天ぷらの発祥はどこ?日本における天ぷらの歴史を知ろう

2019.09.14

代表的な日本料理として日本人だけでなく海外からの観光客にも人気の高い天ぷらですが、天ぷらにはどのような歴史があるかご存知でしょうか?日本人であれば知っておきたい天ぷらの歴史やルーツ、語源などについて解説します。

天ぷらの歴史

日本料理の代表的な存在である天ぷらですが、天ぷらはもともと日本の料理ではなかったとといわれると驚く方も少なくないのではないでしょうか?天ぷらの伝来から家庭の食卓で親しまれる料理になるまでの歴史を解説します。

室町時代にポルトガルから伝来

天ぷらは室町時代に鉄砲とともにポルトガルから伝来したと言われています。当時の天ぷらは野菜や魚に小麦粉の衣をつけて揚げたもので、現在の天ぷらとは少々異なるものでした。

その後、安土桃山時代にポルトガル人によって長崎に伝えられた『長崎天ぷら』が、日本の天ぷらのルーツとされます。『長崎天ぷら』は、水を使わずに小麦粉に卵や砂糖、塩などを練った分厚い衣が特徴で、素材と衣の味を楽しむものだったそうです。

ただし、当時の日本では油は貴重品であったため、天ぷらが庶民に広まることはありませんでした。

江戸時代に庶民に広まる

江戸時代になると油が手に入りやすくなり、天ぷらは江戸庶民の味として広まります。当時の天ぷらは屋台で売られており、串に刺した天ぷらに天つゆを付けて食べるスタイルが一般的だったそうです。今で言うところのファースト感覚だったと言えるでしょう。

また、江戸時代には天ぷらの作り方について書かれた文献も登場しており、その料理法は現在の天ぷらとほぼ同じだそうです。

家庭料理でもあり高級料理でもある

江戸時代には庶民の味だった天ぷらですが、幕末から明治に時代が移ると天ぷら専門の料理店が登場し、高級料理として扱われるようになります。

ところで、江戸を中心に食べられていた天ぷらが日本全国に広まるようになったのは大正時代に入ってからでした。関東大震災により職を失った東京の料理人が日本各地に移り住み、そのときに天ぷらも伝えられたと言われています。

その後、太平洋戦争が始まると物資不足から贅沢品となった天ぷらですが、戦後になると油の生産量が増え、家庭でも手軽に天ぷらを楽しめるようになりました。

天ぷらの発祥地は?

天ぷらは古くからの日本料理ではなくことについてはすでに述べましたが、そもそも天ぷらのルーツは一体どこなのでしょうか? 天ぷらのルーツや語源について解説します。

ルーツはペルシアとされる

天ぷらはポルトガル人によって日本にもたらされたことは前述しましたが、天ぷらのルーツはポルトガルではなくペルシア(現在のイラン)にあるとされています。

6世紀頃、ササン朝ペルシア帝国の王が『シクバージ』と呼ばれる料理を好んで食べていたそうです。この料理はもともと酢を大量に使った牛肉の煮込み料理でしたが、後に小麦粉をまぶした魚を使ったシクバージが作られるようになったと言われています。

このシクバージは地中海を通ってヨーロッパに伝わり、スペインやポルトガルでは揚げた魚に酢をかけて食べる料理になりました。この料理がポルトガルから日本にもたらされ、後の天ぷらになったそうです。

諸説ある天ぷらの語源

まずは天ぷらを日本に伝えたポルトガル語の『テンポラ』は『四季の斎日』を意味します。『テンポラ』は季節ごとの祈りの期間であり、この期間は肉食ができないため、小麦粉を付けた魚や野菜をフリッター状にして食べたそうです。

同じくポルトガル語の『テンペロ』も天ぷらの語源と言われています。『テンペロ』は料理という意味です。

他にもあぶらの当て字『天(あ)麩(ぶ)羅(ら)』が天ぷらと読まれるようになったという説や、中国の古い料理『塔不刺(タアフラ)』がなまって天ぷらになったという説もあります。

天ぷらについてさらに詳しく

知れば知るほど奥深い天ぷらの世界、さらに詳しく天ぷらについて知るため、地域の違いやかき揚げとの違いについて解説します。

地域の違い

天ぷらの作り方は地域、特に関東と関西で異なります。

まず衣の違いです。関東風の天ぷらは、衣に卵と小麦粉を水で溶いたものを使いますが、関西風の天ぷらは小麦粉だけを衣に使います。

次に使う油と揚げ方の違いです。関東風は高温のごま油を使って短時間で揚げるのに対し、関西風は低温のサラダ油で時間をかけて揚げます。

この違いの背景には、天ぷらに使われる素材の違いがありました。もともと関東では素材に魚を使うことが多く、魚の生臭さを取り除くためにごま油を使い、素材に野菜を使うことが多い関西では、野菜の持ち味を生かすためにサラダ油を使ったと言われています。

かき揚げとの違い

そば屋などでおなじみのかき揚げも天ぷらの一種ですが、調理方法が若干異なります。

天ぷらが素材を食べやすい大きさに切ってから衣を付けて揚げるのに対し、かき揚げは素材を細かく切り、素材全体に衣を付けてまとめてから揚げるのが特徴です。

なお、かき揚げの語源は、野菜や魚介類などの材料を細かく刻み、衣の中でかき混ぜて揚げることから『かき揚げ』と呼ばれるようになったと言われています。

歴史を知って天ぷらを楽しもう

日本料理の代表的な存在として、天ぷらは日本人だけでなく外国人観光客にも親しまれている料理です。

普段何気なく食べている天ぷらにも、深い歴史があることを知ることで、より一層天ぷらを楽しんで味わえるようになるかもしれません。

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