平成ホラー映画のおすすめは?世界に通じるジャパニーズホラー傑作選

2019.09.30

2019年4月で終わった平成の時代。じつはこの30年は、日本のホラー映画が世界的に有名になり「ジャパニーズホラー」として名声が高まった30年でもありました。時代をふりかえりながら、名監督が手がけたホラー映画の傑作をご紹介します。

日本ならではの怖さ。ホラー黎明期1989〜1999年

日本のホラーは、日本古来の幽霊や妖怪ものが多く扱われ、海外の人には理解しにくいものがほとんどでした。それが大きく変わったのは1990年代。日常に何気なく潜む恐怖や、理解できない人間の怖さなどを取り上げ、繊細に表現したのです。

ホラーレジェンド・中田秀夫監督の「女優霊」

あの「リング」(1998年)を世界的に大ヒットさせた中田秀夫監督の1996年の映画デビュー作。低予算、76分の短さながら、その恐ろしさは、SNSが発達していなかった当時、口コミでじわじわ広まりました。映画の撮影現場で噂される女の幽霊…怪談話に端を発するのかと思いきや、その心理的な怖さは絶品です。2010年には、ハリウッドでリメイク作が作られています。

サイコホラーの傑作。黒沢清監督「CURE」

人間の不可解さを全面に出した1997年の傑作。黒沢清監督の映画は、人間の静かな狂気や人の気持ちのズレを、ねちっこく微細に見せつけ、後からじわじわくるような怖さがあり、2001年の「回路」も大ヒットしました。

血生臭い事件をめぐり、怪しい男を演じる萩原聖人と、それに惹きつけられる刑事・役所広司の演技も目が離せません。

世界にはばたくジャパニーズホラー2000〜2009年

日本のホラー映画は、世界的にも認められ、次々とリメイクされるものが増えてきます。中でも、アメリカに認められ、海外にも大ファンが多い2作を紹介します。

カルトファンが認めた。三池崇史監督「オーディション」

恋愛映画からホラー、時代劇まで、幅広くどんな作品でも自分色に染めて仕上げる三池崇史は、日本人として世界で名前が通じる名匠のひとりです。村上龍の同名小説を映画化した2000年の本作は、精神的に追い込まれる中年男の恐怖を描き、世界に羽ばたく第一歩となりました。

その後、アメリカのテレビ局が企画した、ホラー映画の巨匠13人によるオムニバス映画に、日本人ただ1人として参加。その際制作された「インプリント〜ぼっけえ、きょうてえ〜」(2006)は、怖すぎてアメリカで放送されず物議をかもしました。

キャラ立ちする幽霊。清水崇監督の「呪怨」

2000年制作ジャパニーズホラーの金字塔。「リング」の貞子と肩を並べるほど、「呪怨」の伽奈子とその子供・敏雄のインパクトは強く、ジャパニーズゴーストの典型として世界中でオマージュを捧げられています。日本では6作品、ハリウッドでも3作品シリーズ化されました。

古典的な「お化け屋敷」話を現代風にアレンジ。見知らぬ家に入っていくことが恐ろしくなることは必至でしょう。

謎と呪いが生むスリル 2010〜2019年

平成の後半になると、驚愕・パニック系のホラーよりも、ストーリーの複雑さを主眼に置いた、謎解き系のホラーが注目されはじめました。日本古来の伝承や民俗的なものをアレンジした、じんわり来る怖さを楽しんでみましょう。

根深い恐怖が続く。中村義洋監督「残穢」

中村義洋監督が2016年に手がけた「残穢(ざんえ)〜住んではいけない家〜」。タイトルの意味は「残された穢れ(けがれ)」、日本で昔から言い伝えらえる穢れ=よごれたおぞましいものとは一体なにか?をひもとく作品です。

「音」のするマンションをきっかけに、関わる人間全員が不幸になる謎をたどると、大きな秘密に…。見終わった後に、ふだん気にならないことがとても怖くなる映画です。

オチが全くよめない!中島哲也監督「来る」

スタイリッシュな映像美で、怖さを倍増させる中島哲也監督の2018年の作品。一体何が「来る」の?何が来るかわからないから、とっても怖いという人の心理を逆手にとった演出が秀逸です。オチがまったく読めない展開です。

平成30年間で生まれた傑作ホラー邦画の数々

平成30年間で生まれた傑作ジャパニーズホラーを紹介してきました。平成とともに生まれ、世界に評価されるまでに成長したホラー邦画はいずれも傑作ぞろい。令和時代のさらなる発展にも期待です。

ちなみに邦画のホラー映画は、この記事でも紹介した通り、多くが動画配信サービスでも取り扱いがあります。気軽に鑑賞できるチャンスもあるので、海外にも通じるジャパニーズホラーの名作を、ひとりが怖いなら、友達同士でも、楽しんでみてはいかがでしょうか?

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