聞いたことあるかも?クラシック音楽の隠れ名曲を知ろう。

2019.10.14

年末になればベートーヴェンの第九を聴き、ピアノ曲といえばショパンの『ポロネーズ』。いずれも聴き飽きることのない名曲ですが、それら王道の楽曲を聴きなれたら、クラシックの奥深い世界にもう一歩踏み込んでみませんか?この記事では、「どこかで聴いたことのあるけれど、曲名や作曲家の名前が出てこない」そんな隠れた名曲をご紹介します。

ピアノ曲の隠れ名曲

よく知られたピアノ曲にはモーツァルトの「きらきら星」や、ベートーヴェンの「エリーゼのために」などがあります。ここでは、曲名は知らなくとも、発表会やコンサートなどで耳にする機会の多い隠れた名ピアノ曲をご紹介します。

フランツ・ペーター・シューベルト『楽興の時』

31年の短い生涯に1000曲以上の作品を残したシューベルトは、歌曲を芸術的な位置に高めたとされ、その代表作にも『野ばら』など歌曲が挙げられるのが常となっています。

そんなシューベルトは、ピアノ曲の小品にも優れた作品を残しています。6つの曲で構成された『楽興の時』の中でも第3番は、子どものピアノの発表会などでも良く演奏され、黒澤明監督の『素晴らしき日曜日』(1947年)のオープニングにも使用されるなど、耳にする機会も多い名曲です。

軽快なリズムながらどこかもの悲しいメロディが短命の作曲家の人生を想起させます。

フランツ・リスト『ハンガリー狂詩曲』

リストは、当時ハンガリー領であったライディングという街の出身。

彼の『ハンガリー狂詩曲』は、「ピアノの魔術師」としてヨーロッパ中にその名を轟かせた名手ならではの難解なピアノ曲です。全19曲のうち特に第2番がよく知られ、ピアニストがコンサートで披露する機会も多い作品となっています。

「狂詩曲(ラプソディー)」は、自由な形式の器楽曲を意味し、民族的あるいは叙事的な性格を持つ傾向にあります。不規則なリズムでゆっくりと悲しげなメロディを奏でる「ラッサン」と速いテンポで情熱的に流れる「フリスカ」の2種類の舞曲で形成されています。

オペラの隠れ名曲

19世紀に最盛期を迎えたオペラのなかにも、聴いたことはあるけれど筋や作曲家は知らない、という隠れ名曲があります。ここでは、CMなどでもよく使われる馴染み深いオペラ曲をご紹介します。

ジュゼッペ・ヴェルディ『椿姫』より『乾杯の歌』

お酒のCMなどで使われるため聴いたことのある人も多いであろうこの曲は、ヴェルディのオペラ『椿姫』の第1幕で、高級娼婦のヴィオレッタの華やかなサロンで、彼女に恋する純情青年アルフレードが歌い上げる一曲です。

曲の最後はサロンの参加者による大合唱へと盛り上がっていきます。物語序盤の同曲の陽気さとは裏腹に、物語は悲劇の純愛メロドラマへと展開していきます。

ジャコモ・プッチーニ『蝶々夫人』より『ある晴れた日に』

Un bel dì, vedremo…(ある晴れた日に…)」で始まる甘く切ないメロディは、おそらく誰もが耳にしたことのある名曲ですが、実は、アメリカ軍人である夫の帰りを待つ日本人女性の心の内を歌ったものでした。

『マノン・レスコー』や『トスカ』など薄幸のヒロインを主人公に据えたオペラを得意としたプッチーニの作品らしく、蝶々夫人も不遇の死を遂げてしまいます。プッチーニは見知らぬ国・日本を描くため熱心に取材をし、劇中には『さくらさくら』や『君が代』など日本の歌のメロディも取り入れられています。

隠れ名作曲家の代表作

クラシックの名曲は何も有名な作曲家によるものばかりではありません。ここでは、作曲家の名前はそれほど知られていないものの、きっと聴いたことのある隠れ名曲をご紹介します。

ヨシフ・イヴァノヴィッチ『ドナウ河のさざ波』

イヴァノヴィッチは、ルーマニアの軍楽隊長を務めながら、行進曲やファンファーレを数多く作曲しましたが、この『ドナウ河のさざ波』以外に知られている曲はほとんどありません。

哀愁を帯びたメロディのワルツから始まり、ドナウ河の流れに沿うように展開していくこの曲は、かつて流行したクラシックのレコードを聴くための喫茶店「名曲喫茶」でよく演奏されていた曲だそうです。

ホアキン・ロドリーゴ『アランフェス協奏曲』

世界自然遺産にも登録されたスペイン中部の街アランフェスに思いを馳せて書かれた曲です。3楽章からなる協奏曲で、ギターによるソロがスペインの明るい太陽と乾いた大地を想起させます。

最も有名なのが、オーボエによる深々とした独奏から始まる第2楽章で、ジャズ奏者のマイルス・デイヴィスやチック・コリアなども編曲して演奏しています。作曲家のロドリーゴは3歳のときに失明しており、アランフェスの街並みを見たことはなかったそうです。

あなただけの隠れ名曲を探して

ここまで、どこかでそのメロディを聴いたことがある、クラシックの隠れた名曲をジャンルごとにご紹介しました。この6曲は長いクラシックの歴史の中ではほんの一部。作曲家ごと、ジャンルごと、国や時代ごとなど、気になる切り口から聴き比べて、あなただけの隠れ名曲を見つけてみてください。

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