スピーカー選びに必要な知識。WAY数やサラウンドの違いを知ろう

2019.10.13

スピーカーの商品情報には『WAY』や『サラウンド』といった専門用語が並びます。そもそもスピーカーとは何なのかというところから、音とスピーカーの関わりについて学びましょう。おすすめ商品と、スピーカーの設置方法についても解説します。

スピーカー構造の基本を知ろう

「いい音」の定義は十人十色で、数千円台から数千万円台まで無数に存在するスピーカーの中から、お気に入りの逸品を探し出すのはなかなか骨が折れるものです。

自分に合った高品質なスピーカーを探し出すために、スピーカーはどうやって音を鳴らしているのか、という点からみていきましょう。

スピーカーは音の出口

『スピーカー』は音楽プレイヤーから出力される音声信号を、AVアンプで増幅して出力する、音の出口です。

デジタルデータとして記録されている音声情報は、オーディオケーブルや、Wi-FiやBluetoothといった電波を介して、『電気信号』として機器間を伝わります。

スピーカーで受け取った音声情報は、後述するスピーカーユニットによって電気信号から『空気振動』に変換され、空気中を伝播して耳に届くのです。

人間は空気振動のパターンを音として認識します。このパターンは音波と呼ばれ、低音域側では低周波、高音域側では高周波となります。人間が聴き取れる周波数帯域を意味する『可聴域』は20〜20kHzほどです。

 スピーカーから音が出る仕組みは?

スピーカーは、音を出す実体の『スピーカーユニット』が、『エンクロージャー』(筐体・きょうたい)の中に収められた構造になっています。

スタンダードなスピーカーユニットの内部は、紙やプラスチックの筒にコイルを巻きつけた『ボイスコイル』を、ドーナツ型の『マグネット』で覆う構造です。

電流を受け取るとマグネットの間をボイスコイルが揺れ、この揺れが直結された『振動板』を震わせることで音波が作られます。

スピーカー全体の構造でいえば、エンクロージャーから振動板だけが露出している、密閉型のスピーカーが一般的です。

エンクロージャー内で反射した、低音域の音波を出すための穴(バスレフポート)が開いているものは、バスレフ型と呼びます。

スピーカーユニットの種類

音を作る仕組みはさまざまで、振動板の形や素材によっても高音域再生向きか低音域再生向きかといった違いが生じます。

上述のスタンダードなスピーカーユニットは『ダイナミック型』と呼ばれ、その中でも、振動板がくぼんだ円錐状の『コーン型』と、ふくらんだ半球形の『ドーム型』が主流です。採用率の高い4種類を以下に挙げます。

  • コーン型 : くぼみの深さで再生音域が変わり、用途によってさまざまな形状がある
  • ドーム型 : 指向性(音の広がり)が広い。振動板の面積が狭く軽いため高音域再生向き
  • ホーン型 : 振動板の先の筒で音波を増幅させる。音の再生能率が高い
  • リボン型 : ボイスコイルをリボンと呼ばれる金属に置き換えたタイプ。超高音域再生向き

スピーカーのWAYとは?

スピーカーを探していて「WAYって何?」と思ったことはないでしょうか。WAYとは、1本のスピーカーに使われるスピーカーユニットが何種類かを表します。2種類のユニットなら2WAY、3種類なら3WAYという具合です。

なお、スピーカーの構成を『スピーカーシステム』と呼びます。3WAYまでの、一般的なスピーカーシステムの特徴をみてみましょう。

一つにまとまったフルレンジスピーカー

『フルレンジスピーカー』は一つのスピーカーユニット(フルレンジユニット)で全音域を再生させます。中音域再生には強いものの、高音域・低音域の再現性が低くなりがちです。

利点は『点音源』であることで、ユニットを複数配置するスピーカーでは得られない、全音域でタイムラグがない音像定位のハッキリした音を楽しめます。

最近では、高品質なマグネットや振動板を採用した、超高音域を再生し、低音域の再生も強化した、ハイレゾ音源対応のフルレンジユニットも珍しくありません。

なお、スピーカーユニットを1種類だけ使ったスピーカーであることから1WAYスピーカーとも呼ばれます。

ツイーターとウーファーの2WAY

音域を2分割して、2種類のスピーカーユニットで再生するのが『2WAYスピーカー』です。一般的な構成では、高音域再生用の『ツイーター』と、低音域再生用の『ウーファー』の2WAYとなります。

