大団円の喜劇。シェイクスピアの『お気に召すまま』のあらすじや名言を紹介

2019.10.02

シェイクスピアの『お気に召すまま』は、魅力的な登場人物が数多く登場し、ウィットに富んだセリフ回しやハッピーエンドが心地よい名作喜劇です。この記事では、『お気に召すまま』の魅力やあらすじ、名言をご紹介します。

喜劇『お気に召すまま』とは

『お気に召すまま』は、『から騒ぎ』や『十二夜』と同様にシェイクスピアの円熟期である1599年頃に書かれた喜劇です。

同時代の作家トマス・ロッジによる牧歌物語『ロザリンド、ユーフューイーズの黄金遺文』を原作としつつ、より感情豊かな台詞回しとテンポの良さを備えた戯曲として書き直されたもの。

舞台はフランスのアルデンヌの森あるいはシェイクスピアの故郷のエイボンの田舎と言われ、窮屈な宮廷生活とは対照的に、主人公が逃げ込む森の中での生活が自由で解放的なものとして描かれています。

一目惚れや同性愛的な描写を織り交ぜながら、最終的に4組のカップルが誕生するこの物語の最大のテーマは「愛」。そして、不当に地位を奪った者が改心し、奪われた者は相手を許して和解する、大団円で終わります。

『お気に召すまま』の登場人物とあらすじ

田園生活の魅力や恋愛のから騒ぎが盛り込まれたシェークスピアの名作喜劇『お気に召すまま』。ここでは、その登場人物とあらすじをご紹介します。

『お気に召すまま』の登場人物

  • ロザリンド:前公爵の娘で、森へ追われてからは男に扮しギャニミードと名乗ります。
  • シーリア:公爵の娘でロザリンドの幼なじみでロザリンドを追って森へやってきます。
  • フレデリック:弟の領地を奪って公爵の座に着いています。
  • 老公爵:フレデリックの兄で、国を追放されて森で生活をしています。
  • オーランドー:ドゥ・ボワ家の三男で兄に虐げられ憤りを感じています。
  • オリヴァー:ドゥ・ボワ家の長男で弟のオーランドーを不当に扱っています。
  • タッチストーン:公爵の道化ですが、ロザリンドとシーリアに従って森へ入ります。
  • ジェイクィズ:前公爵の廷臣で、ともに森で暮らします。

『お気に召すまま』のあらすじ

兄オリヴァーへの鬱憤を晴らすため、公爵主催のレスリング大会に出場したオーランドーは、見事優勝し、ロザリンドと一目惚れの恋に落ちます。

しかし、公爵に追い払われたロザリンドは、男装をして森へ逃れ、公爵の娘シーリアも羊飼いに扮し、道化タッチストーンとともに付き従います。オーランドーもまたオリヴァーから逃れるため森へ向かい、老いた元公爵に助けられます。

ロザリンドはオーランドーを見つけ、男のふりをしたまま恋の告白の練習相手を務めます。オーランドーを探しにきたオリヴァーは、ライオンに襲われているところをオーランドーに助けられて改心。

ロザンリンドとオーランドーは羊飼いたちの恋愛模様に巻き込まれつつ、最後には、ロザンリンドとオーランド、オリヴァーとシーリア、羊飼いと道化のタッチストーン、羊飼い同士の4組のカップルが成立します。老公爵を倒しにきたフレデリックも心を入れ替えて、兄に替わって森の隠者となることを決めるのでした。

『お気に召すまま』の人生と恋愛にまつわる名言

知的でユーモア溢れるセリフ回しが魅力の『お気に召すまま』には様々な名言が登場します。ここでは、その名言の一部を人生編と恋愛編に分けてご紹介します。

人生にまつわる名言

『お気に召すまま』には、人生を達観するようなウィットに富んだ警句がたくさん登場します。その一部をご紹介します。

全世界は一つの舞台だ。そしてすべての人間は男も女も役者にすぎない。めいめい出があり、引っ込みがある。しかも一人が一生に沢山の役を務め、その全幕は七つの時代から成る。”

『お気に召すまま』のなかでも最もよく知られたセリフ。日本では「この世は舞台、人はみな役者」という簡略版の名言のほうがよく知られているかもしれません。2幕第7場に登場するジェイクィズの言葉です。

7つの時代とは人生の7つの段階を指します。人は皆その年齢にふさわしい役を演じさせられている、そんな人生観が表れています。

逆境が人に与える教訓ほどうるわしいものはない

2幕第1場、老公爵が、自分の置かれた状況について、宮廷にいるよりも森の隠者でいる方が危険が少なく、木々や清水の言葉に耳を傾けることが何よりも教訓になるとして、語った言葉です。得てして人生の逆境には宝玉が隠れていて、順境には落とし穴があるものです。

恋にまつわる名言

一目惚れの恋を軸にストーリーが展開する『お気に召すまま』には、恋にまつわる名言もたくさん。

誠の恋をするものは、みな一目で恋をする。

3幕第5場で、男装したロザリンド(ギャニミード)に一目惚れをしている羊飼いのフィービーが放つ一言。芝居の終わりには、一目惚れの恋をしたロザリンドとオーランドーは結ばれますが、ギャニミードに恋をしたはずのフィービーは別の羊飼いシルヴィウスと結婚することになります。果たしてこのセリフは真実でしょうか。

男は言い寄る時だけが春で、夫婦になってしまうともう冬だ。女は娘でいるうちは五月の花時のようだが、亭主持ちになるとたちまち空模様が変わる。

4幕第1場で、ギャニミードがロザリンドとの恋の手ほどきをしながらオーランドーに伝えたセリフです。恋の相手へ正体を隠して語るロザリンドの駆け引きが笑いを誘います。女の取り扱い方を指南するようでいて、結婚と恋愛は別物とも読み取れます。

舞台で楽しむ『お気に召すまま』

楽しいセリフの応酬とハッピーエンドが楽しい喜劇『お気に召すまま』は、翻案も含め繰り返し上演されてきました。近年では、2019年夏に満島ひかり主演の舞台が好評を博しています。男性だけで演じられた蜷川幸雄版『お気に召すまま』はDVDでも見ることができますよ。

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