獺祭の意味とは?人気の日本酒・獺祭の名前の由来やこだわりを知ろう

2019.09.19

山口県生まれの日本酒『獺祭』は日本だけではなく、海外にも多くのファンがいます。日本酒を代表する超メジャーな『獺祭』ですが、元々の名前の由来をご存知ですか?今回は『獺祭』に込められたこだわりやその名前の由来などについて紹介します。

獺祭の意味は?

『獺祭』の『獺』とはどのような意味でしょうか? 読み方、書き方もむずかしいこの漢字は『獺祭』の知名度が上がったことで、人々に広まったといえるかもしれません。まずはこの『獺祭』の意味について紹介します。

元々はカワウソが魚を並べること

『獺祭』の『獺』はカワウソを指します。

カワウソが自分の食料として魚を捕獲して、その魚を並べる様が祭りのときに先祖供養のために食べ物を並べる様子と似ているため、『獺祭』と呼ばれるようになりました。

そのため『獺祭』はカワウソに加えて、「食べる」という意味が付け加えられました。

また、中国(唐)の詩人が、文章の執筆をするとき、たくさんの書物や文献を周囲に置いて参照する姿を、『獺祭魚』と呼んでいました。

それを由来として『獺祭』には詩文を作るとき、たくさんの書物を周囲に広げる様子、という意味もあります。

山口県の日本酒 獺祭

『獺祭』と言えば、今やカワウソよりも山口県の日本酒である『獺祭』を思い浮かべる人の方が多いかもしれません。

日本酒好きでなくとも、『獺祭』という名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

日本酒『獺祭』はいろいろな意味で革新的であり、老若男女を問わず高い人気を誇り、今や日本だけではなく世界中でその名を轟かせています。

獺祭の名前の由来

『獺祭』を製造している旭酒造は昭和23(1948)年の設立以来、『旭富士』という普通酒を醸造していました。しかし三代目になったとき、『旭富士』の醸造を廃止し、その代わりに『獺祭』が生まれました。銘柄『獺祭』にはどんな蔵元の願いが込められているのでしょうか。

酒蔵である旭酒造の地名

旭酒造は山口県岩国市の「獺越(おそごえ)」という場所に酒蔵があります。『獺祭』という名前はその地名にちなんで「獺」という字が使われています。

酒蔵の地名を銘柄名に入れた『獺祭』は、その地元の土地に対する感謝や愛情を感じますね。

正岡子規の別号 獺祭書屋主人

明治時代の日本の文学界に革命を起こしたとされている正岡子規は、自分のことを『獺祭書屋主人』と呼んでいました。

『獺祭』には文学界に革命を起こした正岡子規と同じように、日本酒界に革命を起こす、という意思と、旭酒造のキャッチフレーズである「酒造りは夢創り、拓こう日本酒新時代」という思いも込められています。

