ドストエフスキーの遺作「カラマーゾフの兄弟」はなぜ最高傑作と呼ばれるのか?

2019.10.17

19世紀といえば、数々のロシアの文豪たちが立ち、ロシア文学が一躍発展した時代です。その中でも秀でた才能を持ち、世界的な名著を数多く生み出した作家こそが「ドストエフスキー」です。この記事ではそんなドストエフスキー最後の名著「カラマーゾフの兄弟」を簡単に紹介していきます。

カラマーゾフの兄弟とは

「罪と罰」や「白痴」などで知られるロシアの文豪「ドストエフスキー」。帝国時代のロシアで活躍した彼の作品は晩年が迫るに連れて、より洗練されたものになっていきました。そんな彼が生涯最後に残した名著とはどのようなものなのでしょうか?ここからはドストエフスキー最後の名著の詳細や、主な構成などについて解説していきます。

ドストエフスキーの最後にして最高傑作

カラマーゾフの兄弟は1879年から80年にかけて発表された作品です。本作はドストエフスキーが人生の最期に残した長大な小説であり、ドストエフスキーの作品としては「罪と罰」と並び最高傑作との呼び声も高い作品です。

ドストエフスキー自身が作家人生を通じて投げかけた、貧困、罪、神の赦しといった多岐にわたるテーマが凝縮されており、またその完成度とストーリーの技巧性から、国境や時代を超えて高い評価を集め続けています。

日本においても、著名作家である村上春樹氏が「人生における名著」と評価するなど、いまなおその名を轟かせるロシア文学の金字塔と言える作品です。

構成は大長編

カラマーゾフの兄弟は、全体で4部作に分けられる大長編作品です。また作品自体の進行もかなり複雑であり、さらに時系列や視点などが目まぐるしく変わるため、作品全体の流れを把握するには隅々まで読みこむことが必要となります。

さらに本作はその複雑な進行からか把握できないほどのテーマ、展開が含まれているため、読む視点や読む人の価値観によって様々なジャンルに分類することができます。

作品のあらすじ

前述でも触れている通り、カラマーゾフの兄弟は非常に難解かつ複雑な展開が様々な視点で描かれています。それらを全て把握しつつ作品を読み切るには、序盤に登場する主要人物の特徴や人間関係を覚えることが重要です。そこでここからは参考までに、カラマーゾフの兄弟の大まかなあらすじを紹介していきます。

三兄弟を軸に展開される複雑なテーマ

カラマーゾフの兄弟の始まりは、兄弟の父親と長男の不和についてから始まります。父親であるフョードルは強欲な地主であり、長男のドミートリイと女性を巡って不仲となっています。

そんな中、一度話し合いのためにドミートリイの弟であるイヴァンとアレクセイが集まります。しかし話し合いの場では結局喧嘩別れとなり、家族それぞれは自身の思惑のため様々な手段をとっていきます。

先述の通り、複雑なテーマが入り交じる大変複雑な小説のため、あえてこれ以上は紹介を避けます。大きな軸としては、三兄弟を取り巻く家族間の不和、そして恋愛関係なども含んだ複雑な人間関係を描く群像劇のようなところがあり、そのうえで信仰・罪・赦し・貧困・国家・社会…といったようなあらゆるテーマが絡み合っていきます。

ドストエフスキーは、「貧しき人々」「罪と罰」「死の家の記録」など、生涯を通じて「貧困」「罪と赦し」「国家」といったテーマを追求してきた作家でもありました。こうしたドストエフスキー終生のテーマが凝縮された集大成ともいうべき作品こそが「カラマーゾフの兄弟」であり、本作が最高傑作と呼ばれる所以です。

続きはぜひ、あなた自身の目で確かめてみてください。

続編の存在

世界的名著となったカラマーゾフの兄弟。あまり知られていませんが、本作には続編が存在していました。世界的文豪の大長編シリーズの続編ともなれば、たちまち世界のファンから注目を集めることとなるでしょう。

しかしカラマーゾフの兄弟は前述で触れている通り、ドストエフスキー最後の作品となっています。果たして続編とはどのようなものなのでしょうか?ここからはそんなカラマーゾフの兄弟の続編について解説していきます。

続編は絶筆。舞台は13年後

カラマーゾフの兄弟の続編は、本編終了後から13年後を描いたものとされていました。この情報は本編の前書きに記されており、カラマーゾフの兄弟は2部構成の第1作という位置付けとなっています。しかし続編の存在を裏付ける資料は残っておらず、当時作者が記した手紙などにそれらの構想について記述があるのみとなっています。

惜しむべき絶筆

ドストエフスキーが倒れたのは、カラマーゾフの兄弟の続編を書く旨を伝える手紙を書いた3日後でした。その後病状は回復することなく、ドストエフスキーはこの世をさります。もしも彼がもう少し長く生きていたならば、カラマーゾフの兄弟は2部構成の超大作となっていたかもしれません。

ロシア文学の最高傑作

カラマーゾフの兄弟はドストエフスキーが残した最後の名著です。その内容は3人兄弟と不和の父親を中心に展開される、非常に入り組んだ物語となってます。伝説的なロシアの文豪最後の作品に興味がある方は、この記事を参考にしつつ19世紀最高峰の筆致を感性が赴くままに読み取ってみてください。

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