中華料理には8種類もある?中華料理のマナーとおすすめ店を紹介

2019.09.21

あらゆる食材がさまざまな調理法で提供される中華料理は、とても人気のあるジャンルといえるでしょう。長い歴史に支えられた中国文化の一翼を担う中華料理について、その種類やマナー、さらにおすすめのお店について解説します。

中華料理の基礎知識

一口に中華料理といっても、実はとても幅広いものです。日本の食卓にも定着しているものもあれば、日本人には耳慣れないメニューも数多く存在します。

広大な中国では、各地で料理の傾向が異なります。四川料理などのように、ご当地の地域名を冠して呼んだりもするのです。

このように中華料理は一言で簡単にくくれるものではありません。今までは知らなかった、奥深い中華料理の世界に足を踏み入れてみましょう。

日本における中華料理

ところで、日本では中華料理という言葉は一般的ですが、他方で『中国料理』と呼ぶこともあります。どのような違いがあるのでしょうか?

まず、中国料理について見てみましょう。中国料理は、中国で実際に食べられている料理のことをいいます。現地で用いられる食材を、現地で調理する方法で作るものです。

一方で、中華料理という表現は中国では使用されません。中国で料理の種類を表現する際は、広東料理や四川料理など料理の具体的な種類で表現されます。また、中華料理という表現は、日本人の舌に合うようにアレンジされた、中国発祥ではない中国料理という意味も持っています。ラーメンやチャーハン、餃子などが代表的な例です。

中華料理は大きく分けて8種類

とても広大な面積を有する中国では、同じ国内でも、地域によって使う食材や味付けなどが異なります。

大別すると中華料理は大きく8種類に分類されます。ここからは、それぞれについて説明します。耳馴染みのあるものもあれば、知らなかったジャンルもあるでしょう。

  • 上海(しゃんはい)料理
  • 広東(かんとん)料理
  • 北京(ぺきん)料理
  • 四川(しせん)料理
  • 浙江(せっこう)料理
  • 湖南(こなん)料理
  • 福建(ふっけん)料理
  • 安徽(あんき)料理

中華料理といえば四大中華料理

8種類の中華料理は、当然、それぞれ異なる魅力や特徴を持っています。「中華料理はどれも一緒」と思っている人も、その違いについて意識を向けてみましょう。まずは、四大中華料理と呼ばれるものから説明します。

小籠包などで知られる上海料理

上海は、中国東部の海岸線のほぼ中央に位置し、世界有数の経済都市です。その上海で親しまれている郷土料理を『上海料理』と呼びます。

上海料理といえば、日本の食卓でも馴染み深い包子(ぱおず)や八宝菜、あるいは上海ガニを使った料理などです。

上海には長江という大きな川が流れており、魚介類が豊富に収穫されます。また、平野が多いため、農作物の栽培にも適しています。海と大地の恵み両方に支えられて発展したのが上海料理です。

焼売や酢豚など日本でも一般的な広東料理

中国の南端部にある香港やマカオを中心に好んで食されているものが『広東料理』です。8種類の中華料理の中で、最もダイナミックなジャンルといえるでしょう。

なぜなら、『人間以外はすべて食材にする』とまでいわれるほど、あらゆるものを食材として活用し、発展してきた経緯があり、バラエティーに富んでいるためです。

日本でも高級料理として親しまれているフカヒレや燕(つばめ)の巣や、日本でも人気の高い飲茶も、広東料理です。幅広い食材を用いるため、ネギやショウガ、胡椒といった強い薬味や香辛料を使う点も特徴といえます。

北京ダックなど高級な北京料理

中国の首都である北京で食されているものが『北京料理』です。かつて栄えた貴族階級向けの高級料理から、一般市民が食べていた家庭料理や屋台など全般を指します。

日本では高級なメニューとして知られ、人気の北京ダックは、その代表的な料理です。皮を香ばしくパリッと焼き上げる技術は、四川の宮廷料理人が『おこげ』作りで磨いたノウハウが基礎となっているようです。

