吉川英治流のアレンジが光る!名著「三国志」の魅力を解説

2019.10.11

三国志は現代において漫画、ドラマ、アニメ、ゲームなど様々な形でメディアミックスされ、常にエンタメの一大ジャンルとして人気を集め続けています。本来中国の時代小説である本作が日本において普及するきっかけとなったのは、昭和の文豪「吉川英治」の功績と言われています。この記事ではそんな吉川英治による三国志の魅力を徹底的に掘り下げていきます。

三国志とは

日本の歴史的大衆小説家である吉川英治。戦前、戦後と荒れ狂う日本の中で愚直に時代小説を描き続けた彼は、その活動の中で中国に伝わる歴史小説「三国志」に出会いました。その後現代において気軽なエンタメ作品となった三国志はどのような経緯で大衆向け作品へと変貌を遂げたのでしょうか?ここからはそんな三国志の概要とともに出版された時代背景について解説していきます。

日本初の三国志?

吉川英治による三国志は決して日本で初登場したものではありません。少なくとも数百年前に中国で誕生した原作「三国志演義」は、以前より日本語訳されて流通していました。吉川自身もそれらの作品に触れたことがきっかけで本作を描くこととなります。しかしそれまでの三国志はあくまで「中国の時代小説」と言う認識だけの作品であり、吉川の手によって初めて大衆向けとなったことは事実です。

発表時期

三国志が発表されたのは1939年からの4年間です。この時代は太平洋戦争の真っ只中であり、国内情勢によって様々な規制が敷かれていきましたが、大衆から絶大な人気を集め完結まで連載が続けられました。なお戦後には単行本が出版され、こちらも他作家の作品に比べて圧倒的な人気を誇っていました。

三国志の内容

ゲームや漫画など二次創作物で、現代において広く流通している三国志ですが、中には詳しくない方も多いはずです。原作である三国志演義とはどのような違いがあるのか、はたまたどのようなストーリーなのかと疑問は尽きないでしょう。そこでここからは参考までに、吉川英治による三国志の大まかなストーリー展開について解説していきます。

始まりは桃園

三国志の始まりは原作同様に劉備、関羽、張飛が桃園で義兄弟の誓いを交わすところから始まります。しかし厳密には原作に比べてキャラクターそれぞれの細かな描写や人間関係などを描いており、原作のように桃園の場面から物語が始まるわけではありません。あくまでキャラクターを「魅せる」手法は、後にコアなファンを生む重要な要素となりました。

ラストはどこまで?

三国志のラストは序盤同様に原作に準拠しており、最後の主人公として戦った「諸葛亮孔明」の死によって物語はフィナーレを迎えます。なお本作では物語の終了後、作者自らによる作品解説が添えられており、作品における主人公とは誰だったのか、大まかに本作はどのような作品だったのかなど吉川自身の三国志に対する思いを知ることができます。

三国志の影響

日本における三国志ジャンルの普及において多大な功績を残した吉川英治。しかし一口に「普及」と言っても、現代のようなエンタメ化がなされるまで、どのような経緯をたどったのかまでは知ることができないはずです。そこでここからは補足事項として、三国志が後発の作品に与えた影響などについて詳しく解説していきます。

一気に大衆作品へ

前述でも触れている通り、吉川英治による三国志はそれまで「中国の時代小説」でしかなかった作品を、一気に大衆向け作品として普及させました。その勢いは凄まじく、国内で発表された三国志ジャンルの作品のほとんどが吉川作品と同様のキャラ設定、エンディングを採用するなどしています。

現代に普及している全ての三国志ジャンル作品には、吉川作品の三国志による影響が少なからず介在していると言っても過言ではありません。

三国志の魅力は吉川作品から

吉川英治の三国志は間違いなく日本の三国志ジャンルのパイオニアです。日本人にとって魅力ある作品へと昇華させた「吉川イズム」の結晶とも言えます。三国志に興味がある方も、そうでない方もこの記事をきっかけに、昭和の文豪が描いた古代の中国作品に触れてみてはいかがでしょうか?

 

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