赤飯はお祝い事だけじゃない?古来の原料や使われ方も解説

2019.09.13

お祝い事に食されるご飯といえば赤飯です。もち米に小豆やささげ豆などを混ぜたもので、初節句やお食い初めなど様々な行事で活躍してくれます。一方、古代の赤飯は現代とは異なる原料や風習で用いられていました。赤飯の歴史や特徴をご紹介します。

赤飯の歴史と風習について

日本における赤飯の歴史と風習についてご紹介します。

赤飯の歴史と風習

日本では古来において赤色に邪気を祓う力があると考えられていたことから、赤米を神様に捧げる風習がありました。当初は今のような小豆で色を付けた赤飯ではなく、文字通りの赤色の米である赤米を用いていました。

赤米は縄文時代の頃に中国大陸を経由して日本に伝わった米の種類で、炊くと赤色のご飯になるのが特徴です。その後、稲作技術の発展により、白米に小豆で色付けしたものが赤飯の主流になっていきました。

捧げものとしてだけではなく人間が食するようになった当初は、赤飯は縁起直しとして凶事の際に食べられることも少なくありませんでしたが、やがて祝い事の際に食べる風習が普及していきました。

赤飯に使われるささげ豆とは

赤飯によく使われる豆として小豆がありますが、小豆に次いで使われることが多いのがささげ豆です。ささげ豆の概要や小豆との違いをご紹介します。

ささげ豆について

ささげ豆はササゲ属の一年草であるササゲの豆にあたるものです。ささげという名称の由来は、莢がささげ物をする手つきに似ている、莢が牙のように見える、豆の端が角張っている、など諸説あります。

ササゲの豆は平安時代に「大角豆」という名称で記録されており、江戸時代の農業全書にも品種や栽培法が紹介されています。

ささげ豆が赤飯の材料として使用されるようになった理由は、江戸時代の武士の風習によります。小豆は煮ると皮が破れやすいという特徴があり、これが武士にとっては切腹を連想させるものであったことから、代わりにささげ豆を使用するようになりました。

小豆とささげ豆の違い

小豆の形状は細長く真っ直ぐで、丸みの少ないシャープな形をしています。豆の色自体ははっきりとしてしていますが、赤飯にすると淡く優しい色合いになるのが特徴です。優しげな見た目と同様に、食感も柔らかく香りも穏やかになっています。

ささげ豆は丸みの強い楕円形で、豆の端の中央部分がやや欠けたようになっているのが特徴です。豆の色合いは小豆に比べて比較的淡いですが、赤飯にすると逆に色鮮やかに炊きあがります。かための食感で豆本来の味わいが楽しめます。

赤飯に使われる南天と胡麻塩について

赤飯を食べる際によく添えられるものとして、南天と胡麻塩があります。それぞれが用いられる理由をご紹介します。

赤飯と南天の関係

赤飯の上に乗せることが多い植物の葉として南天(なんてん)があります。なんてんという名称が難を転ずることを連想させることから、赤飯に添えるのにふさわしい縁起の良いものとして普及しました。

また、名前による語呂合わせだけでなく、葉に含まれる成分に防腐作用が含まれていることから、冷蔵の技術が発達していなかった時代にご飯が腐敗するのを抑制する効果もありました。

赤飯と胡麻塩の関係

赤飯には胡麻塩をかけることが多いですが、防腐作用や味を整える以外にも、本来神様に供えるはずの赤米ではなく、小豆を使用した赤飯であることを「ごまかす」という語呂合わせで、胡麻をかけることが普及しました。

胡麻塩としてどんな胡麻を使うかは地域によって異なります。黒胡麻を使う、白胡麻を使う、黒と白を併用する、など様々です。また、塩の代わりに砂糖を使う場合もあります。

赤飯の楽しみ方は色々

 赤飯は現代ではお祝い事に用いられるのが一般的ですが、古代は捧げものとして誕生し、凶事の際に縁起直しとして食されることもありました。胡麻との組み合わせも色々です。

様々な顔を持つ赤飯を、もっと気軽に楽しんでみましょう。

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