藤沢周平は江戸もの作家!おすすめの代表作を一挙紹介

2019.10.23

時代小説は数あれど、人々の暮らしを写した人情情緒溢れる「江戸もの」は、もはや1大ジャンルとして幅広い層から認知されています。数多くの文豪たちが描いてきた江戸の営みは、いずれも読み飽きない名作ばかりです。そんな中、江戸ものジャンルに心血を注ぎ、20世紀の時代小説を牽引した人物が「藤沢周平(ふじさわ しゅうへい)」です。この記事では藤沢周平その人の魅力と、おすすめの代表作品を紹介します。

藤沢周平とは

20世紀には数々の時代小説作家が誕生しました。吉川英治、司馬遼太郎とその面々は世界的に見ても偉大な文豪ばかりです。彼らの多くは戦国、幕末、古代中国など幅広い時代にフォーカスを当ててきましたが、藤原修平はあくまで江戸ものジャンルのみを頑なに描き続けました。果たしてどのような作家だったのでしょう?藤沢周平その人にフォーカスを当てて、作品におけるこだわりなどについて解説していきます。

20世紀の江戸もの作家

藤沢周平は1927年に山形県で誕生しました。幼少期は体が弱く入退院を繰り返しながら執筆活動を行なっています。成人後は数々の新聞社を渡り歩き、編集長にまで抜擢されるなど充実した日々を送ります。しかし長女が誕生してすぐに妻が急逝したことで藤沢は精神的危機を迎えます。

そんな折に気を紛らわせるために描き始めたのが「時代小説」だったのです。その後、藤沢は作家として大成するまでの間に新聞社、家事、育児、母の介護、執筆活動と多忙の日々を送っていきます。

海坂藩とは

藤沢作品を語る上で、最も重要なキーパーソンが「海坂藩」です。海坂藩は実際には存在しなかった架空の藩であり、藤沢作品の多くはこの藩を舞台に描かれています。自然豊かであり温泉などの施設にも恵まれた藩とされていますがその財政は厳しく、メインで描かれる下級の武士たちは通常行わない町人同様の職を得て生活しています。それら庶民情緒溢れる世界観は、藤沢周平作品を構成する魅力と言えるでしょう。

藤沢周平の代表作は絶対はずれない

藤沢周平の名を小説より先にテレビドラマなどで知ったという方も多いかもしれません。歴史の裏舞台を描いた作品の数々は今も全国で親しまれる定番時代劇となっています。ここからはそんな藤沢作品の中でも、ひときわ人気を誇る代表作を紹介していきます。

蝉しぐれ

蝉しぐれは1988年に発表された藤沢周平の後期作品です。藤沢作品の代名詞とも言われる本作はテレビドラマのみならず、映画や舞台劇化されている人気作品です。ストーリーは海坂藩を舞台に、貧乏侍の牧文四郎の努力の日々や恋模様を情緒たっぷりに描いたものです。藤沢作品の中で最も「らしさ」を感じることができるものとなっています。

用心棒日月抄

用心棒日月抄は1978年から発表された作品です。生まれの藩をとある事情で脱藩した浪人「青江又八郎」を主人公に江戸の暮らしや日々の仕事、そして藩から差し向けられて追っ手との戦いを描いています。日常的なパートと本筋のパートの起伏が心地よいバランスの取れた構成が魅力となっています。

藤沢周平の人気シリーズ作品

藤沢周平の執筆活動は、初期から中期にかけてシリーズ作品の執筆へと変化していきます。長期にわたって描かれる人々の暮らしもまた、江戸もの作品における魅力の1つと言えるでしょう。ここからはそんな藤沢作品の中から特に人気のあるシリーズ作品をピックアップして紹介していきます。

極意立花登手控え

獄医立花登手控えは1980年から発表されたシリーズ作品です。エピソードはその都度完結する短編集形式を採用しています。その内容は田舎から江戸にやってきた医師「立花登」が、だらしないやぶ医者の叔父に押し付けられた獄医者の仕事の中で知り合う罪人たちとの交流や、それらの人物に関連する事件を解決していく姿を描いています。

藤沢周平の江戸もの作品はいつまでも色褪せない

藤沢周平は日本屈指の江戸もの作家です。架空の藩を舞台とした下級武士、庶民の生活や遭遇する事件などを情緒たっぷりに描いています。ほのぼのとした時代小説、ドラマが好きな方にはうってつけの作家と言えるでしょう。藤沢作品で海坂藩の人々の生活をのぞいてみてはいかがでしょうか?

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