遠藤周作の代表作といえば?作風や生い立ちなどと合わせて解説

2019.09.17

戦前、戦後と日本では数多くの文豪が誕生しました。そして作家「遠藤周作」もその1人。彼の残した作品は現代においても重要視され、新しい世代の中にも支持者を増やし続けています。この記事ではそんな遠藤周作の代表作を紹介するとともに、彼自身にもフォーカスを当てていきます。

遠藤周作を知る

遠藤周作の名前は近代日本文学に精通する方にとって馴染み深いものでしょう。近年でも毎年話題となる賞を総舐めし、歴史的にも無視できない存在であった彼は、昭和時代を駆け抜けた名作家でした。ここからはそんな遠藤周作にフォーカスを当てて、数々の作品を生み出すこととなった所以を紹介していきます。

戦後日本を代表する作家

遠藤周作は1923年に東京で生を受けました。当時父親は大手銀行に努めるエリートであり、遠藤周作自身も例に漏れずエリート街道を進み、慶應義塾大学を卒業しています。なお遠藤周作は大学在学中に生活したカトリック系の学生寮「白鳩寮」で作家としての地盤となる様々な文学に没頭したと言われています。

その後戦争が終結した後、遠藤周作は自身が執筆したキリスト教についての評論が話題となり、作家としてデビューを果たします。その後は留学などの経験を積みつつ、2作目の小説である「白い人」で芥川賞を受賞し、一躍人気作家の仲間入りを果たします。

遠藤周作の代表作

遠藤周作の主題は昭和の文豪としては少数派の「キリスト教」でした。そのため著作は小説作品に限らず、カトリック系の戯曲や評論などにも精通し、様々なジャンルの執筆活動を行なっていました。彼の著作には、キリスト教的なテーマが含まれるものが多く、彼の著作のひとつの特徴となっています。

ここからはそんな遠藤周作の代表作品を紹介していきます。

白い人

白い人は知れ渡っている俗称であり、正確には「白い人・黄色い人」というタイトルです。本作は白い人と黄色い人それぞれを主人公にした物語であり、その内容は第二次世界大戦ごろの人種差別、宗教における問題を定義するものとなっています。なお本作は遠藤周作にとっての出世作品であり、出版の折には芥川賞を受賞したことで知られています。

沈黙

沈黙は白い人の発表から約10年語である1966年に出版された作品です。本作は江戸時代におけるキリシタンの弾圧をテーマとしており、熱心な取材によって裏付けられた史実を元に描かれています。また本作の内容は世界的な反響を呼び、遠藤周作自身最大のヒット作となりました。

本作は2016年に、巨匠マーティン・スコセッシ監督による映画化がなされ、窪塚洋介氏や浅野忠信氏が日本人キャストとして参加したことでも大きな話題になりました。

侍は遠藤周作が老齢に差し掛かった1980年に発表された作品です。本作は沈黙に引き続き江戸時代における宣教の旅、欧州訪問などが描かれており、「侍」と「キリスト教」という日本においての悲劇の歴史を取り上げています。

遠藤周作の裏話

ここからは遠藤周作が作品を発表していく中で起こったエピソードを紹介していきます。遠藤周作についてもっと知りたいという方は、ぜひチェックしてみてください。

ノーベル文学賞にあと一歩届かず

遠藤周作は、キリスト教徒という文化的背景もあり、彼の著作は欧米でも人気が高い世界的作家のひとりと目されていました。そんな中でも前述で紹介した「沈黙」は空前の大ヒットを記録し、ノーベル文学賞候補とまで言われるほどの人気を獲得します。

しかし言語の壁や表現感覚の違いなどで審査員からは良い反応を得られす、あと一歩のところで受賞を逃してしまったと言われています。翻訳文などがあと少し違っていれば、たとえば川端康成や大江健三郎のように、名実ともに日本を代表する文豪となっていたかもしれません。

文豪の筆跡には価値がある

遠藤周作は戦後の日本において「キリスト教」を大きく取り上げた文豪です。悲劇の歴史に彩られたその作品群はただの作品としてではなく、歴史的な文学作品として後世にも語り継がれていくことでしょう。もしも代表作について気になるものがあった時は、この記事の内容を参考にしてみてください。

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