歌舞伎の俳優祭が面白すぎる。初心者もおもわずハマる魅力を解説

2018.11.09

歌舞伎に興味はあっても敷居の高さを感じてなかなか足を運びづらいという人におすすめのイベントが、数年おきに開催される『俳優祭』です。普段の興行とは趣が異なるイベント性の高い企画『俳優祭』について、その魅力を紹介します。

歌舞伎座の俳優祭とは

俳優祭は、おおむね2年または3年に1度開催されます。どんな内容なのでしょうか?その概要を見ていきましょう。

日本俳優協会主催による特別なイベント

俳優祭は、いわゆるファン感謝デーのようなもので、模擬店に立つ俳優と触れ合えたり、俳優祭当日しか上演されない有名作品のパロディ歌舞伎を観られたりなど、特別な内容のイベントです。

日本俳優協会が昭和32年(1957年)から主催し、直近では2017年に開催されました。通常の興行とは異なり企画性の高い内容で観客を楽しませるとともに、日本俳優協会の費用を集めることを目的に開催されています。開催頻度は、2年または3年ごとであり、2019年には開催されると思われます。

パロディ歌舞伎や模擬店の他には、普段の舞台では見ることのできない俳優の長唄や鳴物を鑑賞できるたぬき会や、男女・老若など普段演じている役割をひっくり返して演じる天地会など、趣向を凝らした企画が用意されています。

抱腹絶倒のパロディ歌舞伎や模擬店

俳優祭では『白雪姫』、『西遊記』など有名作品に笑いを加えたパロディ歌舞伎が上演されます。その内容ももちろん、なかなか見られない豪華俳優の共演が人気を集めます。

また俳優が実際に店頭に立つ模擬店も俳優祭の見所の1つです。普段はなかなか触れ合うことができない俳優から商品を直接手渡ししてもらえるほか、運が良ければ写真撮影も可能です。

人気のためチケット入手は激戦

上記のような内容から、俳優祭はとても人気のあるイベントで、チケットは発売開始直後に完売します。追加販売分も売り切れ、通常の興行では用意される当日券が出ないことからその人気の高さがうかがえます。

2017年に開催された第38回俳優祭のチケットは、下記のような料金でした。

  • 1・2階席:20,000円
  • 3階A席:6,500円
  • 3階B席:4,500円
  • 4階指定席:3,500円
  • 1階桟敷席:23,000円

過去に上演されたパロディ歌舞伎

概要を理解したところで、次に俳優祭の見所の1つであるパロディ歌舞伎について、過去にどんな作品が上演されたのかを見ていきましょう。パロディ歌舞伎では、既存作品に時事ネタ要素などを加え、笑える作品に構成したものが多くなっています。

宝塚も顔負けの歌舞伎版ベルばら

平成元年(1989年)の俳優祭では、宝塚の人気作品『ベルサイユのばら』をパロディ化した『佛国宮殿薔薇譚(べるさいゆばらのよばなし)』が上演されました。

本家宝塚ファンも楽しめたというクオリティの高さや、タカラジェンヌに稽古をつけてもらったというこだわりの演技をはじめ、宝塚と歌舞伎という奇抜な組み合わせが大好評を集めました。

鹿鳴館が舞台の和風シンデレラ

平成21年(2009年)には著名な童話『シンデレラ』をパロディ化した『灰被姫シンデレラ』が上演されました。明治22年(1889年)の鹿鳴館に舞台が設定され、歌舞伎座には珍しく洋風の豪華建築の美術が使用されました。

スター・ウォーズを思わせるライトセーバーのような杖や、アカデミー賞を受賞した映画『おくりびと』を意識した場面など、笑いを誘う要素が多く盛り込まれ、観客を大いに楽しませました。

女形トップの坂東玉三郎が白雪姫に

昭和50年(1975年)にはグリム童話『白雪姫』のパロディ歌舞伎が上演され、歌舞伎協会理事クラスの大物俳優が共演したことで話題を呼びました。

さらに平成19年(2007年)には人間国宝の坂東玉三郎が白雪姫を、当時の若手・片岡愛之助や中村獅童などが動物たちを演じ、ベテランから若手までさまざまな俳優が共に舞台に上がりました。

舞台の間に開かれる模擬店にも注目

俳優祭において、パロディ歌舞伎に負けず劣らず観客から人気を集めるのが、俳優と直に触れ合うことができる模擬店です。観客が殺到する模擬店の魅力について見ていきましょう。

2017年俳優祭では役者たちと記念撮影も

一昨年に開催された模擬店では、記念写真撮影ブースが設置されました。数千円でツーショットを撮影できるということで、50名の定員に対して観客が殺到しました。

直接俳優と言葉をかわし、ツーショット撮影ができた人はとても幸運で、ブースのまわりは俳優を一目見ようとつめかけた観客でいっぱいになっていました。

役者たちが自らグッズや食べ物販売

模擬店では、俳優が実際に店頭に立ち接客を行います。目当ての俳優を求めて観客が殺到することで、用意されたグッズはすぐに売り切れます。

普段の興行では観客が俳優と接する機会は少ないため、俳優祭では観客が目当ての俳優に少しでも近づこうと常に模擬店の周りは観客でいっぱいになります。

次回、第39回俳優祭も要チェック

次回の俳優祭についてはまだ日程や内容が公表されていませんが、第37回俳優祭が2014年に、第38回俳優祭が2017年に開催されたことを踏まえると、次の開催は2019年、つまり今年には開催されるのではないかと言われています。

歌舞伎初心者でも楽しむことができるので、初めて歌舞伎にふれるきっかけとして、ぜひ俳優祭に足を運んでみてください。

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