獺祭の値段高騰は沈静化?人気の理由と現在の価格帯を調べてみた

2019.09.13

『獺祭(だっさい)』は、世界的な名酒として広く知られるようになった日本酒です。おいしい酒との評判が広まり、需要が一気に増加し、値段が高騰していた時期があります。獺祭の魅力に迫り、現在の価格相場について見ていきましょう。

獺祭とは?

獺祭の蔵元に関する情報や名前の由来、獺祭に込められた蔵元の想いなど、獺祭についての基礎知識を解説します。

人気の日本酒 獺祭

『獺祭』は、国内のみならず、国際的にも高い評価を集めている、山口県産の日本酒です。

山口県岩国市の『獺越(おそごえ)』という地域にある蔵元で造られており、地域名には『獺祭』に使われている『獺(かわうそ)』の字と同じものが含まれています。

元々、獺祭は中国由来の言葉で、書物を執筆する際に資料を乱雑に広げている様子を意味しています。

獺祭のごとく散らかった状態から大事なことだけを選び抜き、より良いものを造り出すという精神に、酒造りにおける革命的な想いを重ね合わせ、地元名に使われている『獺』の字にも掛け合わせることで、『獺祭』の酒名が付けられました。

蔵元は山口県の旭酒造

獺祭を製造している蔵元は、山口県岩国市にある『旭酒造株式会社』です。

1948(昭和23)年設立の蔵元で、かつては他の銘柄も醸造していました。しかし、「酔うため・売るための酒ではなく、味わうための酒を造りたい」と、現会長である三代目桜井博志氏が方針転換を行い、獺祭が造られ始めました。

現在、旭酒造が酒として取り扱うのは、スパークリングや甘酒を含め獺祭シリーズのみです。

日本酒は、すべて精米歩合50%以下の純米大吟醸のみを出荷し、近年は海外展開にも力を入れ、現在20カ国以上に輸出しています。

その他に石鹸・酒ケーキ・グラスなども販売されていますが、全て獺祭にちなんでいます。

獺祭が人気の理由

獺祭が現在のような人気銘柄となった理由は、蔵元の味わいへのこだわりや、メディアへの露出増加などが挙げられます。

フルーティーで飲みやすいすっきりとした味

獺祭が多くの人気を集める一番の理由は、蔵元が最もこだわりをもつ『味』に他なりません。

若年層や女性など、日本酒に馴染みがなかった人たちにも受け入れられたフルーティーな味わいは、従来の日本酒に対するイメージを覆したともいわれています。

また、果物のような甘い香りや、雑味のないすっきりとした後味は、ワイングラスで飲むことで、より深く堪能できるでしょう。

実際に、蔵元でも、獺祭をおいしく飲むために工夫されて作られたグラスが販売されています。

これまで日本酒が好まれてきた層とは違う人たちにもアプローチできたことが、獺祭の知名度を広げる理由といえそうです。

獺祭のおいしさはこだわりにある

獺祭は、おいしさをより追求するために、原料と精米歩合にこだわりをもって造られています。

獺祭の原料となる米の品種は、名酒といわれる日本酒の多くに使われてきた『山田錦(やまだにしき)』です。

米の中でも栽培が難しいとされる山田錦にこだわり、指定農家と提携するなどして安定した供給を保っています。

また、獺祭シリーズにおける全銘柄は精米歩合50%以下を実現し、品評会に出品するようなレベルの大吟醸酒として造られています。

コストが高く導入が難しい遠心分離機で造られている銘柄があることも、獺祭における特徴の一つです。遠心力で分離された酒は、より雑味が抑えられたまろやかな味わいが実現されます。

テレビなどのメディアで取り上げられた

獺祭の注目度がアップした理由の一つに、さまざまな機会で各種メディアに登場したことが挙げられます。

例えば、かつてアメリカやロシアの大統領を日本に迎えた際、プレゼントとして獺祭が贈られたことがメディアで報じられました。

また、衣料品の国内最大手ブランドが新店舗をオープンする度、オープニング式典の乾杯酒に獺祭を採用する様子が紹介されています。

これらはそれぞれ、国や企業のトップが、獺祭の地元山口県出身であったことも大きく影響しているようです。

他にも、バラエティ番組やアニメーション映画に登場するなど露出を増やしたことなどもあり、現在では全国区の知名度を獲得しています。

獺祭の値段は高い?

獺祭が世間の注目を集め始めてから現在までの、値段の変遷に関する歴史を紹介します。

以前は2~3倍の価格で売られていた

芋焼酎の森伊蔵や魔王など人気が高い酒の中には、定価に対し数倍の価格で市場に出回る、いわゆる『プレミアム酒』といわれる銘柄が存在します。

獺祭も今や国内外で高い人気を誇る日本酒であり、世間から注目され始めてからは、スーパーや通販などで定価の2~3倍もの価格で販売されていた時期がありました。

酒の価格が高騰する大きな理由の一つとして、人気の高まりに生産が追いつかないことが挙げられ、獺祭においても同様の状況が避けられない状態でした。

スーパーや通販でしか獺祭を目にしたことがなかった人の中には、定価の2~3倍の価格が獺祭の正規価格だと思い込んでいた人も多かったようです。

蔵元が価格の高騰を嘆いていたことも

市場での価格高騰は、「おいしい状態の獺祭をできるだけ多くの人に正規の価格で楽しんでもらいたい」と考える蔵元にとっても由々しき事態でした。

2017年12月には、新聞広告を利用し、「獺祭を高く購入しないでほしい」と蔵元が世間に呼び掛け、話題になったこともあります。

広告を出したことについては、現社長の四代目桜井一宏氏が、「そもそも獺祭の適正な相場を知らない人が多く、正規の価格で獺祭を楽しむ権利がある消費者を守る意味でも苦渋の決断だった」と後に明かしています。

