獺祭と島耕作のコラボボトル。二度に渡るコラボと今後の行方は?

2019.09.22

『獺祭 島耕作』は、人気の日本酒『獺祭』と、人気連載漫画『島耕作』がコラボした商品です。過去に2度、数量限定で販売され、現在でもネット通販などでは高値が付けられています。『獺祭 島耕作』が作られた背景や、現在の販売状況について見ていきましょう。

獺祭 島耕作とは?

『獺祭 島耕作』は、2018年に期間限定で販売されたコラボ商品です。どのような商品なのか、概要を紹介します。

人気の日本酒獺祭と漫画島耕作のコラボ

『獺祭 島耕作』は、山口県岩国市にある『旭酒造』が製造する人気日本酒銘柄『獺祭』と、同市出身の弘兼憲史が手掛ける人気漫画シリーズ『島耕作』のコラボブランドです。

獺祭について知ろう

『獺祭』は、国内のみならず世界的な知名度を獲得している人気の日本酒です。山口県岩国市にある『旭酒造株式会社』が製造・販売しています。

主な銘柄として『純米大吟醸45』『磨き三割九分』『磨き二割三分』などがあり、全てが高品質の大吟醸酒として造られています。

若者や女性など、日本酒に馴染みが薄かった層にも受け入れられたフルーティーな味わいは、それまでの日本酒に対するイメージを覆したともいわれているほどです。

島耕作は30年以上続くサラリーマン漫画

『島耕作』は、1983年に『課長 島耕作』として雑誌での連載が始まって以来、30年以上に渡り続いている人気漫画です。

主人公のサラリーマン島耕作が、仕事やプライベートでさまざまな困難に直面しながら、前向きに乗り越え人生を切り開いていくストーリーが展開されます。

いたって普通の無欲な男でありながら、運を味方に出世街道を進み、恋愛・仕事・家族などに関し、さまざまな形で人生のあり方を教えてくれることが、働く男性の共感を呼んでいる作品です。

不定期ながらいまだに連載が継続中の本編では、会長職に就いた島耕作の奮闘ぶりが楽しめるほか、近年は『学生 島耕作』などのスピンオフ作品もリリースされています。

元々は西日本豪雨をきっかけに生まれた

有名日本酒と人気漫画のコラボ商品『獺祭 島耕作』はどのようにして誕生したのか、その背景を紹介します。

獺祭の品質基準に届かなかった約65万本

『獺祭 島耕作』は、2018年7月に発生した西日本豪雨がきっかけとなり生まれた商品です。

この災害では、広い範囲で土砂崩れや河川の氾濫が多発し、『平成最悪の豪雨被害』をもたらしたともいわれ、山口県岩国市にある旭酒造も大きな被害に遭いました。

酒造の前を流れる川があふれて70cmほど浸水、さらに送電線が破断し停電となり、150本もの発酵タンクの温度管理ができなくなるなどの被害を受けています。

旭酒造とかねてから深い親交があった弘兼憲史が、何か支援商品ができないかと同郷の蔵元に呼びかけ、被害により品質基準を満たさなくなった約65万本の獺祭を、両者のコラボ商品として販売することになったのです。

通常の値段よりも安い1200円で購入可能

出荷できなくなった酒は、本来の獺祭と同様に美味しい味わいではあったものの、そのまま商品として販売すれば獺祭のブランドイメージを損なうと判断されました。

そこで、通常の価格よりも安い値段を設定し、さらに島耕作とコラボした新ブランド商品として、数量を限定し販売することになったのです。

『獺祭 島耕作』は税抜1200円で販売され、中身は税込定価1539円の『純米大吟醸45』、2418円の『磨き三割九分』、5142円の『磨き二割三分』などが詰められています。

中には最高級のその先へが詰められたボトルも

『獺祭 島耕作』は、どのボトルにどの銘柄が使われているかは判別できないようになっていましたが、精米歩合の異なる酒を混ぜている商品はありませんでした。そのため、最高級ランクの『磨き その先へ』が詰められたボトルも存在します。

『磨き その先へ』は、精米歩合23%と極限の磨き具合を実現した『磨き二割三分』より、さらに磨き込んだ米を使って造られており、精米歩合は非公開です。

アメリカやロシアの大統領が来日した際、プレゼントして渡されたことでも有名な銘柄で、定価は720mlサイズで3万円を超えます。

『磨き その先へ』が詰められたボトルは、約65万本の中に3000本含まれています。もしかしたら『磨き その先へ』かもしれないと思いながら飲める、夢のある演出ともいえるでしょう。

