バイクの停止にはエンジンブレーキを活用しよう。使い方や効果を紹介

2019.10.08

バイク初心者の人のなかには、車両を減速させるときにエンジンブレーキがうまく使えずに悩んでいる人も多いのではないでしょうか?エンジンブレーキは、バイクを安全に減速させるために必要です。エンジンブレーキの使い方や効果を紹介します。

エンジンブレーキとは

バイクの停止シーンは大きく分けると、『危険なとき咄嗟に止まらなくてはならないシーン』と『予測して余裕を持って止めるシーン』の2種類があります。

前者の場合には、前・後輪ブレーキを使用して急ブレーキをしなくてならないため転倒する可能性もありますが、後者の場合には、エンジンブレーキを使って徐々に減速して、前・後輪ブレーキで安全に停止することができます。

ここでは、エンジンブレーキについて解説します。

速度を落とす方法

エンジンブレーキとは、エンジンの仕組みをうまく使って、スピードを下げていく方法のことです。ハンドル部分のアクセルを開いた状態から戻すことで、徐々にスピードを減速させます。

エンジンブレーキは、5速よりは4速、3速よりは2速と、ギアが小さくなるほど強いブレーキ力が生まれるため、ブレーキ効果が高くなります。

エンジンの仕組みを使って減速する

通常、バイクはエンジンをかけて、右手のアクセルを開き、タイヤを回転させることでスピードを上げていきます。

しかし、アクセルを開かずに運転をすると、エンジンはタイヤを回転させることをストップしてしまうため、車両は惰性で前に進もうとします。

その結果、今度はタイヤの回転のみでエンジンを回すことになるため、車両各部で抵抗が発生し、結果的にスピードを減速させることができるのです。

エンジンブレーキは、このようなエンジンの仕組みを使って減速するため、緩やかにスピードを落とし、転倒を防げます。

どこかに存在する装置ではない

初心者のなかには、エンジンブレーキのスイッチがどこにあるか把握しておらず、探してしまう人もいるかもしれません。

しかし、エンジンブレーキは、あくまでもエンジンの回転数を利用した減速方法なので、車体に設置されている装置ではないことを覚えておきましょう。

エンジンブレーキの使い方

エンジンブレーキは、どのような状態で使えばよいのでしょうか?エンジンブレーキを上手に使う方法には、いくつかの手順が必要です。

ここでは、エンジンブレーキの使い方を順番ごとに解説します。

車体が真っ直ぐな状態でアクセルを戻す

まず、車体がまっすぐな状態でアクセルを戻しましょう。カーブの途中など車体が傾いているときにブレーキをかけると、バランスをくずしやすいのでカーブの手前で十分にスピードを落とすようにしてください。

右手アクセルハンドルを戻すことで、エンジンへの燃料供給がストップし、エンジンブレーキがかかりバイクは減速していきます。

前輪、後輪ブレーキと同時に使う

エンジンブレーキは、あくまでも緩やかにスピードを落とすものであり、ブレーキではありません。アクセルを戻したら、エンジンブレーキを使ってスピードを減速させます。そして、最後は前輪・後輪ブレーキで安全に停車させることがポイントです。

エンジンブレーキを使って停車する手順は、下記のとおりです。

  1. アクセルを戻してエンジンブレーキをかける
  2. 後輪ブレーキである右手ブレーキペダルを踏み込んでいく
  3. 次に、前輪ブレーキである右手ブレーキレバーを軽く握り、スピードが落ちたら停車位置までの調整を行う

また、前輪・後輪ブレーキは2~3回に分けることもポイントです。ただし、前輪・後輪ブレーキを強くかけ過ぎるとタイヤがロックしたり、滑りだして転倒したりする可能性があるので注意しましょう。

ガクガクしないためには練習が重要

最初のうちは、ギアチェンジごとにガクガクしてしまうこともあります。しかし、『アクセルワーク』を使えば、ガクガクせずにスムーズに停車可能です。

アクセルワークとは、ギアを落とすたびにアクセルをふかして、下がったギアの回転数に合わせてからスロットルを戻す行為を繰り返すことです。アクセルワークをしないと、エンジンブレーキが効くたびにガクガクするので、必ず行いましょう。

何度が練習を繰り返していくうちに、スピードを出していてもスムーズに止まれるようになるでしょう。

エンジンブレーキを使うメリット

教習所でも、エンジンブレーキの練習は幾度となく繰り返し行われます。それほどまでにエンジンブレーキは、バイクの走行では大切なテクニックだからです。

ここでは、エンジンブレーキを使う主なメリットを2点紹介します。

通常ブレーキを多用せずスムーズな減速が可能

たとえば、下り坂でフットブレーキを多用してしまうと、徐々にブレーキの利きが悪くなってしまいます。しかし、上手にエンジンブレーキを活用すれば、通常ブレーキを多用せずともスムーズに減速が可能です。

