獺祭は山田錦だけを使った日本酒。人気の理由や種類を紹介

2019.09.16

酒米の王様『山田錦』のみを使った銘酒『獺祭』は日本酒好きにはもちろん、日本酒に馴染みのなかった世代や海外でも人気のお酒です。山口県岩国市の『旭酒造』が造る酒が、これほどまでに人気になった経緯と、『獺祭』の種類について解説していきます。

人気の日本酒 獺祭

『獺祭』は今や日本だけはなく海外でも人気のお酒で、安倍晋三首相がオバマ米大統領やプーチン・ロシア大統領ら各国首脳に贈ったお酒としても有名です。獺祭の人気の理由について見てみましょう。

山田錦だけを使った純米大吟醸

『獺祭』は酒米の王様と呼ばれる『山田錦』のみを使う、というこだわりの純米大吟醸酒です。

それだけではなく『獺祭』は『山田錦』の雑味などを取り除き、米の中心部にある、甘みが強い「心白」を使うため、全ての商品に使用される『山田錦』を50%以上削っています。

『山田錦』の栽培はとても難しく、「農家泣かせ」とも言われている希少な米です。その米を半分以上削って使うというその姿勢は、かなりのコストと労力が掛けられている証です。

獺祭の人気を押し上げた理由は?

獺祭が人気の理由の一つ目として、まず日本酒には珍しいフルーティーな味わいが挙げられます。香り高く飲み口もさっぱりとした『獺祭』は世代や性別、嗜好、料理などを問わず広く愛されているのです。

二つ目の理由は、『山田錦』のみを半分以上削って造るという銘酒でありながら、価格が比較的リーズナブルなことです。1瓶5000円以上する純米大吟醸も多い中、『獺祭45』は安価な価格設定です。

三つ目の理由はメディアでの露出度の高さではないでしょうか。安倍首相が各国首脳に贈ったり、アニメ映画『エヴァンゲリオン新劇場版』の中で取り上げられたりするなど、メディア露出の多さで話題になりました。

獺祭の種類は

人気の日本酒『獺祭』は今や蔵元がある山口県だけではなく、日本を代表する酒になっています。『獺祭』にはどのような種類があるのか、それぞれの種類について紹介します。

スタンダードな磨き

『獺祭』には『磨き』というシリーズがあります。「磨き」とは日本酒業界の言葉で「精米歩合」のことを指します。

『磨き三割九分』・『磨き二割三分』などの「磨き」のあとの数字は精米歩合の割合を指し、三割九分は39%、二割三分は23%という意味になります。

酒米は削れば削るほど甘くクリアな味のお酒が作れることが知らています。獺祭でいえば、三割九分は61%、二割三分は77%も酒米を削っているという計算です。

通常、日本酒は、50%削れば大吟醸ランクになりますが、『獺祭』はそれを大きく上回る削りで、こだわりの日本酒を造り続けています。

日本初の技術で作る遠心分離

『獺祭』の蔵元である『旭酒造』は、日本で初めて「遠心分離」の技術を日本酒造りに取り入れました。

通常はもろみを布袋の中に入れ、圧力を加えて機械的に搾って日本酒を抽出しますが、遠心分離法では遠心分離機の中にもろみを入れて、1分間に3000回転しながら無加圧で日本酒を分離させます。

これにより、もろみは圧力(ストレス)を受けず、もろみ本来のうまみや甘み、ふくらみなども感じることができます。

遠心分離法を使った酒造りは、従来の方法の40%の量しか生産ができないので、決して効率が良い方法とは言えませんが、味にこだわってこの遠心分離法を導入したそうです。

『獺祭 遠心分離』では、遠心分離法でできる「クリアで雑味のない酒質」の味と従来の方法でできる「パンチのある味」の両方をいいとこ取りするため、半分ずつ混ぜ合わせています。

