登山用の地図はアプリのみでOK?紙と上手に使い分けよう

2019.09.15

登山に欠かせない道具といえば『地図』です。ダウンロードできるスマホの『アプリ地図』とオーソドックスな『紙の地図』はどちらが役立つのでしょうか?それぞれの地図の使い分け方や、スマホに入れておきたいおすすめのアプリ地図を紹介します。

登山に欠かせない地図の役割

山中には道案内をする標識や目印になる大きな建物がほとんどなく、現在の位置情報を確認するには『地図』が頼りです。GPSの普及により地図読みが得意でない人が増加していますが、登山前は地図の役割と見方をマスターしておく必要があります。

事前のシミュレーションで事故を防ぐ

登山で多いトラブルの一つが道迷いによる『遭難』です。道迷いの理由に、地図によるシミュレーションを怠ったことや情報収集の不十分さなどが挙げられます。

地図は、地形の特徴がわかる『地形図』と、コースルートや山小屋の位置などがわかる『登山地図』があり、両方を上手に活用すると山の全体像が見えるのです。

事前のシミュレーションでは、目印となる分岐点やメインルート、危険箇所に印を付けて『オリジナルマップ』を作成します。

多くの山には『一般路』と『難路』があるため、登山前のプランニング時にしっかりと区別をしておきましょう。

登山中にルートを把握できる

登山中における地図の最も重要な役割が『現在地』『目的地』『登山ルート』の確認です。

山に足を踏み入れると方向感覚が失われるため、地図をこまめに確認しなければなりません。登山中、見晴らしのよい場所があったときは、尾根の形や山並みを地図や地形図と照らし合わせます。

実用性にこだわった登山地図には、おおよそのコースタイムやビュースポット情報などが記載されています。初心者でも迷いにくく、予定が立てやすいのがメリットです。

アプリと紙の地図、どちらを選ぶ?

地図には『アプリ地図』と、オーソドックスな『紙の地図』の2種類があります。山の中で『本当に使える地図』はどちらなのでしょうか?

便利さ、情報鮮度がアプリの強み

スマホの普及で注目されているのが、GPSやオフライン機能を搭載した『地図アプリ』です。紙の地図とコンパスは、自分の現在位置がわかった上で使用するもので、道に迷った状態では使えないケースがあります。

一方、地図アプリは衛星からの通信を受信するため、どこにいてもすぐに正確な位置情報が割り出せます。最新の情報が豊富な点も紙の地図にはない強みです。

事前ダウンロードでオフライン利用が可能

スマホの電池切れやデータ通信の状況を考えると「アプリ地図は山中で使えないのでは?」と心配な人もいるでしょう。

アプリ地図のほとんどは事前にダウンロードでき、スマホが圏外の状態でも問題なく使えます。もちろん、GPS機能もしっかりと機能するため、電池切れが起こらない限りは、精度の高い情報を提供してくれるでしょう。

電池切れを防ぐために、機内モードで使うのも有効な方法といわれています。

紙の地図が便利なシーンもある

アプリ地図を使っていると「紙の地図はもう不要…」と錯覚してしまいますが、紙の地図とアプリ地図を両方活用するのが理想です。

例えば、みんなで登山の計画を立てるとき、アプリ地図は小さくて見にくいですが、紙の地図なら山域全体が俯瞰できます。相談しながら、予定やルートを自由に書き込めるでしょう。

スマホは電気製品のため、いつどこで故障するかわかりませんし、電池が切れることもあります。アプリ地図をメインにし、紙の地図とコンパスをサブで使うと安心です。

地形図読みを身につけ登山をもっと楽しもう

登山用地図をはじめとするいろいろな地図は『地形図』を基にして作成されています。地形図の読み方がわかると、等高線から山の断面図・特徴までもがつかめるようになるでしょう。

地形図は国土地理院発行が発行

『地形図』は、一見地図と同じもののようにも見えますが異なるものです。国土交通省の特別機関『国土地理院』から発行されており『1/20万』『1/5万』『1/2万5000』の三つの縮尺があります。

地形図は縮尺の範囲内において『山』『川』『道路』『鉄道』など地表の様子を精細に表現し、土地の高低差を明確にする『等高線』が表示されているのが特徴です。

等高線が読めると山の全体像がわかる

『等高線』は同じ高さの地点を線で結んだものです。10mごとに記された『主曲線』、50mごとに太線で描かれた『計曲線』、主曲線と主曲線の間を5mまたは2.5mごとに結んだ『補助曲線』で成り立っています。

等高線の間隔が広い部分は傾斜が緩く、狭い部分は傾斜が急です。これらの情報を基にすれば、山の全体像が把握できます。等高線の形を見れば、山の尾根や谷がどこにあるかもわかります。

等高線は、ポイントさえ押さえれば誰でも簡単に読めるようになるでしょう。さらにトレーニングを積めば、等高線を見ただけで山の立体図が頭に浮かんできます。地形図読みは、登山には欠かせない技術です。

山でも使えるおすすめ地図アプリ紹介

登山にはスマホの電波が届かない場所でも使える『地図アプリ』が欠かせません。登山前にお気に入りのアプリをダウンロードし、地図の見方に慣れておきましょう。

登山計画から活用できる ヤマレコMAP

『ヤマレコMAP』は、登山中のルート・位置確認だけでなく、登山前のプランニングから登山後の記録までが一括で作成できるアプリです。

歩くスピードや休憩時間などを入力すると、ゴールまでにかかる時間が自動的に計算されます。作成した『登山計画書』はそのまま自治体に提出でき、時間と労力が省けるでしょう。

ダウンロードした地図には、ヤマレコユーザーのGPSログが『みんなの足跡』として表示され、登山中は予定外のルートに出ると警告音で知らせてくれます。

老舗出版社の登山地図アプリ版 山と高原地図

『山と高原の地図』は、50年以上のロングセラーを誇る昭文社の登山・ハイキング地図で、毎年改訂を加えて最新情報を盛り込んでいます。日本の名山1500を含んだ61エリアの豊富なラインナップです。

アプリ版は地図1エリアのダウンロードにつき500円がかかります。『水場』『避難所』『登山道の状況』『高山植物』など、山に精通した執筆者による具体的な情報が記載されているのが特徴です。

記録したルートをメールで共有したり、登山のコミュニティサイトに投稿したりするなど、さまざまな使い方ができるのも魅力といえます。

SNS機能も充実 YAMAP

『YAMAP(ヤマップ)』は、日本中の山の地図が無料で無制限にダウンロードできるお得なアプリです。有料会員になれば、プレミアム地図の利用や山ごとの気象情報の閲覧も可能です。

コースとともに『活動時間』『距離』『標高』などが表示され、自分の現在位置が把握できるとともに、体力や体調管理をするのにも役立ちます。

登山途中に撮った写真を使いながら自分だけの登山記録を作成したり、SNSに投稿してユーザー同士でシェアしたりするなど、活用方法は無限大です。

アプリと地図を組み合わせて活用しよう

地図の読み方に慣れていない登山初心者にとって、自分の現在位置がすぐにわかるアプリ地図は、登山の必須アイテムです。精度の高さや機能の充実度は、紙の地図にはない魅力といえます。

しかし、アプリを過信しすぎるのは禁物です。スマホの万が一の故障や紛失を考えて、紙の地図の読み方も勉強しておくのがよいでしょう。

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