登山の服装は重ね着が基本。気候に応じて素材や枚数を調整しよう

2019.09.18

登山の服装は『レイヤリング(重ね着)』が基本です。登山用に一式揃えるなら、レイヤリングを意識して選びましょう。ベーシックなスタイルから季節ごとにおすすめの服装までまとめて紹介します。小物も活用して快適な登山スタイルを実現しましょう。

登山の基本的な服装

登山にはどのような服装が適しているのでしょうか?基本的な服装を把握して、快適な登山ができるよう準備を始めましょう。

まずは『レイヤリング(重ね着)』について詳しく解説します。

重ね着で体温調整が基本

登山の基本的なスタイルは『レイヤリング(重ね着)』です。山の中では天気や気温が変わりやすいため、状況に応じて体温調整できるよう重ね着するのが一般的です。

レイヤリングは『アンダーウェア』『ミドルウェア』『アウターウェア』の3層構造で、それぞれ重要な役割を担っています。

肌に直接触れるアンダーウェアは、吸湿速乾性の高さが求められます。ミドルウェアは保温性、アウターウェアは防水・防風性の高さが重視されるのです。この3層構造を作ることで快適な登山スタイルに仕上がります。

脱ぎ着の判断は自分で行おう

服の脱ぎ着は、同行者や周りに合わせるのではなく自分の判断で行いましょう。同行者に「暑くない?」「脱いだほうがいいよ」といわれたとしても、自分が快適なら必ずしも変える必要はありません。

暑さや寒さの感じ方は人それぞれで、心地よいと感じる基準もバラバラです。そのため、服装の調整は常に自分の感覚に従うことが大切です。

防寒重視なら保温性の高いミドルウェア、涼しさ重視なら速乾性に優れた薄手のアンダーウェアを着用した上で、必要に応じて脱ぎ着の判断をしましょう。

アンダーウェアが快適さを左右する

3層構造になっているレイヤリングの中でも、アンダーウェアは快適さを左右する重要な役割を果たします。自分の体にぴったり合ったアンダーウェアを見つけて、心地よい服装に仕上げましょう。

アンダーウェアを選ぶときのポイントを三つ紹介します。

吸汗性と速乾性が重要

アンダーウェアの機能として重要なのは、吸汗性と速乾性です。登山中にかいた汗を素早く吸い取って発散させて乾かすことで、ドライな肌をキープしてくれます。

二つの機能が備わっていないインナーを着用した場合、肌についた汗が冷えて体温が奪われるでしょう。その結果、汗冷えが起きて『体力の消耗』『注意力の低下』につながるおそれがあります。

症状が悪化すると『低体温症』につながる危険性もあるのです。機能性の高いアンダーウェアは、登山中の体調管理に欠かせないアイテムと捉えてしっかり選びましょう。

アンダーウェアにおすすめの素材

アンダーウェアを選ぶときは、機能性とともに素材もチェックしましょう。基本的には『化学繊維(ポリエステルやポリプロピレンなど)』『天然繊維(メリノウール)』『ハイブリッド(化学繊維+天然繊維)』のいずれかが使用されています。

化学繊維は吸汗性と速乾性に優れているため、アンダーウェアの機能としては十分です。アクティブに動き回る登山にぴったりといえます。

天然繊維の場合、吸汗性の高さのほかに肌触りのよさも魅力です。ハイブリッドは、化学繊維と天然繊維のよいところを掛け合わせています。近年、機能性の高さから注目が集まっているため要チェックです。

綿素材は速乾性が低くアンダーウェアには向かないため、避けたほうがよさそうです。

本格的な登山をするなら登山用を選ぼう

アンダーウェアには、普段着用と登山用があります。普段着用でもある程度の機能は備わっていますが、本格的な登山には頼りないかもしれません。

登山用アンダーウェアは、山でのあらゆるシチュエーションを想定して作られています。素材選びから機能性やデザイン性まで山仕様になっているため、安心して登山に集中できるのです。

急な悪天候や気圧の変化などシビアな状況になったときほど、普段着用と登山用の差が大きく出てきます。今後、登山を長く続けていく予定なら、登山用アンダーウェアの準備がおすすめです。

春〜秋の登山におすすめの服装

春〜秋の登山には、どのような服装が適切なのでしょうか。季節に応じた服装のポイントをチェックして、快適な登山スタイルを作りましょう。

寒暖差が大きいのでミドルウェアを活用

春〜秋は日中暖かいことが多いため、寒さ対策をおろそかにしてしまう傾向があります。実際には1日を通して寒暖差が大きく、山の中は天候が変わりやすいため、急な寒さにも対応できる服装が好ましいです。

ポイントは、ミドルウェアを工夫することです。前開きのシャツやフリースを着ていれば、寒くなったときに首元を閉めて温度調整できます。しっかり防寒するなら厚手タイプのミドルウェアを選びましょう。

保温着を持ち歩き、こまめな脱ぎ着で調整

涼しい季節でも登山中は汗をかくため、汗冷えして体調を崩す危険があります。このような事態を防ぐためには、保温着を持ち歩くことが大切です。バックパックの取り出しやすい位置に収納しておき、寒さを感じたらすぐに羽織りましょう。

