釣りに使用する錘(おもり)を自作する方法。必要な材料や作り方を解説

2019.10.15

釣りに使う錘は自作できることをご存知でしょうか?錘を作るのに適した金属の種類や、必要な道具を紹介するので自分好みの錘を作ってみましょう。鉛などの金属を扱うときの作業上の注意点や作り方を、細かく紹介します。

釣り用錘の自作方法

釣り用錘(おもり)を自作すれば、より自分の理想に近い仕掛けを用意することができるかもしれません。またコストパフォーマンスの面でも、釣りを頻繁に行う人にとっては有効な手段と言えるでしょう。

代表的な自作の方法から紹介するので、まずは参考にしてみてください。

市販の型を使う

釣り用の錘を自作するための型が販売されているので、初めての人は使用すると良いでしょう。

市販の型をベースに自分好みに加工することも可能です。またセット売りで格安に提供しているものや、号(大きさ)を指定して購入できるサービスなど、種類も豊富です。

こだわり派は型もオーダー?

より釣り用の錘にこだわる人の中には、自分の理想の錘を特注する人もいます。

例えば、釣り錘の加工をしているオオタ精密では、一点物の試作品の作成をオーダーできます。小ロッドの精密部品加工も取り扱っている会社なので、専門の技術でこだわりの釣り用錘を作れるのです。

オーダーする内容によって金額は変わりますが、自分の理想に近い釣り用錘を求めて特注する人は少なくありません。

錘の成分を知る

では、錘はどのような素材を使って作られているのでしょうか。釣り用錘に使われている代表的な素材の特徴をチェックしてみましょう。

安価な鉛はデメリットも

他と比べても安価で手に入る『鉛(なまり)』は、その加工のしやすさに加えて、釣りの錘にちょうど良い重さと密度の素材です。スポーツ用品やバランスウエイトなど釣り以外の分野でも活用されており、比較的生活に密接な素材と言えるでしょう。

ただし、鉛は経口摂取・細胞膜摂取することで中毒症状を引き起こす危険があります。蓄積性が高く、体内に吸収されると9割以上は骨に沈着し『排出するまで5年かかる』ことから『健康被害』を起こす可能性があるのです。

他にも、鉛は酸性雨によって溶け出すと土壌を汚染します。土壌に溶け出した鉛は河川や海へ影響を及ぼして魚などの生態系に悪影響を与えることもわかっており、便利な分だけデメリットも多い素材です。

環境にやさしい亜鉛など

釣り用錘に使われる素材の1つに『亜鉛(あえん)』があります。鉛のように溶け出して環境に与える影響が少ないのが特徴です。鉛と比べると比重は軽いですが、スマートな形状で作られたものが多く『飛距離』が出ます。

他にも、タングステンと呼ばれる『鉛よりも比重が重い』希少な合金を使った錘もあります。同じ号数の鉛の錘と比べて小さくても比重が確保できるため、空気抵抗を減らして驚異的な飛距離を出せるのが特徴です。

タングステンも鉛と比べると環境への負荷が小さく、硬度が高いため傷つきにくく長く愛用できます。

手に入りやすいスズや真鍮

ホビーや補修などに使われるスズや比較的入手しやすい真鍮を使った釣り用錘もあります。スズは加工前の素材の状態で用意できるので、自分好みの錘を作るときに役立ち、真鍮は低価格でコスパが良いのが特徴です。

どちらも鉛よりも環境への影響が少ないですが、鉛よりも比重が軽いので重さを求める人には物足りない点は覚えておきましょう。

錘の自作に必要な道具

次は、錘を自作するときに必要な道具をチェックしてみましょう。専用の道具や注意点はありますが、古い錘の再利用にも役立ちます。

鍋とコンロ、もしくはリードメルター

錘を好きな形に整えるためにも1度溶かす必要があります。最も簡単に揃えるなら、鍋とコンロが手軽に用意できます。鍋は厚手の物を、コンロは野外用ガソリンコンロなどの火力が強いものを用意しましょう。