獺祭の種類にある言葉の意味

『獺祭』には『獺祭』『獺祭 磨き』『獺祭 遠心分離』『獺祭 磨きその先へ』などの種類があります。それぞれの言葉にはどのような意味があるのかについて紹介します。

磨きは精米歩合を表す

『獺祭 磨き』には『磨き二割三分』『磨き三割九分』などの種類があります。

この『磨き』は精米歩合のことを表し、私たちがご飯として食べている白米は精米歩合が9割(90%)程度になります。

日本酒の世界では精米することを『米を磨く』と表現します。

つまり、それぞれの『獺祭』がどのくらい精米されているか、ということを表しているのです。

45や二割三分は精米歩合の数値

『獺祭 磨き』の先にある45や二割三分などの数字は精米歩合を示しています。

日本酒は一般的に以下のような割合で酒のランクが決められています。

  • 70%以上 本醸造(玄米を30%以上削った状態)
  • 60%以上 吟醸
  • 50%以上 大吟醸

例えば、『獺祭 磨き二割三分』は77%の玄米を削り、残り23%を使って醸造していることになります。

通常、米を磨く(削る)には労力やコストが掛かるため、多くの酒造メーカーでは、ランクギリギリの50%未満で大吟醸が作られている場合がよくあります。

しかし、『獺祭 磨き二割三分』はそれをかなり上回る77%の削りを徹底しています。

以前、『獺祭』は『獺祭50』という気軽に飲めるスタンダードな日本酒を製造していましたが、2019年4月よりさらに5%磨いた『獺祭45』へと変更しました。

スタンダードだから品質はそれなりにではなく、その5%の違いで繊細さやキレが変わるので、そのおいしさを感じて欲しいという『獺祭』のこだわりです。

遠心分離は製法に違いがある

旭酒造は日本で初めて酒の醸造工程に『遠心分離機』を導入しました。

本来ならば、布袋などにもろみ状態の白くどろどろした酒を入、機械で圧迫して透明の日本酒を搾りますが、『遠心分離機』では圧搾せずに、無加圧状態で酒を分離しています。

機械で圧迫しないため、もろみにストレスがかからず、本来の風味や香りを保つことができるというわけです。

機械で搾り取れば、日本酒は最後まで無駄なく取れますが、遠心分離機ではストレスをかけないため、40%ほどしか日本酒が取れないので、生産できる量は下がってしまいます。

しかし、量よりも質を求める『獺祭』のこだわりでこの方法が採用されています。

獺祭は由来通りにこだわりがある

『獺祭』の破天荒とも取れるようなその革新的な製造方法は、揺るぎない日本酒に対するこだわりから生まれたものです。『獺祭』のこだわりとはどのようなものなのかについて紹介します。

酒蔵としては珍しい杜氏の廃止

『獺祭』を造った現旭酒造の社長である桜井博志氏は、200年以上続いた日本酒の作り方の体制を変革させました。

その中でも「杜氏の廃止」は衝撃的でした。

杜氏は酒造りのときに指揮をとる重要な役目を担っていますが、杜氏の普段の仕事は農業などで、冬で農業がお休みのときに酒蔵に訪れ、春になるとまた農業に戻ります。

杜氏は酒造りに関する権限を全て持っているため、品質に問題があった場合や思ったものと違うものができたとしても、ほかの人では解決策が分からず、それを売るしかない、とう問題がありました。

しかしその技術を社員が学び、常に酒の品質管理をすることで、納得のいく出来上がりになり、酒造りも冬だけではなく、1年を通してできるようになったのです。

日本酒新時代を拓いた受賞歴

『獺祭』の日本酒造りに対する情熱は、さまざまな革命を起こし、今までの日本酒造りの歴史を覆してきました。

そのこだわりは全ておいしい日本酒を作るためという目的に通じています。

そして、その想いはしっかりと人々に届き、日本のみならず海外でも評価され、モンドセレクションで金賞、インターナショナルワイン&スピリッツコンペティションで金賞をそれぞれ受賞しています。

23%でも満足しない その先へ

『獺祭 磨き その先へ』という『獺祭』の中でも最高級のお酒があります。これは、23%よりも磨かれた米を使用していますが、精米歩合は公表されていません。

『獺祭 磨き その先へ』は日本酒では類を見ない、3万円を超える高級な酒です。

ここには23%の先にある酒の味、という意味も当然含まれていますが、世界に進出するための日本酒の課題も込められています。

ワインのように、高級なワインは1本数万円、場合によっては数十万円するのが当たり前の業界で、日本酒だけが手を掛けても価格が変わらないのはおかしい、という『獺祭』の新しい試みでもあります。

獺祭は変革と革新のこだわりを持ったお酒

『獺祭』は絶えず変化し、おいしい日本酒を作るためであれば、今までの常識も概念、会社の体制までも潔く切り替え、新しいことにチャレンジしていく柔軟性を持っています。

歴史の長い日本酒造りに変革を起こした『獺祭』は、これからもその先へ向かって新しい試みをしていくことでしょう。

そんなこだわりの『獺祭』を一度試してみてはいかがでしょうか。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME