狂気の画家「ゴッホ」。悲運の生涯や代表作をご紹介

2019.09.12

フィセント・ファン・ゴッホ(1853年~1890年)は、オランダの印象派の画家。主な作品はフランスに住んでから描かれました。感情の赴くままに自由な表現でダイナミックな色彩が特徴です。後世に大きな影響をもたらした彼の代表作をご紹介します。

ゴッホについて

ゴッホは、幼い頃から画家になるための人生を送ったというわけでは全くありませんでした。成人後、就職してはすぐにやめることを繰り返して職を転々としており、画家の道へ進もうと決めたのは27歳のときという遅咲きの天才でした。

そうした経緯や、傑作が晩年に集中していることもあって、生前の評価は得られなかった不遇の画家です。

扱いづらい問題児

勝利者という意味のフィセントという名前が付けられたゴッホ。ゴッホ家はオランダでかなりの名門一族でした。ゴッホは頑固で強情、癇癪持ちでとても難しい少年でした。

兄妹と遊ぶことはなく、ひとり植物や昆虫を観察するのが好きでしたが4歳下の弟テオだけはお気に入りで、後に彼の良き理解者となります。テオもまた、感受性豊かで、何の変哲もない野や山を全く違う景色に感じさせてくれる兄を尊敬していました。

後期印象派に属する

ゴッホは画家を志したのち、生まれ故郷のオランダを離れパリに行くことを決意します。この時ゴッホは33歳でした。

弟のテオと暮らし始め、画家への道を歩み始めた彼は、印象派のクロード・モネの作品に衝撃を受けたといいます。ゴッホをはじめ、ゴーギャン、セザンヌらは、こうした印象派からの影響を多分に受けた作品群を発表したことから、後期印象派といわれました。

浮世絵に関心を持つ

おりしもヨーロッパではジャポニズムが流行していた時代。芸術の都・パリでも流行していた浮世絵に、ゴッホは虜になりました。

のちに懇意となり、ゴッホの代表作のモデルとしても有名な画材屋・ダンギー爺さんの肖像画の背景にも、浮世絵が写り込んでおり、当時のゴッホの浮世絵に対する関心がうかがえます。

ゴッホの代表作

遅咲きの画家で知られていますが、亡くなる2年前に傑作が集中しています。彼の代表作をご紹介します。

「ダンギー爺さん」1887年

パリで画材屋さんを経営していたジュリアンゴ・フワンソワ・ダンギー。貧乏な画家を援助していたといわれており、ゴッホが自殺した後もゴッホの作品を展示していました有名な肖像画はダンギー爺さんが62歳のときのものです。

ダンギー爺さんの背景をよく見ると浮世絵が描かれていることに驚かれる方は多いのではないでしょうか。ゴッホは歌川広重に心酔していて浮世絵の世界に魅了されていたことがよく分かる作品です。

「ひまわり」1888年

ひまわりはゴッホの象徴で、とても有名な作品です。ゴッホはひまわりを題材にした作品を10点残しています。ゴッホは黄色がとても好きな画家だったことがよく分かります。ゴーギャンと暮らす家に飾るために描かれたといわれています。

「夜のカフェテラス」1888年

アルルの街の夜の風景を描いた作品です。鮮やかな色彩にハッとさせられる作品です。モーパッサンの小説にある「明るい光で照らされた賑やかな客たち」の文章にインスピレーションを得て、ゴッホは昼間ではなく夜の風景でキャンパスいっぱいに溢れる光を表現しました。

「包帯をしてパイプをくわえた自画像」1889年

ゴーギャンとの生活に疲れ果てたゴッホ。決別することを決意したゴッホはカミソリで自分の耳を切り落としてしまいました。事件の直後に描かれた作品です。絵に取り組むことは、狂気と対峙することだったのかも知れません。

「星月夜」1889年

精神を病み、入院することとなったゴッホ。外出を禁止されていたおり、精神病院の鉄格子の窓から見た風景を描きました。キャンパスの上から下まで描かれた糸杉は天国へと繋がる架け橋だったのでしょうか。

「カラスのいる麦畑」1890年

死を予期したかのような作品です。自殺する前に描かれた最後の作品となりました。死の象徴であるカラスがこちらへ向かっています。強い風を受けて乱れる麦畑、道はどこへ向かっているのでしょうか。

孤独な天才は燃えるような色彩を手に入れた

ゴッホの唯一の理解者であるテオが結婚して以降は、自分が一人になってしまうのではないかという不安と孤独でいっぱいだったというゴッホ。最後には拳銃自殺という形で、37年の短い生涯を終えました。

彼が生きている間、彼の作品に目を留めた人は殆どいませんでした。たった10年の画家生活でしたが、死の2年前に神がかり的な色彩を手に入れました。

現在、巨万の富と交換される彼の絵は生前にたったの1枚しか売れませんでした。何度も自分の顔を描いて自分を観ていたゴッホ。彼は絵を描くことで自分を慰めていたのかもしれません。

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