鉛などの素材を溶かすために作られた『リードメルター』であれば、より安全に溶かせます。シンプルな構造ですが、専用に作られているため『温度調節』が手軽で『鋳型(錘などの形を作る型のこと)』への流し込みも楽なのでおすすめです。

もう1つ用意しておきたいのが、錘の形を作るための鋳型です。自分好みの鋳型や、作りたい鋳型を準備しておきましょう。古い錘を溶かすとアクやゴミがでるので、浅いザルおたまを用意して捨てると、より純度を高められます。

下記に型を購入できるサイトと、リードメルターを紹介しますので参考にしてください。

手作り(オモリの型等) | HOUMURA Web ショップ

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金属材料

手軽に用意できる金属素材は、鉛・亜鉛・スズ・真鍮・銅です。リサイクル屋から購入する方法や、できあがっている錘を溶かして使うこともできます。

今までに溜め込んでいた古い錘を再利用して新しい錘に作り直せるので、使っていない錘を融解して使うのもおすすめです。ただし、不純物が混じっていることがあるので、できる限り融解の時点で除去しておきましょう。

タングステンも用意しようと思えば可能ですが、1kgあたり3000円程度する高価な素材なのであまり使われていません。金属が変われば融点も変わるので、専門の技術がなく自信がないときはやめておきましょう。

手袋やマスクで安全に考慮

金属素材を扱うので『手袋やマスク』で安全に考慮して作業しましょう。金属素材の中でも鉛は、経口摂取や吸引摂取によって健康被害を起こします。皮膚からの直接吸収はほとんどありませんが、手に触れたら十分な手洗いは必須です。

保護手袋、保護メガネ、作業服・帽子、防塵マスクまで用意できれば、より安全度は高まります。また、廃棄する材料の適正処理や飲食前の手洗い、作業服と他の服を区別して洗うなど安全への考慮を徹底しましょう。

以下は作業用マスクの一例です。参考にしてみてください。

  • 商品名:3M 防毒マスク 有機溶剤作業用マスクセット 1200/3301J-55
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錘の作り方手順

では、実際に錘を作る手順をチェックしてみましょう。使う金属素材で融点の違いや、型に流し込む温度には十分注意してください。

金属を溶かす

まずは、用意した鍋とコンロ、またはリードメルターで金属を溶かします。使う金属素材で融点が違うため下記を参考にしてください。

  • 鉛・・・328℃
  • スズ・・・232℃
  • 亜鉛・・・419℃
  • 真鍮・・・一般的には800℃前後(亜鉛と銅の合金のため、混合比により融点が変化)
  • 銅・・・1083℃

スズは鉛よりも溶けやすく、銅はかなりの高温でなければ溶けません。金属によって違いますが『高温になりすぎると蒸発』するので吸引摂取の危険があります。スズは溶け出す温度よりも蒸発の温度が低いため、より注意して扱うようにしましょう。

それぞれを適切な温度で溶かしたら、次は溶かした金属を型に流し込んでいきます。

型に流し込む

自分好みの型を用意したら型に金属を流し込んで形を作っていきます。型に満杯になるまで一気に注ぐのが大切です。2回以上に分けると継ぎ足しの間に冷えてしまって一体化しない可能性があります。

大きい鍋から注ぐと力が必要なので、大きめの柄杓や小さめの鍋で一気に注ぐと比較的簡単です。

ここで注意したいのが、注ぎ込む金属の温度です。あまりにも金属の温度が高すぎると型が変形してしまいます。型が変形してしまうと使えなくなるので、煙が出るほど熱しすぎた金属は注がないのが大切です。

注いだ金属は、だいたい10秒前後すれば型から錘を取り出せます。ただし、型から取り出しても金属は高熱なので手で持たないようにしましょう。

錘専用の型であれば『針金フック』部分まで用意されているものが一般的です。もし針金フックの部分がないというのであれば、型に事前に付けておきましょう。

錘の自作は知識と技術が必要

錘の自作は金属を扱う知識と技術が必要です。気軽に作れるものではありませんが、こだわりを詰め込んだ錘で釣りをしたいという人は試してみてはいかがでしょうか。

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