天ぷらの由来とは?歴史や語源から天ぷらのウンチクを知ろう

2019.09.22

旬の素材を使い、衣のサクサクした食感と風味が楽しめる『天ぷら』は日本を代表する料理の一つです。ところで、天ぷらのルーツや語源についてはご存知でしょうか?意外と知られていない天ぷらの歴史や語源について解説します。

天ぷらの基礎知識

まずは天ぷらの基礎知識についてポイントを押さえておきましょう。天ぷらとかき揚げの違いや、日本の天ぷらの歴史について解説します。

天ぷらとは

天ぷらとは、野菜やきのこ、魚介、肉などに小麦粉をベースとした衣を絡め、油で揚げて作る料理です。

天ぷらの作り方は地域、特に関東と関西で異なる点がいくつかあります。

まず衣の違いです。関東では、衣に卵と小麦粉を水で溶いたものを使いますが、関西では小麦粉だけを衣に使います。

次に使う油と揚げ方の違いです。関東では高温のごま油を使って短時間で揚げるのに対し、関西では低温のサラダ油で時間をかけて揚げます。

もともと関東の天ぷらは素材に魚を使うことが多く、魚の生臭さを取り除くためにごま油を使い、素材に野菜を使うことが多い関西では、野菜の持ち味を活かすためにサラダ油を使ったと言われています

かき揚げとの違い

そばやうどんのお供としておなじみのかき揚げも天ぷらの一種ですが、調理方法が若干異なります。

天ぷらは素材を食べやすい大きさに切ってから衣を付けて揚げますが、かき揚げは素材を細かく切り、素材全体に衣を付けてまとめてから揚げるのが特徴です。

なお、かき揚げの語源は、野菜や魚介類などの材料を細かく刻み、衣の中でかき混ぜて揚げることから『かき揚げ』と呼ばれるようになったと言われています。

ポルトガルから伝来し江戸時代に普及

天ぷらは室町~安土桃山時代に、鉄砲やキリスト教とともにポルトガルから伝来したと言われています。その当時の日本では油は貴重品であり、天ぷらは非常に高級な料理だったそうです。

その後、江戸時代に入ると油の生産量が増え、それにともない天ぷらは庶民にも広がっていきました。江戸時代の天ぷらは串に刺してあり、天つゆに付けて食べるスタイルが一般的だったそうです。

また、江戸時代の天ぷらは屋台で売られ、江戸の庶民はファストフード感覚で食べていたと言われています。

天ぷらの語源や意味

普段何気なく使っている天ぷらという言葉ですが、改めて考えると意味が分かるようでよく分からない、不思議な語感を持った言葉です。天ぷらの語源や意味などについて解説します。

語源には諸説ある

天ぷらの語源には諸説あります。

天ぷらを日本に伝えたポルトガル語の『テンポラ』は『四季の斎日』を意味します。『テンポラ』は季節ごとの祈りの期間を指し、肉食ができないこの期間は小麦粉を付けた魚や野菜をフリッター状にして食べたことに由来するそうです。

同じくポルトガル語の『テンペロ』も天ぷらの語源と言われています。『テンペロ』は料理という意味です。

他にもあぶらの当て字『天(あ)麩(ぶ)羅(ら)』が天ぷらになったという説や、中国の古い料理『塔不刺(タアフラ)』がなまって天ぷらになったという説もあります。

天麩羅の由来

『天麩羅』はあぶらの当て字であるという説のほかに、江戸時代の戯作者である山東京伝が名付けたという説もあります。

大阪からやってきた浪人が山東京伝に「大阪で売られている魚の揚げ物を何と呼べば良いか」と尋ねたところ「天竺浪人(逐電した浪人)がふらりと来て売るのだから天麩羅が良い」と答えたそうです。

また、『麩』は小麦粉、『羅』は薄い衣を意味するため、『天竺浪人が売る小麦粉の衣が付いたもの』だとも言われています。

そもそもの由来はペルシア?

天ぷらは室町時代にポルトガルから日本に伝えられたと言われていますが、そもそもの由来はペルシアにあったと言われています。ペルシアからどのような経緯で日本に伝わったのかについて解説します。

シクバージとは

6世紀頃、ササン朝ペルシア帝国の王・ホスロー1世は『シクバージ』と呼ばれる料理を好んで食べていたそうです。この料理はもともと具がたくさん入った牛肉の煮込み料理でしたが、大量の酢を入れていたため保存食として作られていたと考えられています。

時代が進むとシクバージはイスラム圏にまで広がり、10世紀頃になると小麦粉をまぶして揚げた魚を使ったシクバージが作られるようになったそうです。

この魚のシクバージが天ぷらのルーツであると言われています。

シクバージが西へと広がる

シクバージは地中海を通ってヨーロッパに伝わり、ヨーロッパの西の端であるスペインやポルトガルにまで広がりました。

ヨーロッパの西に到達したシクバージは姿を変え、揚げた魚を酢に付けてマリネした『エスカべーチェ』や、小麦粉を付けた魚を揚げた料理『ペスカド・フリート』になったと言われています。

この『ペスカド・フリート』がポルトガル人によって日本にもたらされ、後の天ぷらになったそうです。

由来を知ると食が楽しくなる

普段何気なく食べている天ぷらですが、その由来はペルシアまでさかのぼり、ヨーロッパを通って日本に伝わったという経緯や、ポルトガル語が語源であるという説を知ると、興味深くなるものです。

天ぷらを食べるときに、ちょっとした薀蓄として話してみてはいかがでしょうか?

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