パチンコ換金禁止は実現するのか。IR推進法との関連性とは

2018.11.11

ネットではパチンコの換金が近い将来禁止されるという噂が駆け巡っています。しかしそもそも法的にはパチンコホールは換金に携わっていません。なぜそのような噂が流れているのでしょうか?換金の仕組みや法的解釈、IR推進法も含めて解説していきます。

そもそもパチンコの換金は違法ではないのか

パチンコの換金は現実的には当たり前のこととなっていますが、違法だという声もあります。違法か合法かを見極める要点は何でしょうか?

ホールが直接出玉を換金すれば違法となる

現在日本では公営ギャンブル以外の賭博は禁止されているので、ホールが出玉を換金したら刑法の賭博罪に問われます。

そのためホールの中で換金されることは絶対にありません。さまざまな景品と交換されるだけです。その中で特殊景品という金の地金のチップが入った大中小3種類のアクリルケースがあります。

客は特殊景品の束を持ってホールの近くの、窓口がある小さい建物に近づいて窓口に特殊景品を差し出します。何が起こるのでしょう?

パチンコの換金は三店方式を適用

その小さい建物は景品交換所、通称「換金所」です。窓口にて特殊景品が現金と交換されます。これがパチンコ業界特有の換金法である「三店方式」です。システムは下記のような流れです。

  1. パチンコホールは客の出玉を特殊景品と交換する
  2. 客は景品交換所で特殊景品を現金と交換する
  3. 景品交換所から景品卸問屋は特殊景品を買い取る
  4. 景品卸問屋はパチンコホールに特殊景品を納入する

このサイクルが絶えず繰り返されているのです。

パチンコの換金が違法ではなくグレーな訳

ホールはあくまでも仕入れた景品を出玉と交換するだけで、客が景品交換所でそれを換金することには関知しないスタンスです。実際に換金のことを店員に聞いても、知らないと言われるだけです。だから違法ではありません。

では合法的かというと、疑問を差しはさむ人が多いのも事実です。

結果的には換金の流れを形成しているから違法だという意見もあれば、3店が1つの組織のようなものなのでホールも関与しているという意見もあり、グレーだと言われています。

もっと言えばパチンコ業界からの政治献金や税収があるので、当局も違法と認識しつつ黙認しているという見方もあります。そういう闇や裏も垣間見えることがグレーの印象を強くしているようです。

パチンコ換金禁止へ法は改正されるのか

パチンコの換金が近い将来禁止されるという噂があちこちで聞かれます。その噂の信ぴょう性はいかがなものでしょうか?

具体的に確認してみましょう。

政府はパチンコ換金禁止とは言及していない

発端は、2018年7月のBSニュース番組における菅官房長官の発言です。発言内容は、国は過去にギャンブル依存症対策をなんら講じていなかったので、IR推進法を機に取り組み始めたという趣旨です。

その中でパチンコのことにも触れました。

つまり、パチンコの市場規模23兆円に言及し、ギャンブル性をなくす方向性を示唆しました。

これはあくまで射幸性を抑えるという意味でしょう。換金のことには一切触れていません。もとより政府も警察も換金に関しては、黙認しているのが現状です。

パチンコ換金禁止の時期がいつからかは未定

想像力を働かせてパチンコの換金が禁止されるとしたら、それはいつからになるでしょうか?

2018年7月に「ギャンブル等依存症対策基本法」が国会で成立しました。その中の検討課題7項目は、遅くても3年以内に必要な措置を講じるとされています。

その中に換金に関わる項目はありません。パチンコ店に深く関係するのはパチンコ機の射幸性の抑制の項目です。

これは大当たり確率や確変突入率、大当たりの出玉数の規制の強化と考えてよいでしょう。現段階では換金禁止の時期などは未定としか言えません。

なぜ換金禁止の法案が噂になっているのか

行政当局は換金に関して何も言っていないのに、なぜ換金禁止の噂がまことしやかに広まったのでしょうか?

掲示板やSNSでの間違った解釈による拡散

結論から言うと「換金禁止」の噂は掲示板やSNSでうがった解釈がなされ、尾ひれがついて広まったと考えてよいでしょう。

ギャンブル性に対する規制だから短絡的に換金禁止と決めつけたスレッド名がいくつも掲げられました。

反応するコメントも換金禁止を鵜呑みにしたうえでの発言が多く、換金禁止決定の既成事実化が噂をリアルにしたと言われています。そもそもパチンコは「換金禁止」業種なので「換金禁止」と騒ぐこと自体おかしいのです。

2016年の11月に政府が国会に提出した答弁書でも、風俗営業法の規制の範囲で営業される限り違法ではないと明記されています。

警察庁官僚も答弁で「換金のことは知らない」と白を切るように、三店方式による換金は事実上「黙認」されているのです。

IR推進法によるギャンブル依存対策の影響

前述のように2018年7月に「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法」、いわゆるIR推進法が成立しました。この法案と表裏一体のセットである「ギャンブル等依存症対策基本法」も同時に成立しました。

IR推進法とは

IR推進法は国の成長戦略中「観光」分野の柱です。カジノを含んだ広大な複合観光施設に外国人観光客を誘致し、経済の活性化、雇用の促進などを狙ったものです。

本来は国の認めるカジノ設立を2020年五輪に間に合わせたかったのでしょう。

廃案と審議の見送りが繰り返されて国会通過が遅れ、これから関連した法整備を進めるのでカジノ設立は五輪に間に合わないと言われています。2025年の大阪万博誘致に向けてが新たな目標のようです。

現状としてはIR推進法がギャンブル依存症対策に与える影響は特に出ていません。噂の1つにあるような、五輪開幕時にパチンコ換金禁止という事態には、ならないでしょう。

パチンコ換金はすぐには禁止にならない

以上さまざまな角度から考え合わせてみて、やはりパチンコの換金禁止はあくまで噂であり、今後も変化はないと思われます。

もちろん、どうなるかは定かではありませんが、必要以上の心配はせずm現行のパチンコを悠々と楽しみましょう。

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