現在は生産が追いつき価格も安定している

このような紆余曲折を経て、現在では生産が製造に追いつき、市場価格も比較的安定している状況です。

中にはいまだにプレミアム価格で販売している業者も見かけますが、これらの販売元は旭酒造の正規取引先とは異なった業者である場合が多く、蔵元もHPなどを利用し、高く販売する業者には注意するよう訴え続けています。

獺祭における価格の高騰に関しては、蔵元と消費者には何のメリットもなく、販売の中間に入り込んでいる転売屋や卸業者だけが利益を得る構造です。

現在では『幻の酒』から『定番の酒』へとシフトしつつありますが、さまざまな販売店での価格を確認し、相場を確認しておくことも必要といえるでしょう。

獺祭の値段による違いは?

獺祭シリーズの主な銘柄について、それぞれの特徴と値段の違いを紹介します。

獺祭純米大吟醸45

日本酒は、原料の精米をより高精度に行うことで、雑味をなくしすっきりとした味わいになります。精米歩合が50%以下の酒でなければ、高品質の大吟醸酒は名乗れません。

『獺祭純米大吟醸45』は、これまで精米歩合50%の酒として製造していた『大吟醸50』をさらに5%磨き、リニューアルした銘柄です。

こだわりの品質でありながら、シリーズの中で最も安価なこともあり、獺祭の銘柄の中で最も人気のある商品です。

米由来の繊細な甘みと華やかな香りが特徴で、定価は1800mlの箱無しで税込み3240円となっています。

  • 商品名:獺祭純米大吟醸45 1800ml
  • 価格:3240円(税込)
  • Amazon:商品ページ

獺祭純米大吟醸 磨き 二割三分

精米歩合が23%という、最高級の磨き具合を施された『獺祭純米大吟醸 磨き 二割三分』は、獺祭シリーズの中でも高級酒に分類される銘柄です。

一般的な大吟醸レベルの日本酒は、精米作業に約3日かかるといわれますが、『獺祭純米大吟醸 磨き 二割三分』はさらに手間をかけて精米し、1週間ほど時間をかけて精米されています。

シリーズの45%や39%と比べ、さらに雑味が抑えられ、豊かな甘みとジュースのような口当たりで、より上品な飲み心地を堪能できます。

定価は720mlの木箱入りで5724円と高めであるため、特別な日などに飲む酒として選ぶとよいでしょう。プレゼントとしてもおすすめです。

  • 商品名:獺祭純米大吟醸 磨き 二割三分 720ml
  • 価格:5724円(税込)
  • Amazon:商品ページ

獺祭 磨き その先へ

獺祭には、最高級の品質として知られる『二割三分』より、さらに磨いた米で造られた『獺祭 磨き その先へ』という、精米歩合が非公開の銘柄があります。

国内屈指の最高品質を誇る『磨き その先へ』は、品質の方向性としては二割三分の発展系としてではなく、二割三分を踏まえた上で別のものとして造られている銘柄です。

美しい香りと、複雑性や重層性が感じられる味わいが堪能でき、飲んだ後も長い余韻で楽しめる逸品です。

定価は720mlで2万6400円となっており、価格も国内最高級の酒といえます。『二割三分』の後に飲むのが、よりおいしさが際立つ飲み方として推奨されています。

  • 商品名:獺祭 磨き その先へ 720ml
  • 価格:2万6400円(税込)
  • Amazon:商品ページ

獺祭は居酒屋で飲むとどれくらい?

獺祭は瓶での購入だけでなく、居酒屋などでも楽しめます。獺祭が飲める場所ごとの相場を確認しましょう。

居酒屋では1合1000円から2000円程度

居酒屋などで提供される獺祭は、純米大吟醸45の場合、コップ一杯約1合あたりの価格が1000~2000円程度となっています。

提供する店により幅はあるものの、同じ店で飲める他の人気銘柄と比較しても、決して高すぎる価格ではありません。

また、瓶で購入し自宅で飲む場合と比較すると、純米大吟醸45が一升(10合)3240円であるため、1合あたりの価格は324円となり、瓶で購入し飲む方がかなり安いことが分かります。

したがって、獺祭をできるだけ安く飲みたい場合は、居酒屋などで提供されるものではなく、瓶で購入し自宅で飲むようにしましょう。

蔵元に見学へ行けば安く飲める

山口県にある獺祭の蔵元では、予約をすれば蔵見学も可能です。獺祭の蔵見学は、全国各地からだけでなく、海外からの申し込みもあるほどの人気サービスとして知られています。

見学料は無料ですが、実費で衛生服代が税込200円必要です。

一通りの見学を終えた後に、見学者のみ税込300円で獺祭の試飲ができます。『純米大吟醸45』『磨き三割九分』『磨き二割三分』『発泡にごり酒スパークリング』の飲み比べが楽しめます。

あくまでも試飲であるためゴクゴクと飲むわけにはいきませんが、300円で4種類もの獺祭を味わえることは魅力といえるでしょう。

獺祭は現在定価で購入が可能

定価の数倍もの価格で販売されていた時期もある獺祭は、蔵元の努力もあり現在では供給が安定し、多くの販売元において定価で購入できます。

居酒屋などで提供される獺祭は割高であるため、値段を抑えたい場合は瓶の獺祭を正規の価格で購入し、自宅でおいしく楽しみましょう。

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