物理学を理解するために読むべき本はどれ?入門書から原典まで

2019.09.17

大人になって物理学を勉強しなおそうとしたとき、どんな本から始めればいいか悩みますよね。そこでこの記事では、おもに文系の人を対象に、おすすめの本を3段階で紹介します。入門書・物理数学・有名な原典と、厳選しましたのでどうぞ。

物理学の世界を幅広く知るための入門書

まず、物理学とはどんな世界なのか一冊で見通せて、かつすぐれた内容の入門書を紹介します。

『文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る』

なぜ携帯電話は通じるのか?ウォール街で物理学者が活躍してるって本当?時間にはじまりはあるのか?意識とは、生命とは何か?身近な疑問から哲学的な命題まで、幅広く取り上げたのが本書です。

著者は宇宙論・素粒子論の第一人者である松原隆彦氏。筑波の高エネルギー加速器研究機構で、いまも最先端の研究に携わるひとりです。そんな松原氏が数式を使わず素人向けに書き下ろした1冊。これを読めば世界の見方がちょっと変わるかもしれません。

  • 商品名:『文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る』
  • 参考価格:1,512円(税込)
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『目で見る物理―力・運動・光・色・原子・質量…』

物理学はどのように始まりどう発展したのか?なぜ自転車はすぐれた乗り物なのか?力って何か?光の速さに近づくと何が起こるのか?まるで図鑑のように、どのページを開いてもカラフルな図付きで物理の世界がわかりやすく紹介されています。

著者はイギリスのテレビ司会者リチャード・ハモンド。BBCの自動車番組「トップ・ギア」の司会を長年務めたことで知られますが、じつは物理も大好き。邦訳には『仮想インタビュー 物質が語る自画像』という本もあります。子供も大人も楽しめる1冊です。

  • 商品名:『目で見る物理―力・運動・光・色・原子・質量…』
  • 参考価格:3,024円(税込)
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物理には欠かせない、物理数学のおすすめ本

浅い理解だけでは飽き足らない、やっぱり数式もちゃんと理解して物理学の本質をつかまえたい。こんな方向けに、高校数学までの知識で大学の物理に到達できる良書を、つぎにご紹介します。

『高校数学でわかる相対性理論』

比喩やイメージでなく、高校数学を使ってアインシュタインの特殊相対性理論をきちんと導出する。本書はこの1点にしぼって書かれた科学書です。光速度一定の原理から、数式を駆使して特殊相対性理論に至る過程がわかりやすく解説されています。

著者の竹内淳氏は早稲田大学の物理学教授で、ブルーバックスの「高校数学でわかる」シリーズでも有名です。同シリーズには本書の他に『高校数学でわかるシュレディンガー方程式』『高校数学でわかるフーリエ変換』などもあるので、気になった方はぜひお手にとってみてください。

  • 商品名:『高校数学でわかる相対性理論』
  • 参考価格:1,080円(税込)
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『物理数学の直観的方法』

高校物理までならなんとかわかる、でも大学物理になるとチンプンカンプン、独学しようにもまったくイメージがわかない…。こんな人にこそおすすめなのがこの『物理数学の直観的方法 理工系で学ぶ数学「難所突破」の特効薬』です。

ベクトル解析におけるrotの意味は?テイラー展開っていったい何なんだ?複素関数の目的と概略をひとことで言うと?本書はこうした物理学で大切な直観的イメージを与えてくれます。1987年初版ですが、伝説の参考書として読みつがれ、今でも大学生協で販売されるほど。数Ⅲまで履修して、大学物理に足を踏み入れた方なら、目からウロコの1冊です。

  • 商品名:『物理数学の直観的方法 理工系で学ぶ数学「難所突破」の特効薬』
  • 参考価格:1,166円(税込)
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やっぱり原典が面白い、科学史に名を残す名著

最後に、物理学の歴史を変えた記念碑的名著を2つ紹介します。

『プリンキピア』

『自然哲学の数学的原理』いわゆるプリンキピアは、1687年にアイザック・ニュートンが発表した著作です。この本によって、近代科学、とりわけ古典力学が基礎づけられ、その後の科学の発展につながりました。

プリンキピアは全3巻にわたります。そのなかでニュートンは質量や運動量といった概念を定義し、運動の3法則を示し、万有引力の数式からケプラーの第3法則を導き出し、抵抗や流体中での運動を解説し、そして地上の法則が天体にも適用できることを示します。難解ですが、近代科学の成立をまのあたりにできる原典として、科学史における最も重要な書物のひとつといえるでしょう。

  • 商品名:『プリンシピア 自然哲学の数学的原理 第1編 物体の運動』
  • 参考価格:1,620円(税込)
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『アインシュタイン論文選』

1905年、当時無名の青年だったアルベルト・アインシュタインは5つの論文を発表します。このどれもが、物理学のみならず科学界全体にとって重要な内容でした。本書『アインシュタイン論文選 「奇跡の年」の5論文』はそのすべてを収めた本になります。

特に特殊相対性理論を提示した「運動物体の電気力学」と、光量子仮説に関する「光の生成と変換に関する、ひとつの発見法的観点について」は必見。前者の論文はニュートン力学を変革し、後者の論文は量子論の発展につながりました。論文執筆の背景もくわしく書かれているので、現代物理学に興味があれば手元に置いておきたい1冊です。

  • 商品名:『アインシュタイン論文選 「奇跡の年」の5論文』
  • 参考価格:1,404円(税込)
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物理学の本の読み方には2種類ある

以上、入門書・物理数学・有名な原典と3段階で物理学のおすすめ本を紹介しました。知識の確認のために入門書から読んでもいいですし、知的チャレンジとしてニュートンあるいはアインシュタインの原著にあたるのもいいでしょう。

理解できそうなものから読んでみる、または理解できないかもしれないけれど読んでみる、物理学の本の読み方にはこの2種類あります。どちらかが正解ということもありません。ぜひ自分の好きなように試してみてください。

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