フルレンジスピーカーより簡単に全音域を再生できることがメリットですが、音像定位の乱れやタイムラグが生じやすい点がデメリットです。

2WAY以上の構成のスピーカーを『マルチウェイスピーカー』と呼び、それぞれのユニットの再生周波数の境界はクロスオーバー周波数といいます。

ユニット同士の再生周波数が被らないように、電子回路や電子機器で制御するのが普通です。この電子制御の性能は、再生能力の高さや価格を左右します。

さらに中音域が足された3WAY

音域を3分割して、3種類のスピーカーユニットで再生するのが『3WAYスピーカー』です。一般的な構成では、ツイーター・ウーファーと中音域再生用の『スコーカー』の3WAYとなります。

3WAYはそれぞれのスピーカーユニットの特性に適した音域を再生するため、全音域の自然な再生が可能です。

ただし、2WAYよりさらに音像定位やタイムラグの問題が発生しやすく、各ユニットの再生周波数帯域を電子制御する『クロスオーバー・ネットワーク』(パッシブネットワーク)の性能次第ではボヤけた音になります。

なお、ツイーターやウーファーが2個で、3種類4個のスピーカーユニットが使われる場合は『3WAY4』のスピーカーシステムです。

スピーカーのサラウンドとは?

サウンドという言葉は音を指しますが、『サラウンド』とは一体何を意味するのでしょうか?スピーカーシステムの次は、『ホームシアターシステム』についてみていきましょう。

ステレオと2.1ch

『ステレオ』は左右一対のスピーカーで得られる2.0chのサウンドシステムです。重低音再生用の『サブウーファー』は0.1chと数え、これをステレオに加えたシステムを2.1chと呼びます。

2.1chは『サラウンド』の最小構成です。サラウンドは英語でSurroundと書き、語義は「取り囲まれること」で、スピーカーでは「音に包まれるような立体的な音響効果」を指します。

ホームシアターシステムを導入するには、複数のスピーカーを立てるための設置スペースが必要です。2.1chか、さらにセンタースピーカーを1本追加した3.1chなら、室内空間を圧迫せず、比較的容易に設置できます。

ホームシアターに使える5.1ch

DVDやBDの5.1chサラウンドをリアルに再生するなら、5.1chホームシアターシステムが最適です。

5.1chはフロント2本・リア2本・センター1本・サブウーファー1本という構成で、映画製作において5.1chに収録された音声を、映画館のような臨場感で再生できます。

5.1chサラウンドに対応したソフトは、ドルビーデジタル方式と、さらに高音質のDTS方式の2種類です。

一般的なDVDプレイヤーはドルビーデジタルに標準対応していますが、DTS方式のソフトを楽しむなら、DTS対応のプレイヤー・AVアンプが必要となります。

さらに立体的な7.1chや9.1ch

7.1ch以上の音声を収録する『ドルビーアトモス』や『DTS:X』に対応したDVD・BDソフトを楽しむなら、7.1chや9.1chといった構成も視野に入ります。

これらは5.1chにフロントかリアを2本、さらにサイドに2本を追加する構成です。ここまでのホームシアターシステムになると、遮蔽物のない特別なリスニングルームを構築できる人向きといえます。

上下方向の立体感を求めなら『オーバーヘッドスピーカー』(天井スピーカー)の設置も考えてみましょう。オーバーヘッドスピーカーが2本なら7.1.2ch、4本なら7.1.4chという表記になります。

スピーカーを選ぶときのポイント

スピーカー選びでは、自分が求めるシステム構成の他にもみるべきポイントがあります。音質や音楽体験を左右する、スピーカーの性質をみていきましょう。

サイズや形状から選ぶ

スピーカーは、基本的にエンクロージャーが大きいほど低音域再生に優れます。これは、大きなドラムほど太く豊かに響くことと同様の原理です。

スピーカーの形状はさまざまですが、現在主流の床置きできるタイプのものを3種紹介します。

  • ブックシェルフ型 : 本棚にも置ける小型タイプ。軽く小さいため棚上など高い位置に置ける。エンクロージャーが小さいため低音域は弱い
  • フロア型 : 床置き前提の大型タイプ。重く大きいため設置場所が限られる。エンクロージャーが大きいため低音域再生に優れる
  • トールボーイ型 : 床置き前提の縦長タイプ。設置面積が小さく、室内空間を圧迫しない。ユニットが縦に並ぶため、音の再現性と定位表現に欠ける

