ジン・フィズはバーテンダーの腕が試されるカクテル。その理由とは

2019.10.13

昭和50年代後半から始まったカフェバーブームの頃、定番カクテルとして人気を博したのがジン・フィズでした。今ではジン・トニックの陰に隠れた印象もありますが、「1杯目に注文されると気が抜けない」とバーテンダーに言わしめるのがジン・フィズです。

カクテル作りの技が集約されるジン・フィズ

ドライジン、レモンジュース、砂糖、炭酸水で作られるジン・フィズは、爽やかな飲み口が特徴の中辛口のカクテルです。プロの間では、「ジン・フィズの作り方を見ればバーテンダーの腕前が分かる」と言われており、カクテル作りの技量を測る試金石とされています。

それはなぜか。手早くリズミカルにシェイカーを振る技術や、炭酸が抜けないようバースプーンで手際よくステアする(混ぜる)技術など、カクテルを作る上で欠かせない技術が集約されているからです。

加えて、材料がシンプルであるが故にごまかしがきかない。その上、飲み手の好みや様子に合わせて砂糖の分量を微妙に加減するなど、バーテンダーとしての観察力・総合力が問われる側面もあります。

その他にも、炭酸水の量や氷の大きさなど気配りすべきポイントは多く、こうした点が「難しいカクテル」と言われる理由になっています。

レモンスカッシュとジンの組み合わせがジン・フィズの原型

ジン・フィズは、ニューオーリンズの「インペリアル・キャビネット・サロン」のオーナーであるヘンリー・ラモスが、1888年に初めて考案したとされています。今のレシピとは違い、レモンスカッシュにジンを加えたカクテルを、ジン・フィズという名で販売していました。

「フィズ(fizz)」とは、元々炭酸水の泡が弾ける「シューッ」という音を表す擬音語ですが、カクテル用語としては、スピリッツ(蒸留酒)やリキュールにレモンジュースと砂糖を加え、シェイクしてグラスに注いで最後に炭酸水を加えるスタイルを指します。

ジン・フィズの他にも、ウイスキー・フィズ、ブランデー・フィズ、バイオレット・フィズ、アプリコット・フィズ、カカオ・フィズなど様々なフィズがありますので、飲み比べてみるのも一興ですね。

自分好みの分量で。ジン・フィズの作り方

それでは、標準的なレシピによるジン・フィズの作り方をご紹介します。道具としてはシェイカーが必要となりますが、プロ用の金属製シェイカーがご家庭になければ、百均等で購入できる樹脂製のシェイカーでも構いません。

材料※1人前

  • ドライジン:45ml
  • レモンジュース:15〜20ml
  • 砂糖:2ティースプーン
  • 炭酸水:適量
  • スライスしたレモン
  • 氷:適量

作り方

  1. シェイカーにドライジン、レモンジュース、砂糖、氷を入れて40回程シェイクする
  2. 氷を入れたグラスに①を入れ、炭酸水を加えて軽くステアし、最後にレモンスライスを飾ればできあがり。ステアする際は、炭酸が抜けないよう軽く1〜2度混ぜる程度にしてください。

アレンジレシピ〜「トム・コリンズ」

ジン・フィズと同じ材料と作り方のまま、ドライジンの量を60mlに増やせば、19世紀末のロンドンで生まれた「トム・コリンズ」という名前のカクテルになります。

バーでは背が高く細長いコリンズ・グラスで提供され、レモンと一緒にマラスキーノ・チェリー(サクランボの砂糖漬け)が飾りとして添えられます。

シンプルだからこそ奥深いジン・フィズの世界

プロのバーテンダーにはちょっとした緊張感をもたらすジン・フィズですが、基本の作り方がシンプルな分、ご家庭で楽しむ素人にとっては、気軽に楽しめるカクテルでもあります。

ジンの種類を変えたり、砂糖やレモンジュースの量を加減するだけでも味わいが変わる奥深さがあるので、ぜひ自分好みのレシピを見つけてください。

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