パテントってどんな意味?概要や用語などについて理解しよう

2019.09.12

『パテント』とは『特許』を意味する言葉です。日本において近年重要性が高まっている、『知的財産権』の中に含まれる権利でもあります。パテントの意味を知り、資格や会社など関連する用語について理解を深めましょう。

パテントについて知ろう

『特許』を意味するパテントや、知的財産について解説します。

パテントとは

『パテント』とは、英語『patent』を語源とするカタカナ語で、『特許』『特許権』を意味する言葉です。「パテントを取る」「パテント料を支払う」のように用います。

『特許』とは、新規性があり高度な技術的アイデアを生み出した者の出願に基づき、政府がその独占権を一定期間保護することです。

特許の保護期間は一般的に20年間とされ、その間は出願者以外の使用・生産・販売・輸入・輸出などが禁止されます。医薬品等については最長25年まで延長できる場合があります。

特許制度は、発明の保護と利用のバランスを取る意味を持つ制度です。特定の企業しかアイデアを利用できない状況は独占を招く恐れがありますが、特許制度の存在により、独占の弊害を防ぐ効果が期待されています。

知的財産や特許権とは

『知的財産』は『知財』とも略され、知的活動により生み出されたアイデアや創作物などのうち、財産的な価値を持つものです。

知的財産を保護する権利を『知的財産権』といいます。

知的財産権には、音楽・映画・絵画などの著作物を保護する著作権、デザインなど保護する意匠権、考案などを保護する実用新案権、商品やサービスなどを区別するマークを保護する商標権などがあります。

発明を保護する特許権も、知的財産権の中に含まれる権利です。

パテントマップについて知ろう

パテントマップとは何なのか、意味や必要な要素などを解説します。

パテントマップとは

『パテントマップ』は『特許マップ』とも呼ばれ、特許情報を整理・分析・加工し、視覚的に図面・グラフ・表などで示したもののことをいいます。

特許情報を可視化することで、特定技術分野の動向を確認したい場合や、競合他社の出願動向を確認したい場合などに活用できます。

パテントマップは、新たな研究開発投資や技術導入などを行う際に重要なものです。事業を成功させるか否かについて、パテントマップを持っているかどうかが成功の鍵を握るともいわれます。

大手企業などでも、研究開発部がパテントマップを所有し、研究や開発の道筋を確認しながら、製品化等を行っています。

パテントマップに必要な要素

パテントマップには、『特許情報』『調査・整理・分析』『視覚化・ビジュアル化』の要素が必要です。

『特許情報』は、技術情報としての側面と、権利情報としての側面を有している必要があります。作成するパテントマップが、どちらの側面に重点を置いているのかを、しっかりと把握する必要があるためです。

『調査・整理・分析』は、競合他社の出願件数を単純に知りたいだけの場合や、様々な技術的観点を設けて特許公報を読み込み、詳しい分類や整理をしたい場合など、パテントマップの作成目的に応じて、それぞれの方法が異なります。

『視覚化・ビジュアル化』は、『調査・整理・分析』を行った結果を分かりやすく見せる作業です。誰に対し、何の目的で見せるのかということを念頭に置き、しっかりと理解させるための視覚化を意識することが重要になります。

パテントマップガイダンスとは

特許や実用新案は、特許文献の技術内容により分類された『IPC』(国際特許分類)や、IPCを日本用にさらに細かくした『ファイルインデックス(FI)』、日本独自の技術分類である『Fターム』などに反映されます。

これらはアルファベットと数字を組み合わせただけのもので、この分類コードだけを見ても分かりにくいため、分類コードを分かりやすく調べられるように『パテントマップガイダンス』といわれるシステムが提供されています。

パテントマップガイダンスは、独立行政法人『工業所有権情報・研修館』が運営する、特許・実用新案・意匠・商標の無料検索システム『J-PlatPat』の提供サービスです。出願人や権利者名などの、特許等の有無や状況などを調査できます。

J-PlatPat:公式サイト

関連用語について知ろう

パテントに関連する用語について解説します。

パテントプール

『パテントプール』とは、複数の特許権を持つ者がグループを構成し、それぞれが所有する特許権をそのグループが定めた特定の組織に持ち寄り、その組織に特許権の管理を任せる仕組みのことです。

パテントプールにより、それぞれの特許権を持つ者が、互いに持ち寄った特許を共有できます。

また、標準化された技術に関する複数の特許について、窓口を一つにし一括してライセンス契約できるようにしたり、特許権使用料の引き下げを可能にしたりすることも、パテントプールの効果的な活用方法です。