ハイレゾ対応など音質にこだわろう

『ハイレゾ』はHigh Resolution(高解像度)の略語で、スタジオ録音のマスター音源に限りなく近い音が楽しめるのが『ハイレゾ音源』です。

CDには規格上22kHz以上の高音域が記録できませんが、ハイレゾ音源の高周波上限は48kHzです。『Hi-Res AUDIO』ロゴを表記するには、ハイレゾの基準を満たす40kHzの再生に対応することが義務付けられています。

40kHzは人間の可聴域を大きく超える高周波音(超音波)ですが、楽器の演奏音や自然音には超音波が含まれることは稀ではありません。

この超音波が人体に及ぼす影響を研究する『ハイパーソニック・エフェクト』理論では、ハイレゾ音源がもたらすさまざまな好影響が示されています。

素材もチェック

スピーカーユニットから出力された音は内側にも響き、エンクロージャーは振動板としても作用します。エンクロージャーの素材によって音の重さや硬質さなどが変わるため、素材選びも重要です。

プラスチック製のものはBGMのような音になりやすく、金属製のものは硬質な音になります。価格も音質もほどほどなMDFなどの合板材がベーシックな素材ですが、音質にこだわるなら無垢材の単板がおすすめです。

ただし、何をいい音と感じるかは人それぞれで、再生する音源のジャンルによっても最適な素材は異なります。インテリアとの調和性も意識しつつ、家電量販店やオーディオ専門店で試聴してみるのがよいでしょう。

スピーカーの正しい置き方

スピーカーの性能を十分に発揮するには、適切な配置が重要です。「いいスピーカーを買ったはずなのに音がよくない」とガッカリしないためにも、音の聴こえ方を変える方法を知っておきましょう。

全帯域がきれいになる位置を見つける

ステレオスピーカーを壁に対して垂直に置いていませんか?家具と向きを揃えると見栄えはよくても、音像でいえば最適な配置とはいえません。

基本的な配置方法は以下の通りです。

  • 反響音を抑えるために壁から離す
  • 左右のスピーカーを頭の位置に向ける
  • 左右のスピーカーから頭への距離を同一にする
  • 正面から音が聴こえるようにスピーカー間の位置を調整する

音はスピーカーから直接耳に届くだけでなく、壁や家具からの反響音も拾うため、部屋に合わせた調整が重要です。低・中・高音域がバランスよく聴こえる配置を探しましょう。

3WAYやトールボーイ型のスピーカーでは、リスニングポジションが近すぎると音像がボヤけやすくなるため、遠い距離からの調整をおすすめします。

スピーカーの高さを耳に合わせる

スピーカーは横方向だけでなく縦方向にも調整すると音像定位がよりハッキリします。スピーカーユニットを耳の高さに揃えることを意識しましょう。

ドーム型のユニットやウーファーは音が広がりやすいので、無理に調整する必要はありません。2WAY以上のスピーカーシステムならツイーターの高さが重要です。

高音域の音波は直進性が高く、遠距離になると減衰しやすいため、これの聴き取りやすさを基準に微調整できます。中低音域が弱いと感じたら、ウーファーやスコーカーを耳の高さに揃えましょう。

インシュレーターで振動を抑える

『インシュレーター』とは絶縁体のことで、スピーカーにおいては振動制御のための防音材を指します。

スピーカーを直置きすると、エンクロージャーの響きが床面に伝播するため、こもった音になりがちです。また、エンクロージャーは音楽再生中に揺れ、特に大音量での再生時には音の歪みが発生しやすくなります。

ここで、4隅に置かれたインシュレーターの上にスピーカーを乗せると、不要な振動が制御されてクリアな再生音が得られるのです。

人気のスピーカーメーカー

手頃な価格帯で高品質なスピーカーを取り扱う、おすすめ高級オーディオメーカーを3件紹介します。まずはこれらのメーカーの商品をチェックしましょう。

コンサートなどで使われるJBL

『JBL』のスピーカーは、コンサート・映画館・レコーディングスタジオなどプロフェッショナルユースで採用されることが多く、立ち上がりの速い音と音場表現能力の高さを特徴とします。

高級スピーカーユニットの『コンプレッションドライバー』やホーン型ユニットを採用した機種が多いことでも有名です。ラッパ状のツイーターを持つ2WAYスピーカーはJBLの代名詞といえるでしょう。