もちろん、下り坂ではエンジンブレーキによる減速だけでは停止しきれないので、最終的には通常ブレーキで止まりましょう。

安全に停車できる

前輪・後輪ブレーキはタイヤの回転をロックするため、急ブレーキの場合に車両が転倒したり、横滑りしたりする恐れもあり危険です。

しかし、エンジンブレーキは、タイヤの回転をロックさせるのではなく、エンジンを止めて徐々に減速するため、その後の通常ブレーキを安全に使用することができます。

エンジンブレーキは安全な走行に必須

エンジンブレーキは、原則から停車の流れをスムーズにするため、安全な走行に必須な減速方法です。

制動距離は走行スピードや路面状況によって異なりますが、エンジンブレーキを活用することで、バイクが安全に停車できるスピードまで減速させて、前輪・後輪ブレーキを使って停止位置で無理なく停車ができます。

ここではエンジンブレーキの、安全面での重要性について紹介します。

前輪、後輪ブレーキだけを使うデメリット

前輪ブレーキは、制動効果が大きいので、強くかけすぎると前輪タイヤがロックしてバランスをくずし、転倒の原因になります。

また、右足ペダルや左手レバーにある後輪ブレーキもバランスを崩して転倒する可能性があります。右足ペダルの場合にはつま先でかけますが、このとき強く踏みすぎるとバランスを崩してしまいます。

また、左手のレバーの場合も、強くかけすぎると転倒するので十分に注意してください。

状態の悪い路面で効果を発揮する

雨天時などの状態の悪い路面で、急ブレーキをかけると高い確率で転倒もしくは横滑りといった事故を起こしてしまいます。

これは、先ほども説明した通り、通常の前輪・後輪ブレーキではタイヤの回転を即時にストップさせるため、大変危険です。

しかし、エンジンブレーキを使えば、タイヤの回転を止めることなく徐々にスピードを減速させるため、転倒や横滑りなど危険性が大幅に低下します。

しかし、制動距離に関しては、路面状況によっても異なるため、路面状態が悪いときには、スピードを抑え気味に走行することが大切です。

急制動でも安定しやすい

通常ブレーキをかけると、バイクの車体は直立しようとする性質があります。そのため、コーナーに入ってから速度が速いことに気づいて通常ブレーキをかけると、バイクが立ち上がってしまい、曲がり切れなくなったり反対車線に飛び出してしまったりという事故の可能性があります。

つまり、曲がる前に十分減速して、曲がっている間はブレーキをかけないというのが鉄則です。まず、コーナーが見えてきたら、どのあたりで曲がり始めるかを決めます。バイクは曲がるときに車体を倒さないといけませんが、ブレーキをかけると車体は立ち上がるので倒せません。

エンジンブレーキを使うと、リアタイヤも止まろうとする力が働きます。それによって、前輪・後輪ともに減速でき、バイクが安定しやすくなります。

エンジンブレーキのよくある疑問

エンジンブレーキの使用時に異常を感じたら、すぐに対処が必要です。ここでは、エンジンブレーキのよくある疑問を3点紹介します。

異音がする場合

バイクのエンジンブレーキでは、異音が発生して故障なのでは?と思うこともあります。

たとえば、エンジンブレーキでのカシャという異音がする場合には、チェーンのメンテナンス不足が原因のことが多いです。

エンジンブレーキでのビリビリという異音がする場合には、メーター回りのネジなどの緩み・ラジエター回りの緩み・クランクシャフトの緩みが原因と考えられます。

そのほかにも、エンジンブレーキ中に、マフラーあたりからのパンパンという異音の原因は、アフターファイヤーという現象が原因であることが多いです。マフラーなどを純正から社外品に変えたときに出てくるため、気になる場合には、純正マフラーに戻す、もしくは、バイク専門店に相談しましょう。

それ以外にも、異音がするときは放置せずに専門店に持って行くことが大切です。

ブレーキが効かない場合

ブレーキが利かない場合には、どの部分の不具合によって起きているのかは、専門店で点検してもらわないと判断が難しいです。

ブレーキは、安全に走行するためには重要な機能なので、少しでも不具合を感じたら、ただちに専門店で検査・点検してもらいましょう。

燃費が悪くなる可能性は?

エンジンブレーキを使うと、燃費は悪くなるのでしょうか?

バイクは、減速においてエンジンブレーキを使用します。AT車のバイクでは、アクセルを離すと自然と燃料カットするように作られており、自然とエンジンブレーキが行えるようになっています。

MT車の場合もAT車と同様です。減速する場面で、無理のないタイミングで正しく変速をすればエンジンブレーキを活用した運転が可能なのです。その結果、燃料カットをして燃費の良い走行ができます。

これらのことから、エンジンブレーキを活用しているからといって、燃費が悪くなるという根拠はありません。

エンジンブレーキを使い安全に走行しよう

エンジンブレーキは、通常ブレーキと一緒に使うことで、バイクを安全かつスムーズに停止させることが可能です。

しかし、バイク初心者はガクガクとしてしまい、スムーズに停止させるためには練習が必要となるでしょう。エンジンブレーキを正しく使って、安全に走行してください。

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