ジャズの女王「サラ・ヴォーン」の魅力。彼女の功績や名盤をたどる

2019.10.18

ジャズの歴史上で、最も偉大な女性シンガーの一人として知られるサラ・ヴォーン。その活躍の舞台は広く、およそ半世紀にわたって精力的に活動し、数々の名演を残しました。そんなサラ・ヴォーンの功績や名盤をたどっていきましょう。

「ジャズの女王」と評された偉大な女性シンガー

サラ・ヴォーンの異名は「ジャズの女王」。1940年代以降の現代的なモダン・ジャズシーンを作り上げたミュージシャンの一人として知られています。その経歴を見ていきましょう。

女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の一人

1940年代から活動を始めたサラ・ヴォーンは、1947年のヒットソング「It’s Magic」などをきっかけに、徐々にジャズシーンで知られるようになっていきました。

その歌唱スタイルはトランペット奏者のビリー・エクスタインなどから影響を受けたモダン・ジャズ調のもので、ビバップを軸にスキャットなどのユニークなアプローチも取り入れた、スリリングでダイナミックな歌声で話題に。ビリー・ホリデイやエラ・フィッツジェラルドといった同時代の黒人女性ジャズシンガーと並んで「女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家」に数えられるようになりました。

エミー賞やグラミー賞も受賞するなど批評的にも高く評価され、1980年代後半まで作品発表やコンサートを展開。ジャズシーンに影響を与え続けました。

ポップスの世界でも活躍

サラ・ヴォーンは当時のジャズシンガーとしては珍しく、ポップスなどのジャンルでも積極的に歌っていました。

ジャズシンガーとしてはエマーシー・レコード、ポップシンガーとしてはマーキュリーレコードに所属してそれぞれハイペースに作品を発表するなど、どちらの方面でも精力的に活動しています。

ポップスでは商業的な成功を収めた作品は少なかったものの、その歌唱力を活かしたアルバムは確かな魅力を持っており、今も評価されています。

サラ・ヴォーンのジャズの名盤

ここからは、実際にサラ・ヴォーンの音楽を体感する上でおすすめの名盤をご紹介します。まずは、ジャズの名盤から見ていきましょう。

ウィズ・クリフォード・ブラウン(With Clifford Brown )

トランペット奏者のクリフォード・ブラウンと共演した「ウィズ・クリフォード・ブラウン(With Clifford Brown )」は、サラ・ヴォーンの初期の代表作として有名です。

ジャズの定番ソング「バードランドの子守歌」など数々の名曲が収録されており、王道のモダン・ジャズをヴォーカルとサウンドの両面から味わうことができます。

初めてサラ・ヴォーンの歌声に触れるのにもぴったりの一枚です。

枯葉(Crazy & Mixed Up)

大物ジャズシンガーとなったサラ・ヴォーンの熟練の歌声を聴くことができるのが、1982年発表のアルバム「枯葉(Crazy & Mixed Up)」です。

ジャズ界の大物プロデューサーのノーマン・グランツによるレーベル「パブロ・レコード」に在籍していた晩年の名盤で、最高潮に達した圧倒的な歌声を味わえます。

また、サラ・ヴォーン自身が初めてセルフプロデュースで製作したアルバムでもあり、彼女の個性をより強く体感できるのも大きな魅力です。

ポップシンガーとしてのサラ・ヴォーンの名曲

次に、ジャズだけでなくポップシンガーとしても活躍したサラ・ヴォーンの一面に迫りましょう。ポップスでの代表的な2曲をご紹介します。

ラヴァーズ・コンチェルト(A Lover’s Concerto)

サンディ・リンザー&デニー・ランドルが手がけた、ポップスのスタンダート・ナンバーのひとつ。ザ・トイズやスプリームス、日本でも尾崎紀世彦やザ・ピーナッツなどが歌ってきました。

サラ・ヴォーンが歌ったものは特に有名で、三菱シャリオグランディスのCMソングに起用されたり、ドラマ「不機嫌なジーン」の挿入歌になったりと、日本でもおなじみの名曲ポップスとなっています。

Yesterday

ビートルズの名曲の、サラ・ヴォーンによるカバーバージョンです。

1981年リリースのビートルズのカバーアルバム「Songs of the Beatles」の収録曲のひとつで、サラ・ヴォーンのポップシンガーとしての代表的な一曲となっています。

広く知られたメロディを、サラ・ヴォーンの味わい深い歌声で聴くことができるナンバーとして必聴といえるでしょう。

今も愛されるサラ・ヴォーンの歌声

ジャズシンガーとして、そしてポップシンガーとして、圧倒的な歌声による名盤を数多く作り上げたサラ・ヴォーン。モダン・ジャズの本質を知る上で、欠かせない偉大なヴォーカリストです。

今も愛され続けるサラ・ヴォーンの歌声に触れて、本物のジャズを体感してみましょう。

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