『青年』は森鴎外の傑作!気になる内容や基本情報を紹介

2019.09.23

「青年」というタイトルの小説をご存知でしょうか?世界的文豪で「舞姫」などで知られる森鴎外によって執筆された本作は、出版から100年以上過ぎたいまなお高い評価を受け続けています。この記事ではそんな森鴎外の名著の大まかな内容や魅力について解説していきます。

青年とは

名家に生まれ、その優れた才能を生かして様々な場所で活躍した森鴎外。戦前から文豪として知られてきたその文体は、世界的に見てもトップクラスの完成度を誇っています。そんな作品群の中で隠れた名著として密かに人気を集めているのが「青年」です。ここからはそんな青年の基本情報について解説していきます。

森鴎外が描く成長物語

青年は森鴎外が描いた成長物語的な作品です。「青年」という言葉の通り、まだあどけなさや若さが残る一人の青年の人生におけるターニングポイントを捉え、それを森鴎外らしい気品溢れるタッチで作品に落とし込んでいます。

執筆された期間は1910年の3月から9月であり、当時の大衆向け文学雑誌「スバル」で連載されました。この時すでに「舞姫」の執筆からは20年が経っており、当時の文体はそれに勝る洗練されたものとなっています。森鴎外作品の中では「脂が乗っている」作品であると言えます。

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執筆のきっかけは

青年の執筆経緯には当時森鴎外と並んで国民的作家であった夏目漱石が関連しています。当時夏目漱石は3部作の長編小説「三四郎」を連載しており、現代的な日本における若者の葛藤や生き様を題材にした作風は、森鴎外にも多大な影響を与えました。そのため後述する作品の内容の中には、三四郎を思わせる設定や登場人物が登場します。

青年の内容

近代日本文学は少々敷居の高いイメージが持たれています。普段小説を読んでいる方でも、近代日本文学のタイトル達には思わず尻込みをしてしまっているはずです。

しかしその中でも「青年」は比較的現代寄りな作風となっており、作品自体のボリュームも抑えめなため、近代文学作品として初めて手に取りやすくなっています。作品の内容をあらかじめ把握しておけば、より作品にも手が出やすくなるでしょう。そこでここからはそんな青年の大まかな内容を解説していきます。

美青年の主人公

「青年」の主人公である純一はタイトルの通り日本の青年です。その姿は美しく美青年であると称されます。

この「美青年」という特徴は地方から出てきたばかりの純一ひいては作品全体のキーパーソンであり、作家になりたいと思いながらも思い切った行動ができない中、様々な美女達が関係を持とうと迫ってくる展開を作り上げて、純一が青年らしい葛藤をする状況に追い込んでいきます。シンプルな設定が作品全体を動かす要素になり得るのは、まさに森鴎外ならではのテクニックです。

1つの出会いと1つの別れ

作品の中で純一は女性、友人、作家など様々な登場人物と出会い、会話をして分かれます。そして純一は作品終盤において描きたいテーマを見出すことで成長を果たします。

この一連の流れはシンプルでありながらも、青年が経験を積んで成長していく過程を無駄なく文章に落とし込む非常に完成度の高いものです。

青年の魅力

青年の魅力とは成長譚としての「変化」だけではありません。森鴎外は他にも様々な要素で作品全体の骨組みを行なっています。それに気づくことができれば、森鴎外作品への関心もより深まるはずです。そこでここからは補足事項として見落としがちな作品の魅力を紹介していきます。

当時の世界をリアルに感じる世界観

出版当時に現代小説として描かれた青年は、当時の日本を詳細に描写していることで知られています。そのため資料だけでは読み取ることのできない「リアルな明治時代の帝都」という唯一無二の世界観を、美しい描写とともに楽しむことができます。当時の雰囲気が気になる方や歴史に興味がある方にもお勧めできるポイントです。

青年を読んで青年を知る

青年は森鴎外が残した魅力溢れる成長物語的青春小説です。作品の中にはストーリー以外にも様々な魅力が落とし込まれています。文体も読みやすいため、初めて手に取る近代文学作品としても重宝するはずです。気になる方はこの記事の内容を参考にしながら、唯一無二の森鴎外イズムを楽しんでみてください。

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