そもそも高貴な位の人々に向けて提供されていたことから、北京料理には繊細で美麗なメニューが並びます。また、獣肉や小麦粉などを使用することが多い点も特徴です。

麻婆豆腐など辛さが魅力の四川料理

辛い中華料理と聞けば、『四川料理』をイメージする人も多いでしょう。中国南西部の山あいに位置する四川省を中心に伝えられてきた料理です。

四川省は盆地が広がり、夏は高温多湿、冬は厳寒な気候です。そのため、一年を通してたくさんの汗を出し、身体機能を保持する必要がありました。それが、四川料理に辛いメニューが並ぶ理由だと言われています。

四川省は海に面していないため、穀物や野菜、獣肉を主に使用する料理がメインになります。そのため、野菜と肉で食する麺類が豊富なのも特徴の一つです。

中国ではさらに四つの地域の料理が有名

8種類に分かれる中華料理のうち、ポピュラーな四つのジャンルについて紹介しました。ここからは残る4種類に関しても解説します。

初めて目にするジャンルもあるかも知れません。この機に華料理に関する知識の幅を広げましょう。

塩味でさっぱりとした浙江料理

浙江省(せっこうしょう)は、中国東部にあり、上海の南部に位置する都市です。同省の東は東シナ海に面し、内陸部に進むにつれ広大な農村部を擁しています。その浙江省で親しまれているのが『浙江料理』です。

日本でもすっかり定着した紹興酒や金華ハムは、多くの人にも馴染みがあるでしょう。それらは、浙江が発祥とされています。

浙江料理は、鮮やかに盛り付けられることで知られており、とても華やかな料理です。東シナ海で獲れる魚介類や、省内の川や湖に生きる淡水魚などをふんだんに使った魅力的な料理が並びます。

その他にも内陸部に育つ野草や野菜も用いて、ソフトな歯ごたえの、塩味でさっぱりした仕上がりに調理される点も特徴です。

辛味と酸味が特徴の湖南料理

中国三大湖の一つとして知られる洞庭湖(どうていこ)の南に広がる都市が、湖南省(こなんしょう)です。ここに古くから伝わる料理が『湖南料理』と呼ばれています。

辛く、強い酸味のある味付けが特徴的な料理です。日本でもファンの多いスープである酸辣湯(さんらーたん)を例に挙げると、その味をイメージしやすいでしょう。

唐辛子をふんだんに使用することが、四川料理との共通点です。そして、湖南料理の特徴である酸味があるかないかで、それぞれの違いをなしています。

台湾など南で食べられる福建料理

中国の東南部に位置し、海と山あいからなる湾岸都市の福建省(ふっけんしょう)で食されているものが『福建料理』です。台湾や海南島など、中国本土から渡った島でも食べられています。

出汁に乾物を用いた料理が目立ちます。味付けとしては、塩味を控えめにした淡白なものか、それに甘さを加えた風味のものが多く、比較的優しい味わいが特徴です。

南国風の気候であるため、そこで育つフルーツを使うことで、酸味と甘さをたたえた料理が人気です。湖南料理の酸辣湯と比べると、刺激が少なめの酸味がほどよく感じられるでしょう。

薬膳料理に近い安徽料理

上海から西に進んだ内陸部にある町が安徽省(あんきしょう)です。そこで作られているものが『安徽料理』です。

安徽料理の最大の特徴は、医食同源を重んじ、健康を優先している点にあります。いわば薬膳料理に近いもので、体に優しいメニューの数々です。

日本でも、滋養強壮にすっぽんを食することがあります。安徽料理では、それに加えてカエルなども食材に用いることもあり、食べ慣れない日本人からすると特殊な料理に感じる人も少なくありません。

中華料理で使われる調味料と香辛料

中華料理には、辛いものから甘いものまで、実に様々な調味料や香辛料が使用されています。ここからは中華料理を支えている調味料・香辛料について解説します。

代表的な中華料理の調味料

四川省が発祥の『豆板醤』は、日本でも広く知られる調味料でしょう。そら豆を原料とした辛味噌で、蒸した後に麹や唐辛子などを入れて発酵させます。

香港を拠点とする七ツ星ホテルのペニンシュラの料理長が開発したものが『XO醤』です。伝統ある中華料理中では比較的に新しい調味料で、最高級のブランデーをあらわすXOという称号からその名が付けられました。

