独自の美意識を追求した画家・アングル。その作風や代表作は?

2019.09.17

「グランド・オダリスク」の作者として知られる画家のドミニク・アングル。人間の身体を独特の美意識でとらえ、多くの名画を輩出しました。批判されたこともありましたが、新古典派の巨匠としてその名を残しています。この記事では、そんなアングルについてご紹介します。

アングルとは

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(1780年 – 1867年)は、フランスの画家です。

新古典派の巨匠、ジャック=ルイ・ダヴィッドのアトリエで学び、以降、当時台頭してきたロマン主義に対抗する画家として、人気を博していくことになります。

独自の美意識による表現を用いたアングル

アングルは、絵のモデルを忠実に模写することよりも、自分の美意識に従ってデッサンすることを意識していました。

そのため、アングルの人物画には、解剖学を無視するかのような、長い四肢と胴体を持つという特徴がみられます。

その胴体の長さは、「脊椎が2~3個多い」と指摘されるほどなのですが、これこそがアングルの考える「美」だったという訳です。

新古典派の旗手と呼ばれたアングル

こうしたアングルの画風は当時の人々から「新古典派の旗手」と称賛され、1825年にはフランスの最高勲章であるレジオンドヌール勲章を授与されています。

また1855年に開催されたパリ万国博覧会では、アングルの大回顧展が実施されました。

批判されながらも描き続けたアングル

アングルが最後の作品となる「トルコ風呂」に着手したのは、82歳の時でした。

翌年に完成させていることからも、アングルが当時としては珍しい長寿であり、晩年まで比較的健康だったことがうかがえます。ちなみに1800年完成の「男のトルソ」から、実に63年間も描き続け、多くの作品を残しています。

ただし、当時の画壇には、独自の美を追求するアングルの画風について、辛辣な意見を述べる人も大勢いたと言われています。

批判の一方で多大な貢献も

当時の画家や評論家から批判されることの多かったアングルですが、その一方で、ポスト印象派と呼ばれる画家達に多大な影響を与えました。

アイディアの出し方や芸術性の高め方など、現代美術家にもつながるほどの影響力があったと言われています。

アングルの代表作はグランド・オダリスク

アングルという画家を語る上で欠かせないのが、代表作であり世界的名画として知られる「グランド・オダリスク」(ルーヴル美術館収蔵)です。

モデルとなっている女性のポーズ(横たわって肩ごしにふり返っている)が大変印象的で、ジャック=ルイ・ダヴィッドの「マダム・レカミエの肖像」(1800年)をもとに描かれたと考えられています。

無論、このグランド・オダリスクも発表当時から批判されましたが、現在では世界的名画として認知されています。

モデルの女性の四肢と胴体が長い

「グランド・オダリスク」の女性は、その四肢と胴体が長く描かれています。

これはもちろん、アングル独自の美意識によるものです。ある批評家によると、「脊椎の数が3本ほど多いような体型」とのことで、本来であればいびつなはずなスタイルのはずなのですが、その姿がとても美しく見えるのが不思議なところです。

批判に屈しなかったアングル

独自の美意識に従って描いていたアングル。新古典派の旗手として称賛される一方で、多くの批判も受けてきました。

しかし、それに屈することなく描き続けた結果、ドガ、ルノアール、ピカソといった世界的な画家に大きな影響を及ぼしたと言われています。

その代表作であるグランド・オダリスクはルーヴル美術館に収蔵されていますから、訪れる機会があったらじっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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