヤのコレクションは、世界で他に類を見ない充実ぶりで、有名な『マハ』だけでなく、宮廷時代のロココ風の作品から晩年の「黒の絵」シリーズまでを網羅しています。

プラド美術館の『スペイン美術』を見るにはこちら

選び抜かれたドイツ、オランダ美術の優品

ティツィアーノやスペイン絵画ほどには各作家の画業は網羅されていないものの、一つ一つ名品が選び抜かれているのが、ドイツ、オランダ(当時はフランドル)の画家による作品です。

プラド美術館で最も有名な作品の一つであるヒエロニムス・ボスの『快楽の園』に加えて、ファン・デル・ウェイデンの荘厳な祭壇画、デューラーによる自画像、パティニールの風景画まで、日本では見られない貴重な作品ばかりが並びます。

レンブラントやルーベンスなどバロック期の巨匠を見ても、他の美術館に引けを取らない厳選された名品を見ることができるでしょう。

プラド美術館の『ドイツ・フランドル美術』を見るにはこちら

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プラド美術館の見どころ作品の展示場所は?

美術史の至宝がぎゅっと詰まったプラド美術館の見どころ作品は、館内のどこで見ることができるのでしょうか。

美術館の北側にヘロニモスの扉とゴヤの扉の2ヶ所の入口があります。南側のムリーリョの扉は団体客と出口専用です。そのうち、入場券売り場のあるゴヤの扉から入ると、先に紹介した見どころを効率よく巡ることができるでしょう。

館内へ入ってまず2階(スペインでは1階と言います)へ進むと、順に、ティツィアーノらヴェネチア美術、次いで、建物中央あたりでヴェラスケスらスペイン・バロックの巨匠たちに出会えます。

2階南側からゴヤの展示が始まり、1階(スペインでは地上階)に降りると、ゴヤ晩年の「黒い絵」シリーズがあります。しばらく近代などのスペイン美術の展示室が続き、入ってきたゴヤの扉に近い1階南側にドイツ、オランダ絵画や、ラファエロなどのイタリア美術を鑑賞することができるでしょう。

プラド美術館でお気に入りの巨匠を見つけて

プラド美術館で見られる作品は他の大規模館に比べると限定されているかもしれません。しかし、画家の画業をたくさんの作品でたどれたり、あるいは、著名な画家の一級品を見ることができたり、とても豊かな時間が過ごせます。ぜひ、お気に入りの巨匠を見つけにプラド美術館を訪れて見てください。

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