京都の銘酒「澤屋まつもと」とは?守破離を目指す珠玉の味わいとは

2019.10.08

「澤屋まつもと」は、230年近い歴史を誇る京都・伏見の蔵元、松本酒造の看板銘柄。守破離をコンセプトに、伝統を守りながらも常に革新に挑む酒造りで人気を集めています。そんな「澤屋まつもと」にスポットを当て、その特徴と代表商品をご紹介します。

伝統を守りつつ革新に挑む「澤屋まつもと」

「守破離(しゅはり)」という言葉をご存知でしょうか?主に芸事や武道の世界で使われており、守は師や流派の教えを忠実に守ること、破は他流派の教えも柔軟に取り入れること、そして離は独自に新しいものを生み出すこと、を表す言葉です。

1791年創業の老舗蔵・松本酒造が醸す「澤屋まつもと」は、この守破離を酒造りのコンセプトに掲げており、ラインナップは全て純米酒で構成されています。

杜氏を務めるのは蔵元の次男である松本日出彦さん。高校時代にラグビーで全国制覇を成し遂げ、大学では経営学部で学びつつDJとして本格的に活動していたという、ユニークな経歴の持ち主です。その後日本酒に目覚めた日出彦さんは、一念発起して東京農大に入り直して醸造学を学び、卒業後に「醸し人九平次」の萬乗醸造(名古屋)で3年間酒造りを修業。2007年に実家に戻り、2年後から杜氏を務め今日に至っています。

守破離を実践するかのように、他の蔵で学んだ技を伝統ある家業の酒造りで活かしつつ、新たな価値創出に挑む若き杜氏が目指すのは、京料理を支える昆布だしに本気で合わせられる、米の旨みをピュアに表現した日本酒です。そのために原料米の銘柄にとどまらず、産地や田んぼにもこだわった酒造りに全力で取り組んでいます。

田んぼ別に醸す「澤屋まつもと」IDシリーズ

「澤屋まつもと」の、酒米の産地に対するこだわりを如実に表しているのが、「田んぼの環境までさかのぼり、酒米の身分証明ができる日本酒」として2017年度から発売されたIDシリーズです。裏ラベルには「日本酒の本当の価値は米の産地にあります。どこでどのように育った米で醸した日本酒なのか、これからはそのような視点で日本酒が選ばれる時代になることを願い、先人の方々が守ってくれた素晴らしい産地を表現したいと願っております。」と松本杜氏の想いが記されています。

酒米は全て兵庫県の特A地区中東条地域で育った山田錦ですが、IDシリーズの最大の特徴は、収穫した田んぼの番地別に「ID1314-1」「ID39-1」「ID-566」「ID-530」と商品を分けていること。ワインの世界では、ブドウ畑の土壌や地勢、気候などによって生まれる個性の違いを「テロワール」という言葉で表現しますが、まさに究極のテロワールを日本酒の世界で追求しているわけです。

「澤屋まつもと」の主な定番ラインナップ

それでは、澤屋まつもとを代表する定番商品を2本ご紹介しましょう。

澤屋まつもと 守破離 山田錦

守破離は2015年度からシリーズ展開されているラインナップで、この「守破離山田錦」は兵庫県加東市産の山田錦を50%精米した純米大吟醸です。「SAKE COMPETITION 2018」の純米酒部門で金賞を受賞。香りと甘味を抑え、程良い酸味と旨味を主体としたフレッシュな食中酒タイプです。

  • 商品名:澤屋まつもと 守破離 山田錦 720ml
  • 価格:2,550円
  • Amazon:商品ページ

澤屋まつもと 守破離 五百万石

山田錦と並ぶ酒米のツートップとして知られる五百万石を使用(富山県城端地区南砺市産)。淡麗でスッキリした味わいの純米酒です。さっぱりしたドライな飲み口とキレ味の良い酸味、フレッシュさを感じさせる自然なガス感が特徴。この酒質で720ml1500円弱、一升瓶2000円台前半というのは相当なコスパの高さと言えるでしょう。大きめのグラスで、510℃に冷やして飲むのがおすすめです。

  • 商品名:澤屋まつもと 守破離 五百万石 720ml
  • 価格:1,320円
  • Amazon:商品ページ

京都の近代化産業遺産に認定された美しい蔵

「澤屋まつもと」を醸す松本酒造は造る酒の素晴らしさだけでなく、酒蔵の街伏見の中でもとりわけ情緒溢れる美しい建物でも知られており、2007年には「近代化産業遺産」に認定されています。京都・伏見を訪れる機会があれば、ぜひ一度足を運んでみてください。

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