軽く高効率なツイーターと大型のウーファーで再生する音は、繊細かつダイナミックで、ジャズファンを中心に絶大な人気を誇ります。

日本の人気メーカー オンキヨー

1946年創業の日本の高級オーディオメーカー『オンキヨー』は、ハイレゾ音源対応のアンプ内蔵『パワードスピーカー』を豊富に取り揃えた、時流に合わせた革新的なモノ作りを続けています。

自社開発した振動板や高級素材をふんだんに用いながらも、高級ブランドとしては比較的低価格なスピーカーが多いことも特徴です。

大口径のバスレフポートから響く、どっしりとした重低音に定評があり、ノイズや共振を最小限に抑えるための技術も盛り込まれています。

低音に定評のあるボーズ

響きすぎる低音で有名な『ボーズ』は、MIT(マサチューセッツ工科大学)のアマー・G・ボーズ教授の研究が出発点です。教授が育てたチームが生み出す、数々の先進的なテクノロジーを用いた類をみない製品作りを行っています。

全音域を再生するための必要最低限なサイズとして導き出された『11.5cmフルレンジドライバー』を基礎として、パワフルなブックシェルフ型スピーカーや、小型の360度スピーカーなどの商品が生み出されました。

また、壁面に向けたユニットの反射音をリスナーに効率的に届ける『ダイレクト・リフレクティング』は、最小構成のスピーカーでコンサートホールの臨場感を得られる革新的な技術です。

おすすめのスピーカー

JBL・オンキヨー・ボーズのスピーカーの中から、高品質かつ配置を考えやすい小型のものを紹介します。いずれもそれぞれのメーカーの特徴がよく表れた逸品です。

JBL 4312M II

JBLの『4312MII』は、全ての楽器の音色とスタジオレコーディングの空気感まで忠実に再現する、最高峰のブックシェルフ型3WAYスピーカーです。

不要な箱鳴りを排除する剛性の高いエンクロージャーを採用し、リスナーの好みで高・中・低音域のレベル調整が可能なクロスオーバー・ネットワークを搭載しています。

50kHzの超高音域が再生できるため、ハイレゾ音源対応です。はじめは硬い鳴りですが、エイジングが進むほどに豊かな音を奏でる、長く付き合っていける逸品です。

  • 商品名 : JBL 4312M II WX ジェービーエル スピーカーシステム ペア
  • 価格 : 6万3599円(税込)
  • 楽天 : 商品ページ

オンキヨー D-412EX

オンキヨーの『D-412EX』は、抜群の高音域再現性と、鳴りすぎるほどに鳴る中低音域が特徴的な2WAYブックシェルフ型スピーカーです。

シルクとアラミド繊維のハイブリッド成型による自社開発の『A-Silk OMF』振動板を採用し、ナチュラルかつ強力な中低音を再生する上、矩形に大きく開いたバスレフポートにより共振と音のこもりを排除しています。

高音域は、チタンコーティングを施したリング状の振動板を持つ『リングツイーター』で再生し、最高100kHzまでの超高音域再生が可能です。

  • 商品名 : ONKYO D-412EX スピーカーシステム (2台1組) D-412EX 【国内正規品】
  • 価格 : 8万1373円(税込)
  • Amazon : 商品ページ

ボーズ SoundTouch 30 wireless speaker

ボーズの『SoundTouch 30 wireless speaker』は、Wi-FiとBluetoothに対応した高音質ワイヤレススピーカーです。

Amazon MusicやSpotifyといった音楽ストリーミングサービスをはじめ、インターネットラジオやPC・スマホ上のハイレゾ音源にもワイヤレスでアクセスできます。

本体とリモコンにお気に入りの音楽を6件プリセット登録でき、ワンタッチ再生できるのも魅力です。

小型のボディから流れる豊かな中・高音と、ボーズらしい迫力の重低音を、有線接続では真似できない快適なリスニングスタイルで楽しんでみてはいかがでしょうか。

  • 商品名 : Bose Bluetoothスピーカー SoundTouch 30 Series III wireless music system
  • 価格 : 6万2000円(税込)
  • 楽天 : 商品ページ

高品質なスピーカーで大迫力な音を

よりよいリスニング体験を求めるなら、スピーカーユニットやエンクロージャーを極限まで作り込んだ、高品質なスピーカーがおすすめです。

高級オーディオブランドのスピーカーは、小型でも音の再現性が非常に高く、臨場感溢れる音を楽しめます。低品質なスピーカーを何度も買い換えるより、長く付き合っていけるお気に入りの逸品を手に入れましょう。

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