星新一の世界に浸る。昭和の文豪が残したおすすめ作品集を紹介

2019.10.14

わずか数ページの中で完璧な世界を作り上げる「ショートショート」。読み飽きず、疲れずな作風は初心者にとっても玄人にとっても親しみやすい独特な完成度を誇っています。そんなショートショート作品を日本で普及させたことから「ショートショートの神様」と呼ばれているのが作家「星新一」です。この記事ではそんな星新一が残した数々の名著から特におすすめなものをピックアップして紹介していきます。

ショートショートの作品集

星新一が普及させ、最も得意としていたショートショート。ジャンルとしてはニッチでありながらも、その斬新な構成で大衆はおろか名だたる文豪からも人気を集めていました。そんな星新一のショートショート作品群は、主に作品集としてまとめられて出版されています。ここからはその中から特におすすめな作品集を紹介していきます。

ボッコちゃん

ボッコちゃんは星新一が活動を開始して10年ほどが経過した頃に発表された作品です。そのストーリーはアンドロイドが人に紛れて生活する近未来において、バーテンダーの「ボッコちゃん」に恋をしてしまった男の結末を描いています。同名の作品集には他作品集のタイトルにもなった作品が数多く収録されており、星新一の作品集の中で最も有名な1冊となっています。

きまぐれロボット

きまぐれロボットは1966年に発表されたショートショート作品です。なんでもこなす家事ロボットを買ったものの、時折大暴れする欠点を持つ「きまぐれロボット」のエピソードの他、様々なロボット系ショートショートを収録しています。なお本作は星作品の中でも子供向けに製作されてものとされていますが、その高い完成度と作者の知名度によって幅広い層から人気を集めています。

おーいでてこーい

おーいでてこーいは同名の作品および、膨大な星作品から選りすぐりの名作を収録した作品集です。とある村の神社跡で発見された底なしの穴に人々が次から次へと不要なもの、都合の悪いもの、危険なものを投げ込んでいきますが、ラストで衝撃かつ恐怖の結末を迎えることとなるストーリーはまさに傑作です。そのほかにも星新一らしい作品が多く収録されているため、入門書としておすすめの一冊となっています。

星新一の長編作品

空飛ぶ円盤などに興味を持ち、大のSF通であった星新一。彼はショートショートの世界のみならず、本格的な長編小説作品にも挑戦していました。作品数は少ないものの、ショートショートで培われた斬新かつ入り込みやすい世界観は、読んでいて飽きない不思議な魅力がいっぱいです。ここからはそんな星新一による長編作品を紹介していきます。

気まぐれ指数

気まぐれ指数は1962年に発表された星新一の長編作品です。びっくり箱を作りと犯罪批評を得意とする主人公が、持ち前のアイデアで完全犯罪を目論みます。しかしそこへ様々な登場人物が登場し、群像劇的に進行しながら計画が思わぬ方向へと進んでいく様を描いています。登場人物などは多めながらも、星新一らしい簡潔な文体でわかりやすく紡がれる展開が魅力となっています。

星新一の時代小説

星新一はショートショート、長編に加えて時代小説も手がけていました。ジャンルは大きく変わりつつも持ち前の構成能力、独特な世界観などが落とし込まれており、一風変わりながらも読みやすい名作が揃っています。ここからはそんな星新一の時代小説作品を紹介していきます。

城のなかの人

城のなかの人は同名の短編と数編のエピソードを収録した作品集です。城のなかの人とは「豊臣秀頼」を指す言葉であり、徳川家によって滅亡していく豊臣氏の姿を秀頼視点で描いています。そのほかの作品では時代にとらわれず戦国もの、江戸もの、幕末ものなど幅広いジャンルを網羅しています。硬派なイメージとはかけ離れたネオ時代小説とも呼ぶべき一冊です。

星新一の魅力はどこにある?

星新一はショートショートによって大成し、1つのジャンルとして定着させることで名声を築き上げました。その文才はショートショートに止まらず、長編、時代小説と様々なジャンルにも通用するものです。この機会にあらためて星作品の世界に触れてみてはいかがでしょうか?

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