パテントプールは、使い方によっては独占活動とみなされる可能性があるため、その形成や運用については独占禁止法で規制されることがあります。

パテントトロール

『パテントトロール』とは、第三者から買い集めた特許を利用しビジネスを行う組織などのことをいいます。

ここで言う特許とは、多くの場合、発明を実施せず実施の意図もないような特許のことを指します。

パテントトロールの具体的な特徴として、以下のような点が挙げられます。

  • 倒産した会社や個人発明家などから特許を購入する
  • その特許を侵害しそうな商品を製造している企業に、高額なライセンスフィーや和解金を要求する
  • 自らはその特許に関する商品を製造しないことにより、反訴を提起されるリスクをおさえる

これらの活動は、主に大企業に対して特許権侵害を訴え巨額な損害賠償金を得ることが目的で行われ、実際には事業活動をしていないことがほとんどです。

パテントスコープ

『パテントスコープ』とは、『WIPO(世界知的所有権機関)』が管理する情報提供サービスのことをいいます。

『WIPO』は、1970年に設立され、スイスのジュネーヴに本部を置き、全世界的な知的財産権の保護を促進することを目的とした、国際連合の専門機関です。

WIPOが所有する特許や、国際特許出願に関する情報などが、インターネット上に公表されています。

WIPOが提供する知的財産は、特許のみならず商標・意匠・著作権などさまざまですが、その中でも特許に関する情報を扱うのがパテントスコープです。

WIPO:公式サイト※英語

パテントに関連する資格

パテントや知的財産に関連する資格を紹介し、それぞれの概要を解説します。

知的財産管理技能士

『知的財産管理技能士』は、知的財産を管理する能力を認められる国家資格です。業務独占資格ではないため、法律に関わる専門業務ができるような資格ではありません。

知的財産管理技能士の資格を取得することで、知的財産権に関わる幅広い事柄についての問題に対し、判断・解決できるスキルを身に付けることが期待されます。仕事で知的財産を扱う機会がある場合は、当資格を取得する意義は大きいといえます。

また、ネット上での不正流用トラブルから身を守れるようになったり、就職や転職に有利になったり、新たなビジネスチャンスにつながったりすることが、資格を取得するメリットして挙げられるでしょう。

パテントワークマスター

『パテントワークマスター』は、2003年に知的財産基本法が施行されたことを受け、特定非営利活動法人『日本パテントワーク協会』により作られた資格です。

知的財産基本法の施行により知的財産権の重要性が高まり、特許事務所や企業の知的財産部・法務部などに従事する人材の需要が高まったことが、資格の誕生につながっています。

パテントワークマスターの資格者は、弁護士事務所・弁理士事務所・特許法律事務所において、書類作成や特許出願等の業務ができる能力を有します。また、一般企業の知的財産を管理している部署などでも、活躍が期待される資格です。

資格取得試験の受験に関し、特に制限はなく、公開試験は毎年11月の第3日曜日に東京都で行われます。

パテントエージェント

『パテントエージェント』は、米国特許庁への代理手続き業務を行える資格で、米国特許庁が試験を実施します。

日本人が試験を受けるための条件としては、就労ビザを持ちアメリカで働いていること、理工系の学位または同等の資格を有していることなどが挙げられます。

アメリカにおける特許実務や特許出願業務に関わる専門職になれる資格で、取得後は特許業務のプロフェッショナルとして、アメリカ全土で活躍することが可能です。

また、資格取得後に日本へ帰国し、日本の国際特許事務所や、海外展開する企業の法務部門などで働く選択肢もあるでしょう。

パテント関連の会社や事業内容

パテントに関連した会社を2社取り上げ、それぞれの事業内容などを紹介します。

パテントサロン

『パテントサロン』は、知的財産に関するニュースやセミナー情報などを扱う、特許業界では広く知られたサイトです。2000年に開設されて以来現在まで、『サイテックシステム有限会社』が運営しています。

特許・商標・ドメイン・著作権など、知的財産権に関するニュースへのリンクが数多く掲載されています。最新の知財ニュースを紹介する『日刊知財』は、ほぼ毎日配信されるメールマガジンです。

また、『求人スクエア』というカテゴリでは、特許事務所や企業知的財産部など、特許や知的財産権関係の求人情報が提供されています。弁理士や調査系、特許翻訳の求人も見られます。

パテントサロン:公式サイト

 

パテント・リザルト

東京都台東区に本社を構える『パテント・リザルト』は、特許分析を通じた経営分析・競合調査・MOT(技術経営)関連サービスを提供する会社です。

統計を用いた特許の客観的な評価手法『パテントスコア』を開発・運用するなど、特許の客観評価指標や知財経営支援ツールの分野で高い知名度を得ています。

また、各種メディア向けには、大学や国立研究機関の特許資産ランキングや、技術分野別の企業の特許資産ランキングを発表しています。

パテント・リザルト:公式サイト

パテントについて理解しよう

『パテント』とは、『特許』『特許権』を意味する言葉です。パテントは知的財産と関係するほか、パテントマップなどさまざまな用語に使われています。

他にも、関連する資格や会社など、パテントは特許や知的財産の分野で多く目にする言葉です。

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