牡蠣からとった『オイスターソース』も、中国の調味料を代表するものです。塩水に生牡蠣をつけ、発酵させた後に煮汁を濃縮して作ります。

その他にも甜麺醤、芝麻醤豆鼓醤、桂花醤など、いくつもの調味料が中華料理の歴史を支えています。

中華料理の香辛料の種類

中華料理の香辛料といって、まず思い浮かぶものが『唐辛子』でしょう。そして、『鷹の爪』と『朝天』の2種類が、主に使用される唐辛子です。

鷹の爪は細く尖った形状の唐辛子で、マイルドな辛さが特徴です。朝天はフワッと膨らんだ形をしていて、強い辛みを持っています。四川料理には欠かせないものです。

多少のクセを感じさせるため好みが分かれますが、『八角』は中華料理に無くてはならない香辛料といえるでしょう。肉の臭みを取り、柔らかくする効果があります。

その他にも、花椒、陳皮、桂皮、甘草といった聞き慣れない香辛料も、中華料理には不可欠な香辛料です。

中華料理の円卓にはルールがある

中華料理をいただくときに、誰もがイメージするものが円卓ではないでしょうか。実は円卓で食事をする際にも、作法があることを知っていますか?ここからは円卓における一般的なルールやマナーをご紹介します。

主賓を行動の最初に

円卓にも上座・下座があります。入口から最も遠い場所が上座で、主賓が座ります。その左隣りが2番、主賓の右隣が3番です。そして2番の左隣りが4番、3番の右隣が5番となり、最終的に主賓の正面が下座になります。

円卓に、次々と料理が運ばれます。その時、円卓にある料理は、まず主賓から手を付けるものと決まっています。それ以外の人がはじめに取ることは避けましょう。

回転台の上の料理は必ず回してとる

円卓に乗せられた大皿から料理を取るときは、時計回りに回転させます。また、円卓上で大皿を自分の方に引き寄せてもいけません。必ず円卓を回して料理を取るようにします。

円卓上の料理を取る際には、例え取りにくくても、立ってよそうなどの行動も慎みましょう。座ったままで料理を取るようにします。

円卓に、茶わんやグラスを乗せる人を目にすることがありますが、これも実は中国ではマナー違反です。円卓には、運ばれた大皿やもともと備え付けられていた調味料など以外は載せないようにしましょう。

中華料理の食べ方のマナー

日本料理にも様々な食べ方のマナーが存在しているように、中華料理にも独自の作法があります。

器の取り扱いに注意

大皿で提供された料理を、それぞれの小皿や器に取っていただくことが、中華料理の形式です。その時に、器の取り扱いにも十分に注意が必要です。

まず、一つの器や小皿は、一皿につき料理1品だけに使用します。一度料理をよそった器に、別の料理は取りません。そして、シェアする大皿から自分のお皿に取った料理は、できる限り食べきるようにします。

レンゲを上手に使おう

中華料理では、器を手に持って食べることはマナーに反しています。これは、和食との大きな違いなので、知っておくとよいでしょう。

例えば、チャーハンなどを小さいお椀によそうと、和食のようについ持ち上げてしまいがちです。しかし、レンゲを使ってお椀を持たずに食べましょう。

麺類は長くて食べにくく、汁の飛び跳ねも気になります。そのため、お椀を口元の近くに寄せたくなってしまうものです。しかし、ここでもレンゲを上手に使い、麺をレンゲに乗せて口元に持っていくようにします。

