シェイクスピアの四大悲劇を簡単におさらい。あらすじから特徴まで。

2019.10.13

エリザベス朝時代に活躍した世界的戯曲作家シェイクスピアの悲劇のうち、なかでも完成度の高い4作品が四大悲劇と呼ばれています。この記事では、四大悲劇の位置付けとあらすじ、そして特徴を、簡単にご説明します。

シェイクスピア四大悲劇の位置付け

シェイクスピア作とされる37の戯曲のうち悲劇と呼ばれる作品は11作品あり、そのうち、1600年~1606年頃に制作された『ハムレット』、『オセロー』、『リア王』、『マクベス』が四大悲劇とされています。1904年に出版された一大悲劇論である『シェイクスピアの悲劇』において、A.C.ブラッドリーが、シェイクスピア的純粋悲劇であると論じたのがこの4篇でした。最も長大でダイナミックとされるのが『リア王』、最も短く簡潔なのが『マクベス』です。いずれの悲劇も人生についての深い洞察に満ちた作品となっています

シェイクスピア四大悲劇のあらすじ

ここでは、シェイクスピアの四大悲劇のあらすじを、制作された年代順にご紹介します。

『ハムレット』Hamlet 16001601

デンマーク王であった父の仇討ちを果たすため、叔父である現王クローディウスへの復讐を誓うハムレットは、狂気を演じながら機会を狙います。ハムレットの乱心を娘オフィーリアへの恋心ゆえと誤解していた宰相のポローニアスは、王と誤ってハムレットに殺害されてしまいます。それを知ったオフィーリアは狂気に陥り、その兄レアティーズはハムレットへの復讐心を燃えたぎらせます。墓場での決闘に赴いたハムレットは、レアティーズを打ち倒し、立ち会ったクローディウスの殺害にも成功しつつ、自身も毒の刃に倒れるのでした。

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『オセロー』Othello 16031604

ヴェニスの将軍でムーア人のオセローは、デズデモーナと愛し合い、その父ブラバンショーの反対を押し切って結婚します。一方、旗手のイアーゴは、自分より新参のキャシオを昇進させたオセローに恨みを抱き、デズデモーナに惚れていたロドリーゴと結託。デズデモーナとキャシオが密通しているとオセローに信じ込ませようと企みます。イアーゴの奸計によって激しい嫉妬に駆られたオセローは、深く愛したデズデモーナを手にかけ、自らも命を絶ちます。

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『リア王』King Lear 16051606

引退を前にしたリア王は、父への愛を言葉巧みに語る長女と次女に領土を分け与え、言葉を尽くせなかった末娘コーディリアを勘当します。一方、グロスター伯の息子エドマンドは、父を騙して異母兄エドガーを追放します。次第に長女と次女に邪険にされるようになったリア王は、やがて荒野へと放り出されてしまいます。その王を保護しようとしたグロスター伯もエドマンドの計略によって失明させられたまま野に追われ、「トム」に扮した息子エドガーに出会います。追放されたコーディリアはフランス女王として軍を率いてイギリスに戻りリア王と再会しますが、戦いに敗れ、ともに捕虜となります。エドガーの救出も間に合わず、コーディリアは絞首刑となり、リア王は嘆き悲しみながら絶命します。

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『マクベス』Macbeth 1606

いずれ王になると魔女に予言されたマクベスは、マクベス夫人に勇気付けられつつ、自らダンカン王を殺害して王座に着きます。次いでマクベスは、魔女から「子孫が王になる」と予言されたバンクォーを手にかけますが、息子フリーアンスは辛くも逃亡。次第に不安に陥っていったマクベスは、有力貴族のマクダフ暗殺を仕掛け、その家族を惨殺しました。マクダフはダンカン王の息子で亡命中だったマルカム王子とともに打倒マクベスに立ち上がります。マクベス夫人は良心の呵責から夢遊病に冒されて亡くなり、最後には、果敢に応戦したマクベスもマクダフの手にかかって倒れ、マルコム王子が新王に迎えられるのでした。

シェイクスピア四大悲劇の特徴

シェイクスピアの11篇の悲劇のうち、なぜこの4作品が名作として評価されてきたのでしょうか。また、よく知られた作品である『ロミオとジュリエット』が四大悲劇に含まれなかったのはなぜでしょうか。ここでは、その理由をご紹介します。

ただ主人公が死ぬだけじゃない四大悲劇

四大悲劇を傑作たらしめているのは、主要人物のほとんどが亡くなる不幸な結末だけが理由ではありません。その理由は、これらの作品が、旧来悲劇が持っているとされた教訓的な役割を越えて、ある強い意志を持った主人公が、運命に翻弄され激しい葛藤に苛まれながらも、その意志を貫き通す様を描き出したところにあります。ハムレットは迷いながらも復讐を遂げることを追求し、オセローは深すぎる愛によって嫉妬に陥り、リア王は真実が何かを追い求め、マクベスは悪人であることを突き詰めていきます。そして、そうした意志の力が、死によって賞賛すべきものへと昇華されているのです。

四大悲劇からもれた『ロミオとジュリエット』

敵対し合う家に生まれた男女の恋愛とすれ違いの悲劇を描いた『ロミオとジュリエット』は、シェイクスピアの初期悲劇のうちで最もよく知られた作品でありながら、悲劇論を記したブラッドリーからは「未熟」であると評されています。死に至るほどの純粋な愛を賛美する筋書きは、旧来の悲劇とは一線を画すものでしたが、主要人物の性格の力強さや内面の葛藤の描写は四大悲劇ほど徹底されていません。その点が四大悲劇に選ばれなかった理由かもしれません。

シェイクスピア四大悲劇を英語でも

世界的な古典であるシェイクスピアの四大悲劇を初めて楽しむという方は、英語の勉強を兼ねたテキストがおすすめです。ビジネスや日常会話で使える表現を学びながら、四大悲劇の世界を堪能してみては。

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