スパークリングや甘酒

『獺祭発砲スパークリング』は、『獺祭』のにごり酒が使用されていて、飲みやすく、山田錦本来の甘みが感じられる味になっています。女性にも人気で、キレと共に豊かな香り高い味わいが楽しめます。パーティーシーンなどにも合い、日本酒が苦手な人でも飲みやすい味です。

また『獺祭甘酒』はノンアルコールで、子どもからアルコールが苦手な人まで楽しめます。この甘酒に使われているのは、『山田錦』の中でも『等外』という、粒ぞろいや虫食い、透明度などの理由で規格外として判別された米ですが、100%『山田錦』です。

『山田錦』は栽培が難しいので、栽培過程では必ず『等外』が出ます。従来、等外米は屑米として処分されてきましたが、『旭酒造』はそのようなリスクを農家だけに被らせたくない、という思いで等外米を含めた全ての米を購入しているそうです。

獺祭の値段は高い?

ここまでの説明でも、希少な『山田錦』だけを使った『獺祭』の高い人気ぶりをお分かりいただけると思いますが、肝心の値段はどれほどなのでしょうか?価格が高騰したこともある獺祭の値段に関する経緯を見ていきましょう。

過去には2~3倍の価格になっていたことも

『獺祭』は、過去その人気から手に入れたい人が増える一方で供給が間に合わず、品薄状態が続きました。そのため転売などが相次ぎ、価格が定価の2〜3倍になっていたことがあるのです。

しかし、そのように膨れ上がった価格でも欠品状態が続き高騰に終息の気配が見えなかったため、『旭酒造』は新聞広告を掲載しました。

広告では「お願いです。高く買わないでください。」という見出しと共に『獺祭』の全ての種類の定価と正規販売店を列挙しています。

この広告は大きな反響を呼び、一般のスーパーなどでも『獺祭』が定価以上の価格で販売されていたことが多くの人の知るところとなりました。

現在は定価で気軽に購入できる

『旭酒造』は『獺祭』の転売による価格の高騰の事態を受けて、現在では十分な供給がされるように生産体制を整えました。

適正な相場で上質な酒を味わってほしいという『旭酒造』思いと努力や、今まで一般の人が知り得なかった酒の定価を開示されたことで、今では定価で購入できる店やネット通販が増えて一時の高騰は沈静化しつつあります。

獺祭は日本酒以外に焼酎もある

『獺祭イコール日本酒」だと認識している人も多いですが、実は『獺祭』には焼酎もあります。ここでは『獺祭焼酎』について見てみましょう。

獺祭焼酎は粕取り焼酎

『獺祭焼酎』は『獺祭』を造る工程で出る酒粕を使用している粕取りの米焼酎です。

酒粕には通常、約8%のアルコールが含まれていますが、その酒粕を蒸留して焼酎を作ります。

『獺祭』の酒粕なので、『獺祭』の持つフルーティーな香りや甘みなどをそのまま引き継いだ、『獺祭』好きにも人気の焼酎です。

アルコール度数や味の特徴

『獺祭焼酎』のアルコール度数は39度と高く、ウイスキーやブランデーなどと同じくらいの度数です。

『獺祭』の特徴である豊潤な香りは蓋を開けた瞬間から感じることができ、濃厚な甘みはまるで日本酒を飲んでいるように楽しむことができます。

焼酎は水割り・お湯割りなどで飲むのが向いているとされますが、『獺祭焼酎』もストレートにはあまり向かないでしょう。

獺祭焼酎はどこで買える?

『獺祭焼酎』は酒粕から取れる少量のアルコールを使って蒸留したものなので、一気に作ることができません。

そのため『旭酒造』の公式WEBストアでも売られておらず、ネット通販ではプレミア価格になっているものばかりです。

たまに『獺祭』の直営店に並ぶことがありますが、もしも見つけることができたら本当にラッキーなので、すぐに購入することをおすすめします。

人気の日本酒獺祭を飲んでみよう

『獺祭』は革新的な方法で、年齢や性別を問わず色々な人から人気を集めている日本酒です。

ぜひ、こだわって造られた『獺祭』を飲んで味わってみてはいかがでしょうか。

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