食べる順番を知っておこう

中華料理にも、食べる順番があります。専門店ならば、食べるべき順に料理が運ばれるでしょうから、その通りに進めていけば問題ありません。

しかし、同時に別々の料理が出てきたときや、既にいくつかの料理が並べられているときのために、食べる順番を覚えておきましょう。

まず、前菜からスタートします。次にスープです。前菜からスープの流れで、舌と胃をなじませましょう。

その後、肉や魚などの主菜をいただきます。いわばその食事のメインですので、見た目で主菜を判別できます。

その後にご飯ものや麺ものの主食に移ります。そして、点心が献立にある場合は、主食の後です。ここはあまり知られていないので、よく理解しておきましょう。

最後に中国茶をいただき、一通りの食事を終えることとなります。

横浜中華街のおすすめ中華料理店

中華料理関して、その歴史やジャンル、作法について解説してきました。これさえ知っておけば、誰と一緒でも不安なく中華料理をいただくことができるでしょう。

マナーや礼儀は大切ですが、やはり中華料理は美味しく食べることが一番です。中華料理のメッカともいえる横浜中華街にある、おすすめのお店を厳選して紹介します。

小籠包が人気の招福門・點心酒家

飲茶を思いっきり食べたいなら、『招福門・點心酒家』(しょうふくもん・てんしんしゅか)がおすすめです。横浜中華街で唯一、香港飲茶の食べ放題プランのあるお店で、時間も無制限と嬉しい内容です(お盆・正月などは時間制限あり)。

同店は、フロアごとに料理の内容が異なります。先述の食べ放題フロアの他に、本格的な広東料理を味わえる『魚翅酒家』、安徽料理に根差した薬膳料理を提供する『美食同源』など、多彩な中華を堪能できるお店です。

  • 店舗名:招福門
  • 住所:神奈川県横浜市中区山下町81-3
  • 電話番号:045-664-4141
  • 営業時間:平日11:30~22:00(L.O. 21:00) 土・日・祝11:00~22:00(L.O. 21:00)
  • 定休日:無休
  • 公式HP

本格広東料理の菜香新館

中華料理店がひしめく横浜中華街にあって、なかでも本格的な広東料理との定評がある名店が『菜香新館』(さいこうしんかん)です。確かな味を求める人で連日賑わう人気店として知られています。

本格中華とはいえ、価格は驚くほどリーズナブルです。広東料理のなかでも高級なふかひれの姿煮なども、手頃な価格でいただけるので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

  • 店舗名:菜香新館
  • 住所:神奈川県横浜市中区山下町192
  • 電話番号:045-664-3155
  • 営業時間:11:30~ 21:30(土・日・祭日は11:00~)
  • 定休日:第2火曜日(祝日の場合および8月・12月は営業)
  • 公式HP

北京ダックが食べ放題の皇朝

中華街を歩けば、食べ放題プランを打ち出すお店はたくさんあります。食べ放題だけでは没個性で埋もれてしまうほど競争の激しい中華街にあって、常に高い評価を得ているお店が『皇朝』(こうちょう)です。

中国料理世界大会のチャンピオンが在籍する同店は、確かな技術に裏打ちされた料理の味に定評があります。高級料理である北京ダックが食べ放題ということもあり、数多くのファンを持つお店です。

  • 店舗名:皇朝
  • 住所:神奈川県横浜市中区山下町138-24
  • 電話番号:045-663-9856
  • 営業時間:11:00~22:00(L.O.21:30)
  • 定休日:無休
  • 公式HP

四川料理が気軽に楽しめる重慶茶樓

横浜中華街で30年以上の歴史を有する四川料理の名店といえば重慶飯店ですが、同店が四川料理の飲茶専門店として手掛けているのが『重慶茶樓』(じゅうけいさろう)です。

洗練されたモダンな店内は、名門の名に恥じない雰囲気を存分にたたえています。高級店によるお店とはいえ、肩ひじ張らず、気軽に四川料理を楽しめることも、重慶茶樓の魅力でしょう。

多彩な四川料理の数々に加え、中国茶も20種類以上を取り揃えています。しかもリーズナブルな価格設定とはっては、評判を呼ぶのも当然のことかも知れません。

  • 店舗名:重慶茶樓
  • 住所:神奈川県横浜市中区山下町185
  • 電話番号:045-681-0807
  • 営業時間:月〜木11:00~21:00(L.O. 20:00) 金・土・日・祝 11:00~21:50(L.O. 20:50)
  • 定休日:無休
  • 公式HP

中華料理を楽しもう

中国の長い歴史に支えられた中華料理には、ひとくくりにはできない様々ジャンルがあります。それぞれに異なる魅力を持っているため、角度を変えて楽しめることも、中華料理の魅力といえるでしょう。幅広く、かつ奥深い中華料理をもっと楽しんでみましょう。

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