登山中は、こまめな脱ぎ着で体温を調整すると最後まで体力がキープできます。特に長時間の休憩中は汗冷えしやすいため、保温着の着用が望ましいです。

夏は化繊の半袖がおすすめ

汗をかきやすい夏は、ポリエステルやポリプロピレンなど化学繊維の半袖アンダーウェアがおすすめです。速乾性に優れているため汗をかいてもすぐにドライな状態を保ち、快適に登山が続けられます。

特に、メッシュの編み込みタイプは着心地もよく人気があります。登山にはもちろん、普段着のインナーとしても活用できそうです。

冬だから厚着の考えは禁物

冬の登山は「厚着さえしておけばよい」と思っていませんか?実は、登山シーンにおいてこの考え方はとても危険です。

冬に適した登山の服装を三つのポイントに分けて解説します。注意すべき点もチェックして、冬の登山の準備に役立てましょう。

汗のかきすぎは危険。厚着を避ける判断も重要

冬は、厚着をしたり保温性重視のウェアを着用したりするなど、寒さ対策に力を入れる人が多いのではないでしょうか。しかし、このような服装では、暖かさを通り越して汗をかき過ぎてしまう傾向があります。

汗をかき過ぎると、冷えた汗によって体温が一気に奪われてしまうでしょう。つまり、冬だからといって厚着すると、かえって体調不良につながる可能性があるのです。

冬でも登山中は汗をかくことが多いため、その状態を想定して服装選びをするのが大切です。アンダーウェアは吸湿速乾性の高さで選び、全体的に厚着になっていないかチェックするようにしましょう。

アンダーウェアにはウールがおすすめ

冬に着るアンダーウェアはウール素材がおすすめです。優れた保温性を持っているため、暖かさがキープできます。他の素材と比べて防臭効果が高いのも嬉しいポイントです。

ただし天然繊維のため、ポリエステルなどの化学繊維に比べるとやや高価な傾向があります。値段と機能性を比べてコスパのよいほうを選んではいかがでしょうか。

アウターは高額でも機能性が高いものを選択

アウターウェアには、いろいろな種類があり金額もピンキリです。初心者の場合、多くの選択肢の中からどのようにして一つに絞り込むべきか悩んでしまうかもしれません。

冬は登山中の体調管理が難しい季節でもあるため、高額でも機能性が高いものを選んだほうがよいといえます。あらゆるシチュエーションにも対応できる優秀なアウターウェアを羽織っていれば、快適に登山が楽しめます。

同じ冬の季節でも、難易度の低い山なら動きやすい『ソフトシェル』、本格的な山なら悪天候にも耐えられる『ハードシェル』がぴったりです。

小物を活用して快適さアップ

登山の服装は、小物を活用すると快適さがアップします。高機能でデザイン性も高い小物を見つけて、登山へのモチベーションを高めませんか?

『帽子』『タイツ』『手袋』の役割や選び方について解説します。

帽子でけがや寒さ、紫外線から頭を守る

帽子は枝や落下物から頭を守ってくれるため、けが防止につながります。寒さ対策としても有効で、特に冬の登山には欠かせないアイテムです。

山は平地に比べて紫外線量が多いため、紫外線から頭を守る役割もあります。紫外線量は春から秋にかけて最も多くなりますが、1年を通して帽子は必需品と捉えましょう。

帽子を選ぶときのポイントは『UVカットされているか』『自分の頭にフィットしているか』『自分好みのデザインか』です。

登山タイツは複数の機能を持つ

登山タイツは『脚の疲れを軽減してくれる』『脚の動きをサポートしてくれる』などの機能を持っています。登山中に脚をぶつけてもタイツを履いていれば直接肌に触れないため、けが防止にも役立つのです。

『コンプレッションタイツ』『サポートタイツ』の2種類あり、それぞれ役割が異なります。登山中に必要な機能でタイツを選びましょう。

手袋は季節や山の状況に合わせて選ぶ

登山用の手袋は、けが予防や寒さ対策として季節に関係なく装着したほうがよいアイテムです。ただし種類は、季節や山の状況に合わせて選ぶようにしましょう。

暖かい季節なら薄手で通気性のよいものがおすすめです。寒い季節は、厳しい寒さから手を守れるよう厚手の手袋が向いています。

難易度の低い山の場合、周りの景色を写真におさめる余裕もあるためスマホ操作できる手袋にしてはいかがでしょうか。本格的な山には、滑り止め効果の高い手袋を装着して万全の装備で臨みたいところです。

状況に合った服装で登山を楽しもう

登山の服装は、レイヤリングを意識して組み合わせることが大切です。自分の体型や体質を考慮しながら、ベーシックな3層構造を作っていきましょう。

季節や状況に合わせてウェアを交換したり小物を追加したりすると、より快適な登山スタイルに仕上がります。機能性だけでなくデザイン性にもこだわると、登山気分がさらに盛り上がるのではないでしょうか。

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