販売価格の内200円は義援金に寄付される

『獺祭 島耕作』は、災害の影響を受け獺祭としての品質基準に届かない酒を、できるだけ有益な形で豪雨被害地域の役に立たせたいとの想いから生まれた商品です。

そのため、販売価格1200円の内200円は、豪雨被害の大きかった岡山・広島・愛媛・山口の自治体へ均等に寄付されることになっています。

また、支援商品の販売という形で豪雨被害に立ち向かう姿勢は、いかなる困難に直面してもポジティブに乗り越えてきた島耕作の姿と重ねることもできるでしょう。

令和記念で島耕作と再びコラボ

獺祭と島耕作は、元号が令和に変わったことを記念し、再びコラボ商品『獺祭 島耕作 令和記念ボトル』を販売しています。

三割九分を1万本限定で販売

『獺祭 島耕作 令和記念ボトル』は、令和初日の5月1日に絞られた『純米大吟醸 磨き三割九分』が、720mlボトルに詰められた商品です。

元号発表会見のような姿で令和の書を掲げた島耕作がイラストラベルとして描かれ、見た目からも特別な雰囲気を醸し出しています。

1万本限定で販売され、価格は通常の『純米大吟醸 磨き三割九分』と同じ、税込み2494円です。

令和元年5月23日から、全国の獺祭取扱店や旭酒造のウェブストアで販売されていました。

1000本は令和生まれの子供にプレゼント

『獺祭 島耕作 令和記念ボトル』は、1万本中1000本は、令和生まれの赤ちゃんを迎えた家族にプレゼントされています。

令和に生まれた赤ちゃんたちが、明るい未来を元気に過ごせることを願い、獺祭と島耕作からのプレゼントという形で、抽選方式により当選者が選ばれました。

応募期間は2019年5月23日~6月20日の約1カ月間に設定され、令和元年5月生まれの赤ちゃんを対象に、2019年5月生まれを証明する画像などを旭酒造に送付し、応募する形が取られていました。

獺祭はできるだけ早めに飲んだ方が美味しいと蔵元が推奨しているため、当選した人たちは、令和に生まれた赤ちゃんを、発送されてきた獺祭とともに祝ったことでしょう。

獺祭 島耕作は現在も購入できる?

獺祭と島耕作のコラボ商品は現在でも購入できるのか確認しましょう。

獺祭 島耕作と令和記念ボトルは現在終売

コラボ第一弾『獺祭 島耕作』と、第二段『令和記念ボトル』は、どちらも蔵元の在庫は無くなっています。

また、本蔵店・銀座店・京橋店・博多店にある旭酒造の直売店でも、両方とも完売しています。

『獺祭 島耕作』が約65万本、『令和記念ボトル』が1万本と、どちらの商品も数量限定販売でスタートし、増産の予定もありません。

ネット通販では高値で販売されている

国内の大手通販サイトなどでは、現在でも獺祭のコラボ商品が販売されていますが、販売価格が定価の2~3倍に設定されている店がほとんどです。

中には1本1万円以上の値段が付いている店もあり、定価以上の高値で販売されているほかのプレミア酒と同等の扱いを受けています。

したがって、現在でもネット通販ならコラボ商品の購入は可能ですが、定価での購入は難しいといえるでしょう。

また、旭酒造によると、「獺祭らしさをより味わうなら、出荷時からなるべく時間をおかずに飲むべき」とされ、出荷時から長くても3カ月以内に飲むことが推奨されています。

出荷できる状態にした時期をラベルの『製造時期』で確認し、できるだけ鮮度が高い商品を選ぶようにしましょう。

獺祭を高値で買う時は注意が必要

どうしても獺祭が欲しい場合は、価格が高くても購入しようと思うことがあるでしょう。正規品に間違いないとしても、高値で購入する際は注意すべきことがあります。

品質が落ちている可能性がある

獺祭に限らず、定価の数倍もの高値で販売されている銘柄は、蔵元から出荷され販売店で売られるまでに、卸業者や転売屋といった中間業者を経由しています。

獺祭の高い人気に乗じて、こういった業者が手数料を取りながら卸し先に高値で流していくため、最終的な販売店は適正価格が分かっていても値段を下げられません。

また、多くの業者を経由することで、消費者の手に渡るまでの期間が必然的に長くなります。

出荷時から時間が経つにつれ、酒は一般的に品質が落ちていきます。獺祭の蔵元も、出荷時からできるだけ時間をおかずに飲むよう、自社サイトなどで推奨しているのが現状です。

獺祭を高値で購入する場合は、品質が落ちている可能性も考慮し、ラベルを見るなどして出荷時期の確認もする必要があるでしょう。

不当に高い価格で売られることも

芋焼酎の魔王や森伊蔵など、希少価値が高いことで人気がある酒の中には、定価に対し数倍の価格で販売されるような『プレミア酒』といわれる銘柄があります。

獺祭も、国内外で高い評価を受ける日本酒であり、メディアに取り上げられるなどして世間から注目され始めてからは、市場において定価の2~3倍もの値段で販売されていた時期がありました。

酒の価格が高騰する理由の一つとして、需要の増加に生産が追いつかないことが挙げられ、獺祭も同様の状況が避けられませんでした。

旭酒造や直売店などではなく、スーパーや通販でしか獺祭を見たことがなかった人たちの中には、定価の2~3倍の価格が獺祭の正規価格だと思い込んでいた人も多かったようです。

獺祭の蔵元が推奨していない

獺祭が市場で高く売られる場合があることに関しては、「品質が良い状態の獺祭をできるだけ多くの人に定価で楽しんでもらいたい」との想いを持つ蔵元にとっても、決して望ましい状態ではありませんでした。

2017年12月には、新聞広告の1面を利用し、「高価な値段で売られている獺祭を購入しないでほしい」と蔵元が世間に呼びかけ、世間の話題になったこともあります。

広告を出したことについては、現在の四代目社長が、「獺祭の適正な価格を知らない人が多いため、正規の値段で獺祭を味わう権利を持つ消費者を守る意味でも苦渋の選択だった」と後に明かしています。

獺祭と島耕作の次のコラボを待とう

『獺祭 島耕作』とは、人気の日本酒『獺祭』と、人気漫画シリーズ『島耕作』のコラボブランドです。

両者のコラボブランドは、西日本豪雨が発生した時期と令和へ元号が変更した時期に発売されています。

今後も世の中を揺るがす大きな出来事が起きた際には、獺祭と島耕作のコラボ商品がリリースされる可能性があります。

過去は2度とも数量限定であったため、できるだけ早めに情報をキャッチできるようにしておきましょう。

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