『坊ちゃん』のあらすじとは?夏目漱石のその他の名作も紹介

2019.09.23

「吾輩は猫である」や「こころ」などの名作を多数残した文豪・夏目漱石。その夏目漱石の作品で外すことができないものが「坊ちゃん」です。さまざまな出版社から出されるほど愛される坊ちゃんとはどんな作品なのでしょうか。あらすじをご紹介します。

夏目漱石の「坊ちゃん」の登場人物まとめ

「坊ちゃん」に登場するおもな人物はそれほど多くありません。おおかたエピソードに関わってくる人物は8名ほどです。

  1. 坊ちゃん
  2. 清(きよ)
  3. 山嵐(やまあらし)
  4. 赤シャツ
  5. うらなり
  6. マドンナ
  7. 狸(たぬき)
  8. 野だいこ

坊ちゃんはこちらの作品の主人公です。坊ちゃんとしか記載されていないので、本名がフルネームで判明することはありません。

坊ちゃんと比較的仲がいいのは数学教師の山嵐。正義感を持ち芯の通った性格なので、短気ながらも実直な坊ちゃんと気が合うのでしょう。

「坊ちゃん」はどんな話?あらすじを解説

夏目漱石の「坊ちゃん」は、タイトル通り主人公・坊ちゃんの生きていく様を描いた作品です。あらすじを簡単にご紹介します。

主人公・坊ちゃんは先生になる

八方美人な性格を持ち合わせておらず、周囲と衝突が絶えなかった主人公の坊ちゃん。彼はその不器用な性格ゆえに、うまく周囲に溶け込むことができなかったのです。

家族が亡くなったことにより、坊ちゃんは下女である清とも離れることになります。そして東京を離れ、愛媛で数学の教師として働き始めるのです。

そこで出会うのが同じく教師として働く山嵐や赤シャツ、うらなりなどです。もちろんこれらはすべて坊ちゃんがつけたあだ名。坊ちゃんは清に教師として働く自分や取り巻く環境を手紙で伝えます。

教師であることや周囲の人間への失望

坊ちゃんは周囲の人間と打ち解けてあれこれとうまく立ち回るのが苦手な性格です。それゆえ、教師という立場を得てもなお孤立は続きます。

生徒たちからのからかいやいたずらを日常的に受け、生徒に対して悪い印象を抱え込むようになります。そこで赤シャツと野だいこと名付けた教師たちのこともまた嫌います。なぜなら彼らも生徒と同じく坊ちゃんを馬鹿にしていたからです。

さらに坊ちゃんは下宿先でも誤解によりひどい扱いを受けます。坊ちゃんの人間不信は増すばかりです。

東京に帰る坊ちゃん

坊ちゃんだけでなく他の人にも散々な接し方をする赤シャツに対し、坊ちゃんは復讐を遂げます。

そうして坊ちゃんは愛媛での教師生活にピリオドを打ち、東京へと帰ります。教師ではなく技術系の仕事についた坊ちゃんは、かつての下女であった清を自分のもとへと呼び戻し生活を始めます。

坊ちゃんにとって、場所や人間関係を変えることはある種のストレスだったのかもしれません。清との生活は、彼女が肺炎を患って息を引き取るまで続きました。

「坊ちゃん」だけではない夏目漱石の名作たち

夏目漱石の名作は「坊ちゃん」のほかにも多く残されています。まずはあらすじを解説した「坊ちゃん」、そしてほかのおすすめ作品についても併せてご紹介します。

実直に生きた男の半生を描く

実直さと愚直さはどこか表裏一体のようなものです。自分の心のアクセルとブレーキをうまく操作できない主人公・坊ちゃんの半生を描いた「坊ちゃん」。

理不尽にうまく対応できないむずがゆさがこの作品にはちりばめられています。悪人ではないにしろ、世の中の人間は利己的な者が少なくありません。

人とどう関わるべきなのか、そして自分に合った生き方とはなんなのかを知りたい方におすすめしたい作品です。

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猫の目から見る滑稽な人間たちの姿

猫の目線から見た人間の様子を描いた作品がこちらの「吾輩は猫である」です。ここに登場する語り手の猫は、名前を付けられていません。それゆえに作中では常に「吾輩」と名乗ります。

「吾輩は猫である」にはさまざまな人間が登場します。猫である「吾輩」から見れば、人間はとても不可思議で滑稽な生き物。しかしながら猫は次第に人間の無秩序な喜怒哀楽する様子にあこがれを抱き始めます。

そして最後に「吾輩」が取った行動は、まさに人間の姿であるとも言えるものでした。

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抱えきれない悲しみを持つ男の最期

主人公の「私」と、どこか謎めいた空気をまとう「先生」。その2人の出会いから最期までを描いた作品が「こころ」という作品です。

「先生」には「奥さん」がいますが、彼女にすら教えることのない悲しみを背負って生きているのが「先生」だったのです。

彼の心を蝕み続ける寂しさや罪悪感、押しつぶされそうなほどの悲しみといった人間らしい感情こそ、この作品のテーマと言えるのではないでしょうか。

そして「先生」にとっての悲しみからの解放とはなんなのか、そこに注目して読んでほしい作品です。

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名作「坊ちゃん」は実直さがポイント

「坊ちゃん」に出てくる坊ちゃんは、短気で人間ではありますが素直さを兼ね備えていきます。しかしながら、ときに素直さ・実直さは周囲に認められないこともあるのです。

理想の生き方とはなにか、ということをほんのりと考えさせられるような不思議な作品「坊ちゃん」。ぜひ原作を読んで、自分の心と照らし合わせながら内容を感じ取ってみてください。

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